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ところで、なっちゃんの誕生日は4月2日である。 だからなんだと言われると困るんだけど... 「4月2日」という日にちは、実は、重要な意味を持つ。 4月1日生まれと2日生まれでは、同じ4月生まれなのに、学年がひとつ違ってしまう。 なんで「2日」がその境界なのかわからないけど、とにかくちょうど学年の境目がこの4月2日だったりする。 そういう重大な境界線なのである。 |
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私の出産予定日は、当初、4月7日だった。 初産は予定日より遅くなることが多いって誰かから聞いたし、早生まれだの、遅生まれだの、そんなことは、実はあんまり心配してなかった。 たしかに、 「4月7日が予定だ」 っていうたびに、必ずと言っていいほど、みんなから 「3月に生まれたら遅生まれになっちゃうね。」 って言われ続けてたんだけど、つわりで体調は悪いわ、おなかはまだ小さいわ、ひと冬越えたそんな先のことなんて言われても、そのときは、ぜんぜんピンとこなかった。 |
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ところが、妊娠9ヶ月に入った検診での、先生のひとこと。 「谷口さん、原因はわかりませんが逆子になっちゃってますね。」 突然の思いも寄らない事態。(@o@) このまま、逆子が治らなければ帝王切開の可能性も? 帝王切開?なんだか、こわいなぁ。 しかし、突然の事態に不安いっぱいの私を横に、まわりの心配は、というと... 手術日が何日になるのか、つまり赤ちゃんの誕生日がいつになるのか、ということだったりする。お〜い。 なんせ、帝王切開となると、手術日を何日にするというのはこちらがわで決めれるわけで... しかも、陣痛がおこる前、つまり予定日よりも1週間程度前にすることになるらしく... それはちょうどこの境界線のあたりであり... 遅生まれにも、早生まれにもしてしまえるというこわさがあり... |
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子供の成長は早く、早生まれちゃんと遅生まれちゃんとでは、同じ学年といっても、かなりの成長の差があったりする。 そんなこともあって、まわりのたいていの人間は、4月2日以降にしてもらえとの意見が大多数だったんだけど... 「確かに小学校の低学年の時は、私も人よりチビだったし、やることもトロかったし。でも、自分じゃー自分がトロいなんて気づかないし、ぜんぜん大丈夫だよ。」 (4月1日生まれの友達:談) 「4月生まれだと、同級生の子を好きになると、どうしても自分より年上になっちゃう。」 (同じく4月生まれの友達:談) 「遅生まれだと結局1年若いわけだし、一浪しても誰もそのことに気づかないから得だよね。」 (一浪した友達:談) 意見も様々である。 |
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が、じゃぁというわけで、積極的に「遅生まれ」を選択する、というのは、かなり勇気のいることであり... しかも、実家には、ちょうど1年違いの4月6日生まれの拓ちゃん(おにーちゃんの子)がおり... 里帰りした実家で、たっちして2、3歩歩けるようになったこの子を毎日見ていると、これからおぎゃぁと生まれてくる子と、この子が同級生になるというのは、いかにも理不尽のように思われ... でも、実はそういう理不尽なことは往々にして起こったりもする。 私と3日違いの4月10日が予定日だったいとこんちでは、なんと10日もはやい3月31日に生まれてしまったのだ。 朝はやく 「3300g、男の子が無事生まれました」 と、電話がかかってきた。 そのころ、同級生となるはずの早生まれの拓ちゃんの体重は、ちょうど10kgになろうとしていた。 やはり、理不尽な話である。 |
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そんなこんなで、私の手術日は4月2日と決まり、予定日より1週間も早くなり、いまいち気持ちが定まらない私の心配をよそに、 「4月2日か。そりゃぁ、よかった。」 となぜか一件落着の家族。お〜い。 そして、 「うちだけ、遅生まれじゃぁかわいそうだから、こうなったら、民ちゃんもはやく産め。」 と、人をも巻き込もうとするいとこんちのおじさん。お〜い。 |
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それにしても、手術日が4月2日と決まるや、 「どうせだったら4月3日にしてもらえばよかったんじゃない?」 とかーさん。 ちなみに、4月3日は、うちのとーさんの誕生日。 「どうせだったら、4月6日にしてもらえばよかったんじゃないか?」 とにーちゃん。 ちなみに、4月6日は、拓ちゃんの誕生日。 みんなの関心事は、というと、あいかわらず私のことではなかったりしたのだった。 お〜い。 |