圧力とはなんぞや
重力のところで小錦の足が土俵にめりこんでしまうというようなことを書いたけれども100kgの舞の海がめりこませるためにはどうすればいいか。
答は簡単。つま先で立てばいいのである。
これがつまり圧力ということで圧力とは一定の面積にかかる重さのことである。
単位はg重/cuやkg重/cu、つまり重さをその重さがかかっている面積でわり算して1cuあたりどれだけの重さがかかっているかを出したものが圧力ということになる。
小錦の体重が300kg重、足の面積をだいたい600cu(10cm×30cmの両足分で2倍)としてみると
300kg重÷600cu=0.5kg重/cu
で1cuに0.5kg重(500g重)の力がかかっていることになる。(ただしこれは1cuにかかる重さだから当然足全体には300kg重がかかっているわけだが)
かたや100kg重の舞の海でも土俵に着いている部分が100cu(10cm×5cmの2倍)だったら
100kg重÷100cu=1kg重/cu
となるわけだ。
例えば60kg重の人が手を広げて体重をかけた場合で考えるとかりに手の面積が100cu(10cm×10cmの正方形と同じくらいの面積と考えて)とすると
60kg重÷100cu=0.6kg重/cu
で1cuに0.6kg(600g)だから、これはほどよい指圧ぐらい。
ところがこの人が手にシャーペンを持っていたとしたらどうなるか。
さきっぽを0.1cm×0.1cm=0.01cuと考えても
60kg重÷0.01cu=6000kg重/cu
つまり1cuあたり6t(トン)の重さがかかることになる。画鋲をわずかな力で刺すことができたり、体を横にすると楽になったり、あるいは500kg重の体をあの細い足で支えているサラブレットがよく足を痛めたり骨折したりするのもこうした理由によるのである。
ちょっとした何気ないつもりで言った言葉が時として知らず知らずのうちに鋭く突き刺さって人を傷つけていたりすることがある。気持ちの持ち方でそれを受け流したり痛みのないものにかえてしまったりできることもある。そうしたことも受け止め方によって心の受ける圧力が違うからだろうか、などと考えてしまう。
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