自立語と付属語
わたしたちがふだん使っている日本語は大きくふたつに分けることができる。それは「自立語」と「付属語」である。おおまかにいうと「自立語」は単独で意味をもつ言葉、付属語は自立語にくっついて意味をつけくわえたりしてサポートする言葉ということになる。
わたしが彼に手紙を出す。
例えば上の文から自立語、付属語をそれぞれ抜き出してみると、
自立語「わたし 彼 手紙 出す」
付属語「 が に を」
といったぐあいになる。
自立語の方は並べただけでとりあえずの意味は察することができる。初めて日本に来た外国人が最初のうちは自立語を並べた日本語を話すことが多いのはこのためだろう。
付属語の方はそれだけとりだすと意味をなさなくてなんのことだかわからない。(がにを?)
だが、「(誰か・なにか)が(誰か・なにか)に(なにか)を(どうする)」ということなんだな、ということはわかるし、自立語の部分だけを入れ替えて
「(のび太)が(しずかちゃん)に(愛)を(告白する)」
「(アンディ・フグ)が(佐竹)に(かかと落とし)を(決める)」などとすることもできる。
(こういう遊び、ずいぶんやりました)
また、同じ自立語を使っていても付属語を換えることで文の意味はちがってくる。。
わたしに彼が手紙を出す。
わたしと彼に手紙を出す。
付属語をひっくりかえすだけで主語と目的語が入れ替わり、また文には書かれていない「わたし」と「彼」以外の手紙を出した第3者の存在を表すこともできるというわけである。
それぞれの付属語がどんなはたらきをし、どんな自立語につくかということを知ることによって言葉と言葉の関係を定義づけたり微妙なニュアンスを表現したりすることが可能になる。
中学文法で学習するのは自立語が名詞・代名詞・連体詞・副詞・接続詞・感動詞・動詞・形容詞・形容動詞の9つ、付属語は助動詞・助詞の2つで全部で11品詞。これにおよそすべての日本語があてはまることになっている。
ひとつひとつの説明については以降のページにまわすとして、とりあえずはこのへんで。
文節分けと単語分けにつづく
中学生のページにもどる
はじめのページにもどる