挨拶の返る島

 一番の心配はははじま丸。 アネロンは24時間効くとのことだったが、父島まででその時間は過ぎている。 更に2時間は時間外で、二見港に着いた頃には効き目が弱っているように感じてもいた。 もう一錠飲もうか迷ったが、波が穏やかだったので頑張ってみることにした。 すると、なんだか陽気な一団が乗り込んでおり、弁当を広げたり踊りを踊ったりしているそばにいたら、こちらも元気をもらえたのか、最後まで我慢することが出来た。 そればかりが要因ではないのだろうが、楽しく人生を過ごすって、いいですねえ。
 七度目の小笠原も、きっといい日々を過ごせる予感が高まってきた。

 母島は、夢の中の島である。 見知らぬ観光客でも挨拶すれば普通に返してくれる。 タイミングが遅れると、小学生からでも挨拶の言葉が投げかけられる。 ここは、挨拶するのが自然体の島なのだ。

埠頭を離れます 船の中も楽し
お弁当も美味しい フラを踊り出しました
どんどん乗ってきます おかげで船酔いを気にせずに
母島が近づいて来ました 母島は7年ぶり
北端からなかなか沖港にたどり着きません 港に着きました
来ましたよー お世話になります
お出迎えありがとうございます 晴れた日の午後でした
波が穏やかで良かった

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