富良野医師会


会長挨拶


令和2年4月13日:新型コロナウィルス感染症に関する富良野の状況について
 4月7日に、富良野協会病院職員の新型コロナウィルス感染症(COVID-19)り患が判明しました。患者様をはじめとして、関連する皆様に大変な不安をおかけしておりますことをお詫び申し上げます。富良野医療圏内のCOVID-19患者は、2月21日公表された第1例以降、少なくとも5人いることが明らかになっています。全例で感染経路は不明であり、市中感染が起きているといえます(北海道の発表)。COVID-19は軽症者や無症候者も多いため、だれもが感染するあるいは感染させるリスクがあるといえるのです。
 富良野協会病院は地域で唯一の中核病院・第二種感染症指定医療機関(一般病院で対応が困難な感染症患者を収容)です。同院は、陰圧管理が可能な感染症病床4床を有しており、COVID-19の入院診療も行っています。同院感染症病床の感染予防策は徹底しており、これまでに感染症病床の患者様から職員に感染した例はありませんありません。また、感染が判明した職員は、感染症病床入院患者様との接触はなく、院内感染がおきたわけではありません。現時点では、感染症病床以外の患者様、患者様と接触する他の同院職員にCOVID-19が疑われる例はありません。同院での診療による感染者も認められてはいません。富良野協会病院以外の富良野医師会所属の医療機関も、感染症対策には万全を期しており、職員にCOVID-19が疑われる例はありませんし、受診による感染者もやはり認められてはいません。

 4月13日時点での富良野医師会の取り組みについて皆様にお伝えします。

@医療機関職員は一般的な感染症対策を徹底するとともに普段の健康管理をこころがける。
A医療機関職員は、換気の悪い「密閉」空間、多数が集まる「密集」場所、間近で会話や発声する「密接」場面には出入りしない。
B医療機関職員にCOVID-19と疑われる症状が認められる場合は、新型コロナウィルス遺伝子を検出するPCR検査を行う。  
C医療機関職員が、COVID-19患者に濃厚接触した場合は、自宅待機として厳重な経過観察を行い、症状や状況に応じてPCR検査を行う。
D新型コロナウィルスによる汚染が疑われる場所の清掃・消毒を徹底する。


 富良野医師会所属の各医療機関は、COVID-19感染リスクがないと判断された職員により、外来・入院診療を通常通り継続しております。富良野医師会所属の各医療機関での診療、あるいは職員およびその家族との接触によりCOVID-19に感染する危険性は増えないことをご理解いただきたいと思います。
 富良野医療圏は、道内でも有数の医師や看護師数が不足している地域です。それでも、富良野医師会所属の各医療機関職員は、地域医療における責任を果たすべく日夜努力を続けております。そのようなさなか、「医療機関職員やその家族が、いわれのない偏見や差別的扱いを受けている」とみなされる事例の報告がみられております。医療機関職員の家族というだけで、出勤を断られています。子供が学校などから自宅待機を指示されたり、託児所で受け入れを拒まれたりして、出勤できる職員が少なくなれば、人手不足がいっそう深刻化し、医療機関が機能しなくなる恐れがあります。関係各位には医療機関の状況にご理解頂き、適切な対応を取っていただくことで、地域医療の崩壊を招かぬようご協力をお願いします。

                       2020年4月13日 富良野医師会 会長 小山内裕昭