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 ケーススタディ 安愚楽牧場 (編集中)

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経営破綻に至る経緯
 和牛オーナー制度」運営の安愚楽牧場(http://www.agura-bokujo.co.jp/ 栃木県那須町)が,福島第1原発事故に伴うセシウム汚染牛肉問題の影響もあって,経営破綻した。。
 同牧場は1981年設立。和牛オーナー制度(繁殖牛のオーナーを募集し,生まれた仔牛を買い取るシステム)で資金調達する独自のビジネス手法を開発・確立。超低金利の続く経済環境の中,「高利回り金融商品」の一つとして一般投資家に注目され,事業規模は拡大を続け,会員数は全国各地で3万人を数える。


○安愚楽牧場の概要

 同牧場は1981年設立。繁殖牛のオーナーを募集し,生まれた子牛を買い取る独自の和牛オーナー制度が「高利回り金融商品」として投資家の人気を集めていた。北海道から沖縄まで40カ所で自社牧場を運営し,預託先牧場も338カ所に上る国内最大級の黒毛和牛牧場で,2011年3月期の売上高は1027億円。
 昨年,宮崎県で起きた口蹄(こうてい)疫問題で,管理していた約1万5000頭の牛を殺処分。加えて,原発事故による放射性セシウムが検出された牛肉が福島県内で見つかったことが響き,資金繰りが急速に悪化したという。 


★同社HPより−2011年 7月22日 放射性セシウムの影響について
  http://www.agura-bokujo.co.jp/g-navi/news/index.html

7月7日,南相馬市の当社の契約農家から東京芝浦市場に出荷した肉用牛から放射性セシウムが検出され,その原因が汚染された稲わらを餌として牛に与えていたことであると究明されました。
その後の調査で福島県各地区の多くの畜産農家で,規制値を超えるセシウムが検出された稲わらを使っていることが分かり,政府は7月19日,原子力災害対策措置法に基づき,福島県全域の肉用牛の出荷停止を指示しました。
 またマスコミが報道した通り宮城県産,岩手県産の稲わらからも暫定規制値を超える放射性セシウムが検出され,山形,新潟,岩手の一部の牛が汚染し,汚染された可能性のある牛が市場に流通し全国各地で消費された可能性が明らかになりました。
 これにより当社は,福島県全体の丁度1割にあたる約3,000頭の福島県産の牛の出荷が出来なくなったばかりか,牛肉の消費は極端に冷え込み,東京食肉市場ではこれまで例が無いほどの市場価格の下落幅となりました。

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▼株式会社 安愚楽牧場

・設立:1981年12月
・本社所在地:栃木県那須郡那須町大字高久丙1796
・資本金:3,000万円
・代表取締役:三ヶ尻久美子
:関連会社:有限会社 安愚楽の里,株式会社 エー・シー・エフ,株式会社 レストラン安愚楽北霧島, 有限会社 エー・アイ・シー

◇主要取引先:全国農業協同組合連合会 (札幌,岩手,栃木,三重,福岡)
ホクレン農業協同組合連合会, 北日本くみあい飼料株式会社,JA東日本くみあい飼料株式会社,JA北九州くみあい飼料株式会社,JA西日本くみあい飼料株式会社

東京食肉市場株式会社, 横浜食肉市場株式会社, 大阪市食肉市場株式会社, 国分株式会社, 株式会社菱食 株式会社電通

歌手・浜崎あゆみが「日本一の男前」と称し,信頼をよせるカリスマ女性社長,5児の母でもある。94年,ゼロから起業し株式会社ピーチ・ジョンを設立。桃のピーチにジョン。ジョンは英語圏の男性名で,日本で言えば太郎・・・。桃太郎?そんな男らしい名前を冠する,女性向け下着通販ブランド「ピーチ・ジョン」。
 (1965年 宮城県仙台市生まれ・あだ名はミカ☆ジョン)。高校卒業後,上京。グラフィックデザインを学ぶ。1994年,女性向け通信販売会社(株)ピーチ・ジョンを設立。バイヤー兼社長として活躍。

 ◆安愚楽牧場経営破綻の主因は,従業員の経験不足で子牛繁殖ができず
  和牛オーナー制度が行き詰まり,民事再生法の適用を申請していた畜産会社「安愚楽牧場」(栃木県)について,東京地裁は9月6日,再生手続き開始の決定をした。再生手続きの申立書によると,負債総額は約4330億円。大部分は全国の出資者約7万3千人への負債で計約4207億円に上る。

 これに関連して,1996年から97年かけて被害が続発した和牛預託商法が思い起こされる。「和牛預託商法」では,高額の配当が出るなどして和牛オーナーを募った。だが実際には,「飼育も牛保有もしてない」会社が,単に出資金を集めるだけの詐欺が行っていたもので,和牛の里共済牧場」「あさぎり高原共済牧場」「ふるさと共済牧場」「みちのく都路村共済牧場」といった事件が発生した。
 安愚楽牧場の「和牛オーナー制度」は,この「和牛預託商法の元祖」とも呼ばれていた。同社がこれまで経営が持続してきたのは,曲がりなりにも牛を飼育する実態があったからである。

 だが,職員の経験不足が原因で直営牧場で集中管理する子牛が死亡するケースが頻発し,子牛買い取りを通じて母牛(繁殖牛)のオーナー(投資家)に利益を還元するというビジネスモデルは行き詰また。
 民事再生の申立書によると,同社がオーナーとの間で売買・飼養委託契約を結んだ繁殖牛は約10万6千頭。しかし,破綻直後に農林水産省が同社から飼養頭数を聞き取ったところ,繁殖牛は6万7千頭弱しかいなかった。

 農水省の調査に「子牛」,または食肉用として出荷することを予定している「肥育牛」と回答した牛のうちメスも加えて,オーナー向けの繁殖牛頭数の規模をかろうじて維持したのが実情であった。この原因は職員の経験不足からくる繁殖の失敗で,同社は牛不足の解消と数字の上でのつじつま合わせに苦慮していたようだ。

 優秀な牧場であれば,10頭の繁殖牛から年間10頭の子牛が生まれる。だが,安愚楽牧場の実績は惨憺(さんたん)たるもので,農水省調査で判明した子牛頭数は,6万7千頭の繁殖牛の半分以下のわずか2万7千頭。子牛が計画通りに生まれないか,生まれても生育途中に病気などで死んでしまう事故率が高いことによる。

 各地の農家が経営する預託牧場(契約牧場)には飼養を再委託した繁殖牛100頭あたり95頭の子牛の提供を求め,まずまずの実績をあげていたようだ。繁殖実績が悪かったのは直営牧場で,職員の経験不足から「預託牧場から集めた子牛も病気や事故で死んでしまうケースが多かった」という。ピーチ・ジョンの社員は約140人。その9割が女性。無駄話に見えても女性にとつては大切なコミュニケーションだとし,私語を推奨し,笑い声が絶えない職場。

 



 和牛オーナー制度が行き詰まり,民事再生法の適用を申請していた畜産会社「安愚楽牧場」(栃木県)について,東京地裁は9月6日,再生手続き開始の決定をした。再生手続きの申立書によると,負債総額は約4330億円。大部分は全国の出資者約7万3千人への負債で計約4207億円に上る。

 これに関連して,1996年から97年かけて被害が続発した和牛預託商法が思い起こされる。「和牛預託商法」では,高額の配当が出るなどして和牛オーナーを募った。だが実際には,「飼育も牛保有もしてない」会社が,単に出資金を集めるだけの詐欺が行っていたもので,和牛の里共済牧場」「あさぎり高原共済牧場」「ふるさと共済牧場」「みちのく都路村共済牧場」といった事件が発生した。
 安愚楽牧場の「和牛オーナー制度」は,この「和牛預託商法の元祖」とも呼ばれていた。同社がこれまで経営が持続してきたのは,曲がりなりにも牛を飼育する実態があったからである。
 

 




 



 ケーススタディ

ケーズ電気  無理することなく堅実経営を貫き,地道に存在地位を高めている企業の筆頭
                                                             
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安愚楽牧場  和牛オーナー制度が行き詰まり,民事再生法の適用を申請。




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