アスカ「シンジ、黙って聞いて。今から手首の拘束をほどくわ」 シンジはアスカの股間に顔を埋めたままうなずいた。 アスカは口から取り出したワイヤー鋸を手にしてもう一度シンジと手をあわせるように ベッドに手をつく。 リツコに悟られないように慎重に、シンジの手首を拘束しているワイヤーに、ワイヤー 鋸を通して引っ張る。 ピイン・と小さな音がして、ワイヤーはあっさり切れた。 もう一方の手首の拘束も同じように切る。 アスカ「絶対にリツコに気付かれちゃダメよ。手は動かさないで。」 シンジは黙ってうなずく。 アスカの股間に顔を埋めてはいるが、もう舐めるのはやめた。 アスカは何か最後の手段を思いついたのだろうか? シンジは、アスカがあの首輪をしている限り、リツコから逃げ出せるような状況は思い つかなかった。 リツコ「そろそろいいんじゃない。アスカ、そこで、シンジ君の目の前でやりなさい」 アスカ「一つだけお願いがあるわ。あんたの言うとおりにするから、その前に一つだけ」 リツコは顔をしかめたが リツコ「なに?言ってみなさい」 とだけ答えた。 アスカ「シンジと・・・まずシンジとして良い?」 リツコ「ふん・・・好きにすればいいわ。・・・・・あなたまさか、バージン?」 アスカ「そ・・そうよ!悪い?」 リツコ「ふふふふっそれでさっき泣いたりしたのね。いいわ、まずシンジ君とさせて あげる」 アスカはシンジの顔を見下ろして、シンジにささやく。 アスカ「手・・動くわよね?」 シンジは黙ってうなずいた。 アスカは剛力君をシンジの右手に握らせると、移動してシンジの腹の上に腰を下ろす。 お尻にはもうシンジのそそり立つ物が触れているのが解る。 アスカはシンジと口づけするように見せかけて、シンジに唇を寄せる。 アスカの長い髪で、二人の顔も、口の動きもリツコには悟られないはずだ。 アスカ「それ、リツコの顔めがけて投げつけて。 チャンスは一回だけ、タイミングあわせるわよ」 シンジ「どうする気?危ないよ」 アスカ「今より危ない状況があったら教えて欲しいわ。大丈夫、勝算はあるから」 シンジ「どうやってタイミングを合わせるの?」 アスカ「いちにのさん。私が言うから」 シンジ「わかった、アスカに合わせる」 アスカはシンジの上で膝立ちになる。 シンジはリツコの方を見て、角度と距離を測った。 アスカはリツコとレイ1の位置関係を見る。 リツコは端末の置かれた机にもたれかかってベッドの上の二人の様子を凝視している。 距離は約4メートルと言ったところか。 レイ1の方は部屋の隅にじっと立って見守っている。 それほど動きが素早いと言うことはなさそうだから、邪魔される心配はない。 アスカはシンジの顔を見る。 アスカ「大丈夫、シンジ?」 シンジ「僕なら大丈夫。アスカが言い出した事だし」 アスカ「じゃあ、行くわよ」 リツコは少し身を乗り出す。 腕を組んでいるから顔面はノーガードだ。 アスカはシンジのモノを握って自分の方に向ける。 右ひざを立てて、慎重に位置を決めているふうを装い、実際はいつでも飛べるように 重心をそちらに移動させる。 シンジが唾を飲み込んで、剛力君を握り直す。今しかない! アスカ「いちにのさんっ!」 | ||
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第五部 「瞬間・心、重ねて」 Aパート |
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アスカは声と同時にリツコに飛びかかる。 シンジが上体をひねって投げた剛力君が顔面を襲うのと同時! リツコはとっさに両手をクロスさせて顔を守る。 首輪の電撃スイッチは白衣のポケットの中 リツコ「しまった!」 アスカの作戦に気付いたときには、アスカのタックルで床に倒されていた。 とっさに身体をひねってうつぶせになるが、立ち上がるより早くアスカが押さえ込みに かかる。 アスカをふりほどいて体を起こそうとするリツコの目の前を、ポケットから落ちたスイ ッチが転がる。 掴もうと右手を伸ばす、が、後ろからアスカに方羽絞めを決められてしまった! このままでは落ちる! アスカの跳躍力と格闘センスを低く見積もっていたのが敗因か。 それより、いつの間にかシンジが手首の拘束を解かれていて、あんな形で援護するとは。 がっちり決まったアスカの絞め技。 いかにマッド赤木といえど、格闘センスまでは磨いていない。 素人にはずせる技でないことぐらいはわかる。このまま負けるのか、この小娘に! その時、転がっていったスイッチが、レイ1の足に当たって止まった。 レイ1はそれを拾い上げる。 アスカはここでリツコを落とさなければと必死になっていて気付いていない。 マッド赤木起死回生のチャンス到来! シンジはレイ1が拾ったのがあのスイッチだと気付いていた。 部屋の隅からレイ1がシンジの方を見る・・・・シンジはただ黙って首を振った。 ・・・・だめだよ、そんなことしたら・・・・ リツコ「何してるの、早くボタンを押しなさい!」 アスカはその時初めてレイ1がスイッチを握ってこちらを見ていることに気付いた。 一瞬凍り付くその場の空気。 アスカ「電撃喰らったってこの手は離さないからね!」 リツコ「早くしなさい!!」 レイ1「・・・・・・・・・・・ダメ・・・・・あの人が、また悲しそうな顔をするわ」 レイ1はあくまで無表情だ、が、その言葉がリツコに与えた衝撃は大きかった。 リツコ「何を言ってるの・・この・・・私の・・・・言うことが・・・・・きけ・・・」 ・・・・・・・・リツコは落ちた。 アスカは黙って立ち上がると、リツコの手を取って自分の首輪を外す。 プラグスーツを拾い上げて着込むとようやくほっと一安心。 大きくため息をつきながらシンジの方を振り返る。 アスカ「もう・・・終わったわ。 早くこの忌々しい場所から家にぃって何やってんのよあんた達!!!」 ベッドの上では足の立たないシンジを押さえ込んでのしかかり、キスの嵐を見舞わせて いる海賊版レイ1の姿が。 シンジ「あっアスカぁ助けて!!」 アスカ「知らないわよっもう」 アスカはリツコの白衣を脱がせて後ろ手に縛り上げる。 縛った手がほどけないことを確認して首輪をはめる。 白衣のポケットを探ると、出てくる出てくる次々と怪しげな薬やら小道具やら。 あのままリツコの言いなりになっていたら何をされていたかわからない。 まだ目を覚まさないリツコを隣の部屋まで引きずっていって、泣いているマヤにスイッチ を手渡す。 スタンガンを喰らった3体の海賊版達はまだ伸びているようだ。 とにかくこのマッド赤木の危険な所業を白日のもとに曝さなければ! アスカは部屋の扉に閂をかける。 マヤは壊れかけてはいたがまあ大丈夫だろう・・・・・ リツコが証拠の隠滅をはかるよりも早く、ここに誰かを呼ばなくては。 とにかくあんな危険人物が二度と同じNERV内に来れないようにして欲しい。 アスカ「シンジ!さっさと服を着なさい、ここを出るわよ」 シンジはまだ収まらない自分のモノにしゃぶりつこうとしているレイ1の執拗な攻撃をか わすのに手一杯でそれどころではない。 アスカは二人を無視してマギの端末に向かう。 まず、出口に向かう通路のトラップ類を全てキャンセルする。 次に、しばらく悩んだ後、結局ミサトを呼び出すことに決めて、ミサトを最優先で近くの 端末に応答するようにメッセージを送ろうとする。 が、 突然端末の電源が切れた。 同時に部屋の照明が落ちて、非常灯だけになる。 マグライトとスタンガンを持ってとなりの部屋を覗く。 リツコは縛り上げられたままだ・・・・・と言うことは? アスカ「シンジ!逃げるわよ、ここはまずいわ」 シンジはようやく服を着ることに成功し、立ち上がろうとするが膝が笑ってしまって 立てないので、レイ1に笑われているところだった。 シンジ「ま・・まずいって?もう終わったんだろ」 アスカ「誰かに監視されてたわ。ここのマギの端末はリツコのだから・・・それをシャッ トアウトできる、より上位の人間ね」 シンジ「そ・・そんな、リツコさんより上位って」 アスカ「だから逃げるって言ってるのよ」 シンジは立ち上がろうとして結局その場にへたり込んだ。 歩けるほどには回復していないのだ。 アスカはレイ1にリツコの白衣を投げつけた。 アスカ「あんたも来るのよ!」 レイ1「・・・・・・・?」 アスカ「ここを出るのっ!それを着て、シンジを支えてちょうだい」 レイ1はアスカの剣幕に押されて白衣を着る・・・・がボタンを留められない。 アスカ「何もたもたしてんのよ!」 レイ1「着たこと無いから・・・」 アスカ「もうっ!」 アスカはミニマグをくわえてレイ1の白衣のボタンを留める。 そして反対側をレイ1に任せてシンジの肩を支える。 まず扉を出ようとしてアスカは足を止めた。 マギからキャンセルできないトラップがあったら・・・ リツコのコンソールからキャスターの付いたイスを引っ張ってきて、通路の出口に 向かって転がしてみる。 ピーーーーと言う警報が鳴った後に、鈍い破裂音・・・・ 見るとイスには5本の注射器が刺さっている。 今ので終わりだと思いたい。 アスカはレイ1とシンジに声をかける。 アスカ「扉まで走るわよ!」 3人が並んで通路を進むとすぐにガスが天井から吹き出してきた。 シンジを眠らせたあれである。 アスカ「息を止めて!」 何とかシンジを引きずったまま扉に辿り着いた。 扉を開けると通常区画の電源は落ちていなかった。 ガスが流れてこないように扉を閉める、と、扉の暗証鍵の表示パネルが点滅する。 やられた!今ので鍵番号が変更されたに違いない。 新しい暗証はおそらくマギからは検索できないように隠されているはずだ・・・ その間に証拠を隠滅する気か。 見えない敵は本気のようだ・・・だがこちらを直接攻撃してくることはないだろう。 エヴァのパイロットを失っては元も子もない立場の人間達・・・・・ とにかく落ち着ける場所に行きたかったので自分たちのロッカールームへ向かう。 どうせ無駄だと思いつつも携帯からミサトを呼んで、事情を話した。 ミサトは半信半疑ながら、アスカが言うなら何かあるだろうと思った。 アスカはミサトに場所を伝えると、レイ1に制服を着せてやり自分も制服に着替える。 シンジはやっと自力で歩けるようになったので、三人で地上に向かうエレベーターに乗り、 タクシーを拾って家まで帰った。 | ||
三人でシンジを真ん中にタクシーの後部座席に座る。 アスカは時々後ろを振り返って、追っ手がないか確認せずにはいられなかった。 締め付けられるような恐怖・・・・ 今なら事故に見せかけることも出来るはず・・・・ 結局無事にミサトのマンションまで帰り着く。 家に入って扉を閉める。 さすがにここまでは手を出してくる心配はないだろう。 ほっとしたとたんに力が抜けてくる。 アスカは思わず玄関でへたり込んでしまった。 シンジも同じくほっとした様子でアスカの隣に座り込む。 アスカは扉にもたれてシンジの顔を見る。 シンジもアスカの顔を見て、大きくため息を付いた。 シンジと顔を見合わせると、急に涙がこみ上げてきた。 自分の中の恐怖と戦ってきたことに、この瞬間まで気が付かないほど緊張していた。 その緊張の糸が今、この瞬間に途切れたのだ。 シンジ「ごめん、アスカ。いっぱい心配かけたね」 アスカ「バカ・・・あんたなんか嫌いよ・・・」 アスカは涙を見せないように、シンジの肩に顔を埋める。 シンジはそっとアスカの肩を抱いて。 シンジ「ごめんね・・・もう終わったんだ、もう・・・」 アスカはこらえきれなくなって久しぶりに声を上げて鳴き始めていた。 シンジは泣きじゃくるアスカの頭を自分の胸に抱えて、あやすようにその髪をなでる。 完全に二人の世界に入り込んでしまった・・・が、 ぐぅるるるーー レイ1「おなかすいた」 二人の雰囲気などお構いなしに、レイ1はお腹の虫とともに自己主張をする。 アスカは突然肩をふるわせて笑い始めた。 シンジも思わずつられて笑う。 アスカ「せっかく帰ってきたのに、いつまでも辛気くさくしてちゃだめよえね・・・ シンジィ、私もおなかすいちゃった」 シンジ「うん、なんか作るね」 勢い良く立ち上がって台所に向かった三人だが、冷蔵庫には大した物がない。 シンジ「うーーん、ご飯があるからチャーハンかな」 アスカ「時間かかりそう?」 シンジ「うーーん、ちゃんとおかずもあった方がいいよね」 アスカ「いいよ、お風呂行って来るから」 シンジ「じゃあそうして」 アスカ「あんたもお風呂入るでしょ?」 レイ1「お風呂って?」 アスカとシンジは二人して顔を見合わせて思わず肩を落とす。 何も知らないこの子を本当に連れだしてきてしまって良かったのだろうか? だが、NERVの大人達に任せておいて、この子が幸せになるということはないと思う。 アスカ「お風呂入ったこと無い?お湯に浸かって身体を洗うの」 レイ1「シャワーなら」 アスカ「・・・・心配だから一緒にはいるわ。じゃ、シンジ、ご飯よろしく」 シンジはアスカが一緒の方がいまいち心配だった。 あの海賊版レイと一緒に裸になって何もないということは無い。 シンジ「アスカ、気を付けてね」 アスカ「大丈夫よ」 まあ心配しても仕方がない。アスカに任せるしかないだろう。 しかし、この分だと普通に生活することを覚えさせて行くだけでも大変そうだ。 アスカ「ちょっと何考えてんのよあんた!」 風呂場からアスカの怒声とも悲鳴ともつかない声が響いてくる。 まあアスカなら大丈夫だろう・・・と思うしかない。 結局アスカはレイ1の全身マッサージ攻撃で陥落したのだが・・・ここでそれを 記するにはあまりに時間が足らない・・・<リクエストあれば書こうと思うけどね 1時間近い長風呂と、レイの攻撃に顔を赤くしたままアスカが風呂から出てきたとき には、食卓には遅い夕食の支度がすっかり出来ていた。 アスカ「次からは一人でお風呂にはいること、いい?」 レイ1「くすくすくす・・・いつも一緒に入る」 アスカ「私はもうごめんだからね」 シンジ「お風呂で何があったの?」 アスカ「ななな何にもないわよ」 レイ1「くすくすくす・・・じゃあシンジ君と一緒」 アスカ「何考えてんの!もう、この話はもう終わり!ご飯食べるわよ」 レイ1「くすくすくす・・・怒ってばっかり」 アスカは答えずにいただきますと言って食べ始める。 シンジも食べ始める。チャーハンのつもりだったが、卵があったのでオムライスにした。 おかずは野菜炒めとコーンスープだけで、肉けの無い食卓になってしまったが、海賊版 レイもひょっとしたら肉が食べられないのかと思ったからだ。 アスカ「食べないの?おなかすいたって言ったのはあんたよ」 レイ1「どうやって食べるの」 アスカはがっくり肩を落とす。 箸は無理なのでスプーンの使い方を教えるが、ぽろぽろ落として汚い上に、食べながら 喋ったり笑ったりと行儀が悪いことこの上ない。 アスカ「口に物を入れたまま喋らない!食べ物を落とさない!好き嫌いを言わない! 以上三点。絶対守ること!」 レイ1「くすくすくす・・・また怒ってるのね」 アスカ「何がおかしいのよ、シンジまで!」 シンジ「いや、なんか微笑ましくってさ。 怒ること無いよ、この子は生まれたばっかりだと思ってさ・・・」 アスカ「私がしつけ担当なわけ?」 シンジ「僕も言うけど、アスカの方がいいお母さん役になれると思うよ」 アスカ「まったく脳天気ね、あんたは」 シンジ「ああ、そうだ、名前は?」 レイ1「・・・・?」 シンジ「名前・・・無いの?なんて呼ばれてたの?」 レイ1「試一号」 シンジ「それは・・・・名前とは言えないよ」 レイ1「他に無いもの」 アスカ「じゃあなんて呼ばれたいか考えて」 レイ1「アスカ」 アスカ「ぶっ」 アスカは思わずすすりかけたスープを吹き出した。 アスカ「何考えてもの言ってんのか分かんないわ、この子」 シンジ「何でアスカの名前がいいの?」 レイ1「好きだもん、アスカ」 シンジ「そう・・・でもなんか他のを考えようよ。家に二人もアスカがいたらやや こしくって」 レイ1「シンジもダメ?」 アスカ「ダメに決まってるでしょう!」 レイ1は初めて暗い顔をした。 レイ1「じゃあ何でもいい」 シンジ「これからずっと同じ名前なんだから、気に入ったのにしないと」 レイ1「他に名前なんて知らない・・・赤木博士は嫌い」 シンジとアスカは顔を見合わせた。 どうしたらいい? アスカ「ランよ。」 シンジ「へっ?」 アスカ「私の名前を気に入ってくれたのはうれしいけど、私以外にアスカがいるのは嫌。 ラングレーならいいけど、名前にしては変だから、縮めてラン」 シンジ「なんか安直だなぁ」 アスカ「対案のない反論は納得できないわ。シンジのアイデアがあるなら聞くけど」 シンジ「うーーん、これといって無いや。そう言うことだから、いい?」 (ここより海賊版レイ試一号はランです) ラン 「ラン・・・ラン・・ラン・・・」 アスカ「何とかいいなさいよ」 シンジ「慣れるまではしょうがないよ」 ラン 「ランでいい・・・私の名前」 シンジ「名字は?どうする・・・」 アスカ「ファーストと同じでいいんじゃない。姉妹みたいなもんでしょ、クローンって」 シンジはその綾波自身クローンな事を知っていたが、アスカには伏せておいた。 シンジ「じゃあ綾波ランだね」 ランは黙ってうなずいた。 気に入らないのかと思ったが、どうやら口の中に食べかけの物が入っているので喋らない ようにしているらしい。 シンジ「ちゃんと言われたこと守ってるんだ、偉いね」 アスカ「あー美味しかった。ごちそうさま、シンジ」 シンジ「どういたしまして。僕お風呂入って来ていいかな」 アスカ「ランに後片づけを教えとくわ」 一瞬大丈夫か?と言う疑問が頭をよぎるが、まあうつわを割るぐらいは仕方がないだろう。 シンジはゆっくりと風呂に浸かりながら、何となく女の子の体臭のような物が風呂場に漂っ ていることに気付いた。 やはりアスカとランはここで何かあっただろうか? しかし、それよりもシンジは自分のモノの状態が気になった。 やはり張りつめている・・・・リツコに打たれた媚薬はいったいいつまで効き目があるの だろうか。 筋弛緩剤のほうは体を動かすことで徐々に気にならなくなっていたが、媚薬の効き目は・・・ 実を言えば一度も萎えていないのだった。 NERV本部を出てからここまで、アスカやランの視線を気にしてはいたが、二人とも気付 いてないのか、仕方がないと思っているのか・・・ 風呂から出ると、アスカとランは台所を片づけ終わって、お茶をすすりながら話をしている。 何が嬉しいのか、ランはずっとあのくすくす笑いを続けているのだが、聞いているアスカの 方はひどく深刻な顔だ。 髪をタオルで拭きながら部屋に戻り、一番きついブリーフに履き替える。 これで寝るのはちょっときついが、パジャマで二人の前に出ていったら嫌でも気になって しまうし・・・ランはともかくアスカに何を言われるか解らない。 身体にぴったりしたブリーフで、自分のモノをしっかり腹にくっつける。 ゆったりしたパジャマなら、よっぽど気を付けない限りばれない程度には隠れる。 歯を磨きながら二人のいる台所に戻って、話している内容に耳を傾けてみる。 どうやらアスカがランに、今までの生活について話を聞いているようだ ランの話はだいたいが想像通りのものだったが、やはりアスカには同じ女として許せないと 思うところがあるらしい。 どのくらい二人でランの話を聞いていただろうか。 気が付くと時計は2時を回っていた。 ラン 「うーーんだいたいしゃべった・・・・くすくすくす・・・二人して難しい顔」 聞くまでもないことではあったが、やはりあの実験プラントで、ランはゲンドウを目撃して いた。 シンジはなぜ父さんがリツコの計画にからんでいるのか解らなかった。 海賊版レイを作って誰が得をするというのか?<電波な大きいお友達は大喜びだが それに残してきたあと3人の海賊版達、プラントの中で漂っていたもっと多くの海賊版・・・ 彼女たちが今後どんな運命を辿るにせよ、それが幸福なもので無いことぐらいシンジにも 解っていた。 ただ、今、目の前にいるラン一人だけでも、この世に生を受けたことに喜びを感じてくれれば・・・ それが偽善だと解っていながら、シンジはそう願うしかなかった・・・・ ラン 「あぅーーもうねむい・・・・」 結局アスカの部屋で寝ることになったランを寝かしつけに、アスカとランが部屋に消えたのは 深夜2時半だった。 台所で、明日の朝ご飯の用意を簡単に済ませて、シンジは部屋に戻る。 慣れた部屋の灯りを付けずにベッドまで行ったところで、そこにアスカがいることに気付いた。 |
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