勘違い


【その1】

お義父さんは、朝夕2回、ロビンの散歩に行く。

散歩から帰ってくると会った犬の話をしてくれる。

「すねちゃんにさっき公園で会ってな...あれこれ...」

「しかし、ギドはロビンと比べるとだいぶ大きいよな...いろいろ...」

ちなみに、「すねちゃん」というのは近所の黒い犬で、「ギド」というのはロビンと同じラブラドールレトリバーなんだけど...

「でも、まりちゃんは、菜月と同じくらいじゃないかな?」

お義父さんが言う。

え?まりちゃんも犬かと思ってた...(^^ゞ

 

「あ、まりちゃんっていうのは人間だったんですか。てっきり...」

「いや、犬よ。」

「.....」

まりちゃんは、やっぱり「犬」だったりする。

人間でいうならば、なっちゃんと同じくらい幼い犬だったりする。


「あら、今日は、離乳食ぱくぱくとよく食べてるねぇ。」

お義母さんが言う。

「ええ、なんだか今日はおいしいみたい。」

「味つけしたの?」

「ええ、ちょっと味つけてみたんですけど。」

「やっぱりすこぉし味付けしたほうがおいしいのかな。人間と一緒でねぇ。」

「.....」

菜月、生後8ヶ月。

霊長目人科ホモサピエンスな彼女は、生まれつき「人間」だったりする。


【その3】

朝というのは、だいたい忙しい。

朝食に、洗濯に、ゴミ出しに...んで、ちょっとオムツを替えるのを忘れていると、ふと気づくと、なっちゃんの服がびしょびしょになっていたりする。

「朝って、けっこうもらすよなぁ。」

ダンナさまが言う。

「そう、人間と一緒で、朝は特におしっこたくさん出るみたいなんよ。」

「.....」

あ、いや...「大人」と一緒で...(^^ゞ

そう、時には自分もニアミスをおかしたりする。


【その4】

先日、なっちゃんが生まれた時の写真を整理した。

まだ生まれて8ヶ月しかたってないけど、生後2、3ヶ月の頃の写真を見ると別人のように思われ、あぁずいぶん大きくなったもんだなぁと思わずにはいられない。

しかし...である。

その写真を見たダンナさまが一言。

「おぉぉぉ、この写真。なっちゃん、若っいなぁ!!」

「.....」

生後8ヶ月。菜月は、いまでも十分若いのではないかぁ?と思う今日このごろである。