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ケーススタディ ケーズホールディングス |
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■「がんばらない」経営 不況下でも増収増益を続けるケーズデンキ
いけいけドンドンの拡大主義で猛進するヤマダ電機とは対照的に,自らの身の程,身の丈を意識し,無理することなく堅実経営を貫き,地道に市場地位を高めている企業の筆頭に,家電の「ケーズホールディングス」があげられます。
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12年連続の増収増益(2010年3月期売上高6486億円)の「ケーズホールディングス」(東証一部 水戸市)は,会社はゆっくり伸ばしていくものとし,“がんばらない経営”をモットーに,家電量販業界で上位の地位を確保しています。加藤修一社長は,「創業以来,オイルショックやバブル崩壊など様々な試練があった。しかし,会社は一度も売上高を落とさずに,増収を続けてくることができた。しっかりとやるべき事を,焦らずに,着実に実行してきた賜物だ」とその経営姿勢を語っています。
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▼家電量販店 アフターサービスランキング第1位
日経ビジネスの2010年7月26日号によると,「2010年版 アフターサービスランキング」の家電量販店ではケーズホールディングス(ケーズデンキ)とデオデオが同率1位だった。ケーズデンキは2009年の4位から順位を一気に上げた。回答者からは、社員の丁寧・迅速な対応を評価するコメントが目立った。
◇ケーズホールディングス(http://www.ksdenki.com/corp/)
本社:茨城県水戸市 資本金:129億87百万円 従業員数:12,783名(うち臨時従業員7,104名)
売上高:2011年3月期 595,114(百万円)
* 同社創業の地,茨城県は,2011年3月11日に起きた東日本大震災で,全壊1493棟,半壊8030棟,一部破損11万270棟と大きな被害を受けています。
*大震災の影響-同社HPより
地震により岩手県、宮城県、茨城県の一部店舗が休業しているが,営業再開に向けて復旧作業中ある。業績への影響については,現在調査中である。
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創業以来2011年3月期まで64期連続の増収の家電量販のケーズホールディングス(東証一部・水戸市)は,会社はゆっくり伸ばすしていくものとし,“がんばらない経営”をモットーに業界3位の地位を確保している。
安売り激戦地の家庭量販業界にあって,毎年増収増益を続ける秘訣は「がんばらない=無理をしない」ことだという。定時退社に週休2日。数値目標で縛らない。従業員が安心して長く勤められる環境づくり,会社が従業員を守り,従業員が会社を支える…理想論としか思えないその経営手法で,実際に「創業以来64年連続の増収,2回をのぞいてすべて増益」という実績を生んでいる。同社は,効率的な店舗運営や,友好的なM&A(合併・買収)などを通じて,着実な成長を遂げてきた。
いけいけドンドンで家庭量販業界1位を突っ走る「ヤマダ電機」とはまさに正反対の,“がんばらない経営”のケーズが,業界第3位のポジションを得てえている秘訣は,何であろうか。 −次回に続く
▼社長人事
ケーズホールディングスは16日,加藤修一社長(65)が代表権のある会長に就き,遠藤裕之(えんどう・ひろゆき)専務(59)が社長に昇格する人事を固めた。水戸第一高卒,73年日本マクドナルド入社。85年カトーデンキ販売(現ケーズホールディングス)入社,95年取締役,06年専務。茨城県出身。社長交代は29年ぶりで,創業家以外の社長就任は初めて。6月29日の株主総会後に就任する。
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ケーズHDの純利益47%増 11年3月期,エコポイント効果
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日経新聞(5/12)によると,ケーズホールディングスの2011年3月期の売上高は19%増の7709億円。連結純利益は,前期に比べ47%増の234億円で,予想の221億円を上まわった。エコポイント効果で薄型テレビやエアコンが予想以上に好調で,東日本大震災の影響を吸収した。
経常利益は70%増の493億円と従来予想を73億円上回った。売れ行き好調でテレビなどの仕入れ量が増えたため,メーカーからの販促協賛金が増加し,売上高粗利益率が改善した。
震災で東北・関東の店舗約200店が被害を受け,建物の修復や破損した商品の入れ替えなどで48億円の特別損失を計上した。11日現在で5店舗が閉鎖しているが,6〜7月には再開する見込み。3月の既存店売上高は前年同月比3割減になったが,4月は復興需要もあり1割強増えた
◆ヤマダ電機との出店戦略の違い−ケーズの「田舎戦略」−駅前目もくれず郊外出店
2008年11月,JR水戸駅(水戸市)と直結した商業ビルにヤマダ電機の大型店「LABI水戸」が開業した。ケーズ本社から目と鼻の先への出店であるが,同社は「ビルのテナントが埋まってよかった」と意に介さなかった。これにみられるよう,愚直に郊外の大型店に徹する出店戦略こそケーズの「身の丈経営」,そして成長力の源泉がある。
ケーズは賃料が安く済むとし,ターミナル立地には目もくれず,すべて郊外にある。目安とする土地賃料は3.3平方メートル当たり月2千円前後と都心のターミナル立地の相場に比べ10分の1以下である。
出店の初期投資が低く集客が見込めるショッピングセンター(SC)へも原則,出店はしない。売り場面積318千平方メートルと地域最大級の店を出すが,売上高に占める不動産コストの割合は3.3%と業界平均より1ポイント近く低い。それに郊外ならパート・アルバイトの時給など労働コストも安く済む。
ワンフロアの大型店なら建設費や家賃も安く,“「がんばらなくても”客が来て利益が出る,というワケである。
この「田舎戦略」が,店舗などの資産を使って効率的に利益を生み出しているかを示す総資産利益率(ROA)に如実に反映される。
>>> ケーズHD 総資産回転率がヤマダ電を逆転
家電量販店の2010年4〜9月期(上期)決算で,店舗などの資産を使って効率的に利益を生み出しているかを示す総資産利益率(ROA)で,ケーズホールディングスの総資産回転率がヤマダ電機を逆転した。ケーズHDが郊外型店舗に特化して出店を進めた一方,ヤマダ電は都心部に旗艦店を出店したことで1年前に比べて総資産が大きく増えた。出店戦略の違いが総資産回転率に表れた。
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《source 日本経済新聞》 |
ケーズHDの上期の総資産回転率(年率換算は2.43回と前年同期から0.2回改善し,ヤマダ電機の2.26回(前年同期は2.39回)を逆転。9月末の総資産は1年前に比べて10%増えたが,家電エコポイントの効果などで約2割の増収となり,総資産回転率が上昇した。
対して,ヤマダ電は09年10月に旗艦店「LABI1 日本総本店 池袋」(東京・豊島)を開店したことなどから,売り場面積は約160万平方メートルと5年前の2倍強になったを受け,4〜9月期は総資産が13%増加した。現金値引きの割合を増やしたことで売上高が目減りした影響もあり,増収率は8%だった。
>>> 同じ事をしていたらお客に飽きられる
企業の成長が止まると活気を失い,やがてはマンネリ化,硬直化へと悪循環に陥ります。そこで,@「今」を読みとり,新潮流やライバルの動きを把握し対応を練るA市場動向から「次代」に向けての兆候を察知し,変化に備える,B過去の出来事を見つめ直し,歴史や先人の知恵を手本に,新たな戦略形成に向けての変革のヒントを得る,といった三つの観点が,マンネリ化や硬直化を防ぐカギとなります。
◆家電量販大手の時代対応策−は相次いでネット通販を強化
エコポイント終了に伴う売り上げの落ち込みを補う狙いもあり,家電量販大手は相次いでネット通販を強化しています。最大手のヤマダ電機が昨年 11月に日用雑貨などを扱う仮想商店街を立ち上げました。2位のエディオンも今年1月からゲーム機器・ゲームソフトの取り扱いを始めています。ビックカメラは,5月18日,大型ネットショッピングモール「楽天市場」に,パソコン・デジタル関連製品,生活家電などを販売するオンラインストア「ビックカメラ楽天市場店」をオープンしました。
▼ケーズもインターネット通販を拡大
ケーズホールディングスもインターネット通販を拡大します。年内をめどに商品配送を各店舗からに切り替え,最短で注文翌日に届けます。店舗の活用でコスト削減,販売価格の引き下げ,取扱商品増の効果が期待できます。2012年3月期のネット売上高は100億円と前期実績見込み比3倍強を目標としています。
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いけいけドンドンの拡大主義で猛進するヤマダ電機とは対照的に,自らの身の程,身の丈を意識し,無理することなく堅実経営を貫き,地道に存在地位を高めている企業の筆頭に,家電の「ケーズホールディングス」があげられます。 ライバルの大型店都心進出や取扱品の拡大,さらに海外進出で派手な話題を振りまいているのに対して,ケーズは郊外での大型家電店との姿勢を貫いています。
とはいっても,業績維持のためには,絶えざる刷新(イノベーション)で,お客をひきつけ,離さない工夫が必要です。百貨店や総合スーパーの業績停滞の原因の一つとして,成功体験にすがるあまり刷新を怠り,売場は活気を失い,マンネリ化,硬直化へと悪循環に陥いったことがあげられます。
そこで,@「今」を読みとり,新潮流やライバルの動きを把握し対応を練るA市場動向から「次代」に向けての兆候を察知し,変化に備える,B過去の出来事を見つめ直し,歴史や先人の知恵を手本に,新たな戦略形成に向けての変革のヒントを得る,といった三つの観点が,マンネリ化や硬直化を防ぐカギとなります。(出典「身の丈」を強みとする経営 p28)
エコポイント終了に伴う売り上げの落ち込みを補う狙いもあり,家電量販大手は相次いでネット通販を強化しています。ケーズもインターネット通販を計画し2012年3月期のネット売上高は100億円と前期実績見込み比3倍強を目標としています。
同社の加藤会長は,「消費者は一定のサイクルで金を使い続ける」との持論のもと,海外に目もくれず国内市場の掘り起こしに傾注するケーズの堅実路線は,自粛ムード溢れる時勢にあって一層際立つであリましょう。
■ ケーススタディ
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◆「がんばらない」経営 不況下でも増収増益を続けるケーズデンキの秘密」 立石泰則著 このデフレ不況の時代に、安売り激戦地の家庭量販業界で、なんと毎年増収増益を続ける会社がある。しかもその秘訣は「がんばらない=無理をしない」ことだという。定時退社に週休2日。数値目標で縛らない。従業員が安心して長く勤められる環境づくり、会社が従業員を守り、従業員が会社を支える…理想論としか思えないその経営手法で、実際に「創業以来62年連続の増収、2回をのぞいてすべて増益」という実績を生んでいるのだ。従来の経営の「常識」をひっくりかえす、しかし実はきわめて真っ当なその経営哲学のすべてを紹介する。 |
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