重さと質量、どうちがう


 重さと質量、よく使われる言葉であるがこのふたつはどう違うのだろうか。
 重さを量るにはバネばかりなど、いわゆるはかりを使う。
 重さとは重力の大きさのことで、例えば地球上で60kg重の人は60kg重の力で地球がその人を引っ張っているということである。
 月の上では重力が地球の1/6(6分の1)だから、体重は60kg重から10kg重になるし、これが無重力状態になると体重は0kg重になってしまう。
 このように重さというのは量る場所によって変わるが、その人自体が痩せたり、いなくなってしまったわけではないので量る場所によって変わらない表し方はないものかということになる。さて、そこで質量というものが登場してくるわけだ。
 質量を量るにはてんびんを使う。地球上でその人をてんびんの片方にのせてもう片方に60kgの分銅をのせたらつり合っていれば、質量60kgということだ。
 これをそのまま月面上にもっていったとしてもてんびんはやはりつり合っている。乗っている人の重さも軽くなるけれども分銅の方も軽くなっているからである。
 60kgと書いた分銅とつり合っているのでやっぱり60kgということになる。基準になっている分銅とくらべればどこへもっていっても変わらないその物質の量を決めることができる数字、これがいわゆる質量というものなのである。
 なお、テストなどで出てきた場合は重さの単位はg重、kg重など、質量はg、kgなどなので「重」がついているかどうかで判断すればよい。ちなみに重力はその物体の中心から離れるほど弱くなって、地球は横に少し長い楕円形だから厳密には地球上でも重さは違うのだが(北極や南極で量った方が赤道上より重い)、そこまでは考えなくてもいいだろう。


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