おうむ返し


菜月、1歳7ヶ月。
ある昼下がり、ミスタードーナツをひとかじりするや、ぽつり。
「おいちぃ。」
とつぶやいた。
そのある日、突然の出来事は、少なからず感動的で、思わず抱きしめたくなる瞬間だったのだけれど...
あまりにかわいくって、
「これ、おいしい?おいしい?」
って食べるたびに何度も何度も聞いていたら、
「あ〜おいち、あ〜おいち、あぁ〜、おいちぃ〜」
食べてもないくせに、適当なことを言うようになった今日この頃。
なかなか成長したものよの、菜月(-_-;)

それにしても、言葉というのは、いつの間にか口にできるようになっていくものらしく...
毎日毎日、朝起きてくるたびに、しゃべれる単語がどんどん増えていく今日この頃。
「おかあさま」「おとうさま」「いただきます」「おやすみなさい」
...って、それはウソだけど(^^;;;


おばあちゃんと新聞を読む(?)菜月

(1歳7ヶ月)


言葉というのは、まずは「口まね」から始まる。
ほんと、なんでもかんでも「おうむ返し」なのだ。
舌足らずな口調で口まねする姿はなかなかかわいいのだけれど、会話が成り立たないというのが難点だ。

夜、あんまりグズグズ言うので、
「どうするの、眠いの?ねんね?」
と聞けば
「ねんね、ねんね、ねんね。」
と言う。でも、
「おなかがすいてるわけじゃないよね?まんまなの?」
と聞けば
「まんま、まんま、まんま。」
と言う。

「これはな〜に?」
と聞けば
「な〜に?」
と答える。
「だ〜れ?」
と聞けば
「だ〜れ?」
同じように、同じ言葉が返ってくる。
いやいや、わたしゃ、質問してるんですけど...
というのもしばしば。

公園に行く時、玄関で、おばあちゃんに
「いってらっしゃい。」
と言われれば、
「いってらっしゃ〜い。」
と言いながら、手をふって自分が出かけていく(^^ゞ
実におかしい。


お人形と「ねんね」

(1歳7ヶ月)



「ありがとうは?」
と言うと、首をかたむける。

(1歳7ヶ月)


そして、勘違いもまた多い。
「あお」というのは言いやすいのか、はたまた覚えやすかったのか、「赤」と「青」は一緒に覚えたはずなのに、菜月はどうも「あお」が好きであり...

信号が赤になり、自動車が止まった瞬間に
「あお、あお!」
いやいや、あれは「赤」(^^ゞ

お店でおまけの風船をもらっては「あお、あお!」
いやいや、これは「赤」(^^ゞ

紅葉狩りに行った時も、アマチュアカメラマンが真っ赤に色づいた紅葉の前でカメラをかまえている横で、上を見上げて
「あおぉ、あおぉ!」
秋の昼下がり、静かなお寺の境内に、菜月の声が響きわたる。
いや、だから、あれは「赤」なんだってば(^^ゞ


三滝寺に紅葉狩りに行きました

(1歳7ヶ月)



他にもあるぞ。
かごからみかんを1つ1つ出していたので、お義母さんが
「ひとつ、ふたつ、みっつ、よっつ...」
みかんを数えたのだ。
と、どうでも、その言葉の響きが気に入ったらしく、さっそく自分もみかんをかごから1つ1つ出しては
「よっつ、よっつ、よっつ!」
いくら出しても、いくら入れても、みかんを数える時は、ぜ〜んぶ「よっつ」
ちがう、ちがう、最初は「ひとつ」からなの(^^ゞ
って、ま、そんな難しいことまではわからない。


そんな難しいことまではわからないのだけれど...
よけいな言葉を覚えるのは、めっぽう早い。
お茶の入ったマグマグを持ってきては、舌足らずなその口で
「とって。」(取って)
「あちぇて。」(開けて)
と言う。とてもかわいいい。だけど、
「はい、どうぞ。」
と渡すと、ごくごくごくと飲み干して
「もいぃ。」(もういい)
と突き返す。生意気だ(^^ゞ


この3秒後には「もういぃ」

(1歳7ヶ月)


何回言っても、熱いコーヒーが入ってるコップを持とうとする。
どこへやっても、がむしゃらに手を出して取ろうとする。
さすがに頭にきて、
「だから、熱いんだってば!ほんま、パープーやな。」
ぽろっと口をついて出てしまったら...
「ぱーぷー、ぱーぷー。」
さっそく繰り返す。
あ、菜月さん、今のはなかったことに...(^^ゞ

私の口まねなのか、
「また、こんなに散らかしてぇ。」
「なっちゃん、はい、ちゃんと座って。」
ちょっと、愚痴ぐち言おうものなら、すかさず
「んもぉ、んもぉ。」
と繰り返す。
マネするなっちゅうねん。

そう言えば、
「おいしい?」
と聞くと、
「んまい。」
と答える時もある。
どこで聞いたのか(って、私のせい?)そういう言葉は覚えるのが実に早い。


そして、これこそどこで覚えてきたのか、家族の誰もそんな言葉は使ってないのに(いや、私も使ってないぞ、ほんとに)
「おじいちゃん、ご飯よって呼んできて。」
と言うと、おじいちゃんとこまで近づいていって
「おい、おい!」
と呼びつける。
「おばあちゃん、2階かな。呼んできて。」
と言うと、やはり、階段の下から上にむかって
「お〜い、お〜い!」
呼びつける。
頼むよ、菜月。もっとこう、やさしく、やさしく(^^ゞ

菜月、1歳と7ヶ月。
「子は親の鏡」と言うけれど、何気なく口にする菜月の言葉に「家庭環境」が垣間見れる今日この頃。
なかなか、あなどれないやつになってきた。


目を離すと、こうなっているのだ

(1歳7ヶ月)