アスカ
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エヴァ本編向けコラムがケンスケ>シンジ>シンジとエヴァと展開して、次は 「エヴァそのモノ」に行こうかアスカやレイに行こうか悩んでいたんですが、どうも 2018の今後の展開と絡む話しをポロッとしてしまいそうなんで、書きかけの (っつうか在庫(笑))エヴァの雑記はしばらくお蔵。 何故なら「物語の主体としてのエヴァ」をどう料理していこう?って話しはそのまま エヴァンジェリストの展開そのものですのでネタバレになっちゃうんですよ……そっち がバレないように上手くは書けないんで(^^; 仕方ないんでレイの事でも……と思って過去に書き散らかした 「綾波レイとはなんぞや?」ってのをひっくり返してる最中に某所で某さんとまたぞろ 「いつものアヤナミ論」を喧々諤々と和やかに談笑(笑)。 いや、楽しかったんですけどね。 う〜〜ん、コラム向けのネタじゃないなあ、と(笑)。 全角40文字で2000行とかになるんですよ、多分(爆)。 120〜200行でコラム一回って思ってるから……10回にわたって連載?(核爆) やめやめ(-_-;) だいいち人が読んで面白い話しに出来ないです。 いまだにアヤナミへの想いってのはアツすぎるようです。 |
んでアスカの事を考えていたんですけど……難しいですね、アスカ(^^; 個人的に、エヴァの「人間の」ヒロインはアスカだったと思うんですよ。 レイは前段6話までヒロインでしたが、その後はシンジと距離を取って、だんだん舞 台上の「役者」から後ろの「書き割り」の方へと移って行っちゃったって印象が有るん ですね。 エヴァって物語のエヴァそのモノ、物語の主体に含まれる大きな流れの方へ擦り寄っ て行っちゃってシンジの元から離れちゃうんです。 それ以前の、1話から始まって23話の前半までの流れが、23話後半のリッちゃん のぶっちゃけ話でシンジが思考停止しちゃった時点で終わっちゃってる(^^; レイ自身はシンジの方へ向いている部分が残ってたと思うんですけど、シンジの方で、 レイに関わっていこうっていう積極的な関心が無くなっちゃったアタリが寂しいですね。 アスカの方は登場が8話……珍しいヒロインです(^^; シンジとアスカの距離ってのは登場直後からいきなりレイとシンジよりずっと縮まっ ていたように見えます。 初登場の8話でいきなりエントリープラグに二人で乗るんですよね。 んで、9話がユニゾン特訓、10話がマグマダイバーですから、この3話で正しく二 人は「ヒーロー&ヒロイン」してます。 ある意味ヤシマ作戦のレイが霞んじゃうぐらいに(^^; これは物語の途中から出てきたアスカのウェイトを上げるための「アスカ集中月間」 だったと思うんです。 レイとシンジの心が触れ合うまではじれったい感じ、丁寧な感じがしていたのと随分 違う……最初っからラブ米ノリなんですね。 さて、11話と12話ではじめてチルドレン三人が行動を共にする様子が描かれます。 この三角関係(なのか?)はこの時点でまだどっちにも振れてないですよね。 安定はしてないけどお互い意識して張り合うだけで、抜け駆けしない(笑)。 13話でちょっとレイとシンジの関係がクローズアップされる揺り返しが来て、14 とばして15話でまたレイ。ゲンドウがらみでイイカンジ。 かと思ったら唐突なアスカとシンジのキスシーン。 人間関係の「振幅」がすごく大きいんですよね、このへん(^^; 16話でアスカがやたらとシンジに絡みます……んでシンジが消えちゃう(笑)。 この時ミサトに向かって「退却に反抗的な態度」を先に取ったのがレイって所が面白 いですよね(^^; そう思って見てみると、ちゃんとバランス考えてるなあって感じです。 ヒロイン二人にちゃんと愛されてる(かどうかは謎だが)シンジって感じ。 その後はもちろん、三角の一角が消えてしまったので、アスカとレイが絡みます。 ちゃんと「会話」してたのってこのシーンだけか?ひょっとして(^^; 喧嘩みたいになってますけど、それぞれがシンジの心配をしてる。 シンジが助かった後の病室のシーンが端的に表していて可愛いですね、二人とも。 アスカはどっちかって言うと、気持ちに素直じゃない。 レイは素直に気持ちを表してるんだけど、元々が不器用すぎ(^^; 17、18、19話では二人の立場に進展なし。 20話でレイとシンジの会話が有って、この辺からなんと無くレイがエヴァの謎と絡 むヒロインで、アスカはそっちとは絡まない事がはっきりしてくる。 21話でもレイしか出てこない。 その上謎がクローズアップされてる。 嫌な予感してたんですよ、実際(^^; んで、22話だ。ここでアスカが理不尽に懲らしめられます(^^; シンジみたいに(笑) アスカは母親を通じてしかエヴァそのモノと触れ合っちゃ駄目って事なんですね。 シンジを通しても初号機には絡めない。って事はエヴァの主体から遠い所に居るって 意味です。 シンジがアスカを助ければまだ展開違ってくるんですけど、実際にアスカの窮地を救っ たのはレイ。アスカはこの後壊れて放り出されて終わり。 レイの当て馬だったのか?って気がするのはおいらだけではないような(^^; 23話でレイがああなっちゃって、結局アスカとシンジって芽はないんですよね。 摘み取られちゃった。 レイが死んじゃったんなら話しは違いますが(^^; 24話も壊れてるだけ。活躍したのはレイでもアスカでもなくカヲル。 で、TV版の25〜6話では二人のヒロインのシンジへの関わり方の「違い」には焦 点が当たらないまま終わっちゃう。 最期の夢落ちシーンだけは象徴的ですけど(^^; 幼馴染と転校生なら、ドラマの主役は転校生で幼馴染は当て馬ってパターンじゃない ですか(笑) まあ延々とラブコメするならそうでもないでしょうが。 だから映画でどうアスカが出てくるかなって注目してたんです。 レイやシンジの活躍より「前」に出てくるのか「後」か。 前ならまた当て馬(^^; 後から出てくるのが本命と読んでました。 んで、前後編になった春夏の前編、春の映画に出たのはアスカだけ(^^; 後は言うまでもないですね、ハイ。 映画の25、26ってのはTVの22、23、24の焼き直しに過ぎないと思うんで すよ、展開としては。っつうか、シンジにとっては(^^; アスカのピンチ>助けに「行けない」 レイのピンチ?>助けられない カヲルの出現>喜ぶ(笑) 違ってたのは、TVで23話後半に当たる部分よりも、22話のエンドが最期になっ て終幕って所。 23話後半ってのは「ヒトならざるもの」としてレイを描き出していましたが、映画 ではそれを徹底的にやった感じですね。 ええもう徹底的に人外の存在って事で、萎えちゃうぐらいに(爆)。 22話のエンディングでは、シンジはアスカに何もしてやれません。 映画のエンディングでは、首絞めてます(爆) 順番は正しいんですよ(^^; 書き割り(謎)の方へ動いて行ってしまったレイとの別れが合って、(なぜか)舞台に残っ てたアスカとのエンディングが有る。 やろうと思えばハッピーエンドにもなった。 よっぽどやりたくなかったんでしょうね、ハッピーエンド(爆) |
さてさて、シンジとアスカの関係を焦点にして見るより先に、もういっぺんTV版の 終盤と映画の違いってアタリを考察したいんです。 TVの22、23、24に、春の映画と夏の映画がそれぞれつながる……って事じゃ ないような気がするんですよね。 むしろ、蒸し返しただけ。 21話までのTV版の話しは動いてませんが、その後の3話+わけが分からなかった ラスト2話を、こねくり回して再構築して映画二本分って感じがするんですよ(^^; 先にも述べましたけど、シンジとアスカのディスコミニュケーションって部分は、 TVの22話や23話でも語られていたんですよね。 レイの悲劇性、人にあらざるものとしての属性や役割って部分は、これもTVの23 話後半や24話で明らかになっていた部分。 映画では、それ以上の役割って二人に無い(^^; なんで繰り返しなのか、って所考えると、やっぱりシンジなんです(笑)。 主人公として、嫌な思いをもう一回同じようにやらされてるわけですよね。シンジが 受け身のままでは、やっぱり同じなんです。 そこで、突き抜けて主人公らしさを発揮したら、全然違った話しになった可能性って のがやっぱり残ってるんです。 それなのに、303病室とか、階段下とか、24話以降のシンジは確実に21話以前 のシンジより駄目なシンジになっちゃってる(^^; むしろ、1話の方がまだマシ(笑)。 階段下のシンジなんて「逃げちゃダメだ」とも思ってないでしょう(爆)。 そのダメシンジを舞台の上に引っ張り出すのはまたミサトさんですよね。 ここでも、TVの構造をもう一回極端なカタチで説明してるだけって気がする(^^; そこまでしてはっきりさせたかった事って結局なんだったんだろう? 映画版でより明確に伝えられたハズの、作り手側のメッセージっていったい何だった んだろう? って考えるとですね、前にも書きましたが「結局主役はエヴァなんじゃん」 っていう閉塞感と諦観(^^; 得られるのは観客の期待した「カタルシス」ではないんですね。 むしろ、エヴァの持つギミックとスタイルとディティールのカッコ良さに引き摺り込 まれていった観客に対する明確な「裏切り」とも言える。 我々は自分にはどうする事も出来ない「世界」には立ち向かわないで、スタイリッシュ な虚構の中に救いを見つけようとして心地好い「嘘」を楽しみたかった。 ホントにリアルで無くてもいいんですよ(^^; 大好きな芸人さんが出てくる直前の寄席の客と同じ。 もう温まってる(笑) すでに「笑う顔」になって待ってるんだから。 上手にダマシテ欲しい、酔わせて欲しいんですよね。 なのに、現実と同じく「どうする事も出来ない」物語を見せられてしまう、気持ちの 悪さ。収まりの悪さ(^^; メッセージとしては「現実に帰れ」なんでしょうか。それなら失敗(笑)。 虚構は虚構で終わらせないと、キチンと(^^; いつまでたったって残っちゃうんですよねえ、すっきりしないで。 その中でも、特に観客の心の中に引っかかって残っちゃったのがアスカだったと思う んですよ<や〜〜〜っと本題に戻った(笑) |
シンジとゲンドウ、レイ、エヴァの関係。 それらを通じてその先に、SEELEや死海文書、使徒の謎ってアタリ。 それはシンジが主人公としてのポジションとポテンシャルを十分に発揮すれば 「なんとかなったかもしれない」モノ達。 主役を張るシンジと、書き割りであり舞台装置であったそれら。 対してシンジとアスカの関係。これは役者同士の関わりですね。 脚本に無くても、アドリブでもっとなんとかなったと思えちゃう(^^; 舞台装置と脚本のせいで、シンジは物語の主体である「エヴァ」の進んで行く先に有 る「カタストロフ」を回避する事が出来なかった。 だけど、カタストロフと引き換えにたった一人、アスカを救う事は出来たはずなんで すよ、多分。 でも、しなかった(^^; 首締めて終わり(爆)。 EOE後になんとなく、レイへの萌えが盛り下がってアスカ萌えが台頭したってその 辺じゃないかと思ってるんですよね。 レイを何とかしようと思うと脚本から直さないと駄目なんです。 で、直しちゃうと「それってエヴァじゃない」って事になっちゃう(笑)。 アスカはシンジの「アドリブ」で救える。 シンジとエヴァの関係、シンジと世界の関係、アスカとエヴァの関係、世界が突き進 んでいく先のカタストロフ。そう言った書き割りはそのままでも、シンジとアスカが ヒーロー&ヒロインとして大団円ならええじゃないか、と観客に思わせる要素が有る。 平たく言うと、アスカとシンジとの関係に、まだエヴァという物語のハッピーエンド が残っているように見えるんですね。 だからやっぱり、アスカはエヴァの中で「人間のヒロイン」なんです。 シンジが「書き割りでありながら物語の主体だったエヴァ」との関係を作り直さなく ても、人外になってしまったレイに何もしてやれなくても、アスカとの関係さえ修復す ればOKって意味で起死回生、一発逆転の切り札なんですよね。 EOE補完小説にアスカとシンジの関係をメインに据えた作品が多いのは、そういう 意味では当然だと思ってます。 極端な話し、レイとかNERVとかエヴァとか「ほっぽり出して」も、アスカとちゃ んと向き合えれば「シンジ的にOK」(笑)。 主人公がOKなら物語りとしてOK、オチが着くので落ち着ける<駄洒落かい(^^; とまあ、アスカの「立場」を分析するとこんな感じですかね。 シンジから見たら、確かにOKかも、ですよね。 アスカから見たってもちろんOKなのかもしれない。 んで、おいらそれでは「嫌」なんです(^^;<またそういう事を(笑) ほっぽり出した書き割りがどうしても気になっちゃう質なんです……これはもう、 性癖だからとしか言えないモノですけど(^^; そこで、後ろに回したエヴァの話、につながるわけです。 この続きはエヴァンジェリスト2018でのエヴァの扱いがちゃんと明らかになって から、作品解説(含むネタバレ)と絡めてお届けしたいと思います。 それでわ(^_^)/~ 余談:脚注多すぎますか?(^^; なんだか士郎正宗のマンガみたいになってきたなあ(-_-;) |
次回へ続く▽ |
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