No.06 00/03/18 ◆作品解説:エヴァンジェリスト

加持の優しさとアスカの素直さ?

【感想メールへのお返事に代えて】
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 どもども、コラムのネタも自分の身の回りやエヴァそのモノばかりでは申し訳ないの
で、恐ろしく久しぶりにエヴァンジェリストの話しでもしてみようかな、なんて(^^;
 昔やってた編集後記の解説のかわりと思って下さい。

 あ、でもネタバレ嫌いな方は今回のコラムだけは読まないでね。

 って言うと数少ないコラムの読者(自己申告3名、推定全部で5名(爆))の大半を失う
わけですが(笑)、まあ、「張り詰めた日々」Dパートを先に読んで頂いて、さらに深読
みして頂ければ(笑) 問題の無い話しに止めておくつもりです。


 前回Cパートの更新後に、久しぶりにちゃんとした感想メールを何通か頂きました。
 いやあ、ちゃんと更新してみるもんですね(^^;
 まだ読んで下さる方が居るってだけでも幸せだと思っております。

 メール下さった方々、ありがとうございますm(_ _)m
 全部に返事を出せる状況じゃないのが申し訳ないですが、更新がお返事と思って頂け
れば。


 さてその中に、

>「加持によって空虚感を満たそうとするアスカ」は理解できるけれど、
> その関係を続けている加持に「優しさ」なんて無いんじゃないか?」

#(頂いた文章そのままではありませんが、上記のような内容のモノです。
#メールの方は大変詳しく書かれておりましたが、こちらのコラムで
#お返事の代わりとさせて頂きます・・・って手抜きですいません(^^;)

 てな感想を下さった方が居ます。

 その通りですよね(笑)

 ちょうどDパート書いてる最中でしたから、うむうむ、と言うか、そうなんですよお
客さん、て感じで頷きながらご意見拝読致しました。
 なもんですからそれに対する返答は、まずはDパートをご覧くださいって話しなんで
すが・・・。

 読みました?(笑)
 じゃあ続けます(爆)

 タイトルは反語です。
 現実はドライな加持とそれを利用するアスカの狡さ、って事になるでしょう。

 加持は、優しくも何とも無いんですよ(^^;
 むしろ、冷たい。

 私のイメージする加持は、腹の底で自分以外の人間の事なんてどうでも良いと思って
るような・・・それどころか自分自身さえどうだっていいような男です。
 2015のラストでああだった行きがかり上、アスカの事を突っぱねられないんです
けどね。
 でも、それはあくまで「行きがかり」の上での話し、みたいな(^^;

 自殺しようと思ってる人間に向かって「思いとどまれ」と言うのは簡単ですけど、思
い止まっちゃった自殺志願者をどうこうしようと後先まで考えた上で「早まるな」って
言ってる人間は居ないと思うんですよね。

 結論から言えば、アスカは加持に甘え過ぎ。

 アスカにしてみれば加持が居なけりゃあの時全部終わりにできたんだから、加持に頼
ると言うかよっかかる理由は有るわけですけど、それをいつまでも引きずってたんじゃ
「自分の人生」じゃ無くなっちゃうわけで・・・なんて話しは加持には全部見えてるハ
ズなんですな。

 だから、加持もアスカを甘やかし過ぎなんですよ。

 死ぬなと言って死ななかった以上、責任は感じてるわけですけど、だからずっとアス
カに求められるままってのは「甘い」だけでして「優しい」とは違う。

 んじゃあ、なんで加持はアスカに甘いのか?
 なんでアスカは加持に甘えたまま、そこで止まってるのか?

 そこのところ書こうというか、本来ベースに有った部分をお客さんにも分かるように
ちゃんと書いて示したのが今回のDパートの大半を占めるアスカの自省と自嘲のシーン
です。
 色々と、現世の政治的な思惑や組織のしがらみも絡んで、その上で危うく成立しちゃっ
てる。
 また一旦成立しちゃったせいで一見安定しちゃってる関係が「加持×アスカ」って所
をハッキリさせた、つもりです(^^;

 加持の気持ち、なんてのはわざわざ書かないですけど(爆) アスカから見てどうなの
か、アスカがどう思ってるのかはちゃんと書いたつもりでして。
 読み取りにくかったらすいません。
 あんまり下品に書くのも趣が無いなあと思ったモノで(笑)。

 ま、本来「ホテル」で明らかにしても良かった部分なんですけど、やっぱり「エヴァ」
と絡めて出さないとどうにも説得力の無い部分なんで、シンクロテストまで持ち越して
ました。

 ようやく出せてほっとしてるってところです(笑)。

 それでも、「加持はホントはアスカの事をどう思ってるの?」てな部分が残るわけな
んですけど、それここで書いちゃうとネタバレも良い所ですね(爆)。
 今後のお話の中で明らかになっていく・・・いや、もうとっくに解かっちゃいるわけ
だけど(笑)、登場人物達にとっても言い訳できないカタチでハッキリしていく部分です。


 で、現状ですが・・・アスカの方でも気付いていると思うんですよね。
 加持の、一見「優しさ」に見える部分は、ウェットな感情や感傷のもたらすモノとい
うよりも、もっとドライな部分だって事にとっくに気付いてる。
 そういう事に気付いてるからこそ、もっと加持を求める気持ちになっちゃうって所だ
と思うんですよ。

 ままならない、というかコントロール出来ない部分で関係が続いてる(^^;

 コントロール出来ないからこそ「援助交際」ってカタチにこだわってる。
 自分自身の加持に対する行動もドライなんですよね、実は。
 どろどろの本心でぶつかって行ったら、関係が続かなくなっちゃうから。

 それでも私は、個人的に加持の事を「嫌な奴だ」とも「悪い奴だ」とも思わないんで
すよ。
 加持にだって、野心は有るしスケベ心が有るし、アスカに同情する部分、分かってい
るけど理知的には判断しきれない部分ってのが有って当然と思ってます。
 アスカやシンジだけじゃ無くって、ミサトも加持も、自分自身の
「大人になれていない部分」に悩んで苦しんで持て余しつつ生きてると思うんですよねえ。

 特に、加持のミサトに対する気持ちはそうですね。
 大人になりきれていない関係。
 アスカとの事で引け目も負い目もあるし。
 ミサトはミサトで、アスカがエヴァに乗れなくなった当時、全くフォローが出来無かっ
たと言う「保護者失格ね」の負い目がある。

 アスカはもちろん、ミサトに対して負い目がある。
 死線をさ迷うような大怪我をして、そこから立ち上がって、苦しいリハビリを経てっ
て段階で、最初に加持の支えを求めたと思うんです。
 でもそれは、言うなれば自分の「弱さ」を武器にですよね(^^;
 正面からミサトとぶつかって加持を取ったわけじゃないって引け目がある。

 加持はそのアスカの求めに応じると共に、ミサトに対して約束を果たす。
 三すくみといっても良い(^^;

 アスカとミサトは、多分「これまでは」衝突してないんでしょうね。
 三人は、絶対に三人で顔を合わせないようにしてると思います。
 合わせちゃったらどうなっちゃうのか、自分達でも恐い。
 いつかはぶつからなきゃいけないって事は、それぞれにちゃんと分かってるんだけど、
でも・・・って感じ。

 そんなわけで、まだまだ長くかかりそうなお話であります。
 気長に付き合って頂ければ(^^;

でわでわ(^_^)/~
次回へ続く▽

制作・著作 「よごれに」けんけんZ
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