イオンという言葉はよく聞くけれど


 イオン化粧水、アルカリイオン水、英会話のイオン(これは関係なかった)・・・日常生活でもけっこうよく聞かれる言葉だけれど、それじゃあイオンって何?と問われるとなかなか答えるのはむずかしい。
 そこでイオンの説明だが、教科書では次のようになっている。

 塩酸は、塩化水素が水に溶けている。これをくわしく調べると、水素原子は+の電気、塩素原子は−の電気をおびて水の中に散らばり、自由に動いている。
 このような電気をおびた原子のことをイオンという。+の電気をおびた原子を陽イオン、−の電気をおびた原子を陰イオンという。

◎原子とイオンのちがい

@原子:すべての原子はその中に+の電気と−の電気をもっている。+の電気と−の電気の量は等しく、原子全体としては電気をおびていない。

A陽イオン:原子から−の電気をもった電子がはなれると、残った原子は+の電気をおびる。

B陰イオン:原子が電子を受けとると、原子は−の電気をおびる。

◎イオンを記号で表す
 イオンの記号は、原子の記号の右上にそのイオンがおびている電気の符号を小さく書いて表す。



(「中学校理科1分野下」大日本図書版より)

 これをこじま式で解説してみると次のようになる。

@男子と女子が同じ数だけいるグループとして考えてみると、みんなペアペアになっていてひとりだけという人はいない。つまり+と−がつり合っていて全体ではプラスでもマイナスでもない、電気をおびていない状態ということである。

Aこのみんなペアペアハッピーなグループから女の子がひとり飛び出しちゃったとすると、男がひとりあまってしまうことになる。これがつまり+の電気をおびた陽イオンという状態である。

B逆にグループに外から女の子がひとり入ってくると、今度は女の子がひとりあまった状態で、これが−の電気をおびた陰イオンの状態である。

 塩化水素や塩化銅のように、物質が水に溶けて陽イオンと陰イオンに分かれることを電離という。

塩化水素→水素イオン(陽イオン)+塩化物イオン(陰イオン)
塩化銅 →銅イオン(陽イオン) +塩化物イオン(陰イオン)

 塩化物イオンがどちらにもあって、それが両方とも陰イオンになっている。これは陽イオンになるか陰イオンになるかというのは原子の種類によって決まっていているからである。

陽イオンになるもの(水素イオン、銅イオン、マグネシウムイオン、銀イオンなどの金属系)

陰イオンになるもの(塩化物イオン、水酸化物イオン、硫化物イオンなど)

 陽イオンになるものでも水素は必ず−の電気をもった電子がひとつはなれて水素イオンになるし、銅はふたつはなれて銅イオンになるというようになり方は種類によってちがう。女の子に逃げられるグループどうしでも銅の方がよりもてないグループと考えることができる。(悲)
 
補足説明:原子というのは+の電気をもった陽子のまわりを−の電気をもった電子がまわっているという構造ということになっていて、陽イオンになったり陰イオンになったりというのはすべて電子(−)が移動することによっておこる。
 そういうものです。

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