かいしゃ


菜月、1歳と9ヶ月。
日曜日、買い物から帰り、
「さ、おばあちゃんに『帰ったよぉ』って言っておいで。」
玄関で靴をぬがせると、たたたっと台所に走っていくのだけれど...
お義母さんに
「おかえり。どこ行ってきたの?」
と聞かれるや、
「かいしゃ!」
何の躊躇もなく、元気に答える今日この頃。お〜い(^^;;;


どこの家庭もそうかもしれないが、とーしゃんが出ていく朝はまだ寝ており、帰ってくる頃には、やはりもう寝ており...
平日は、あまりとーしゃんの顔を見ることの少ない菜月。
「とーしゃんは、どこ行ったかな?」
と言うと
「な〜い。」
と言う。
でも、なんだか、それじゃーちょっと味気ないよなぁということで、
「とーしゃんは、『会社』に行ったよ。かいしゃ。お姉ちゃんは『学校』へ行ったねぇ。」
と教えてみた。

子供はなかなか覚えがはやい。その日のうちに、
「とーしゃんはどこ行ったかな?」
と聞くと
「かいしゃ!」
「おねえちゃんはどこ行ったかな?」
と聞くと
「がっこ!」
「なっちゃんはどこへ行くのかな?」
と聞くと
「くぉーえん!」(公園)
ちゃんと答えるようになった。
『会話』らしい会話ができるようになったのだ。


ところが、その成果を披露しようと、朝出かける支度をしているおねえちゃんがいるところで、
「なっちゃん、お姉ちゃんはどこ行くのかな?」
聞いてみたら、
「かいしゃ!」
ここぞ一発では間違える。
しかも、それは間違えてはならない間違えだったりするのだ(^^ゞ
現在、会社を辞めて、就職先を探しつつ学校がよいのお姉ちゃん。
「おねえちゃんはねぇ、残念ながら、会社には行けないんだよ...なっちゃん。」
ぼそっと答えるお姉ちゃん。
朝からちょっと浮かない話になっちゃったりする(^^;;;

しかも、
「とーしゃんは、どこへ行ったかな?」
となりに座って一緒にご飯を食べていても、
「かいしゃ!」
必ず、元気にそう答える菜月。
とーしゃんは、ここにいるぞぉ〜、ここに(^^;;;
菜月の辞書には、『臨機応変』という文字はない。


お仕事をしてるのだー(?)

(1歳9ヶ月)



「かいしゃ」
とにかく、菜月は、この響きが、いたく気にいっているらしいのだ。
オムツの袋とブロックを入れたバケツを持っては、1日じゅうあっちへこっちへ。
「オムツ持ってどこ行くの?」
と聞くと、必ず
「かいしゃ!」
「なっちゃんが会社に行くの?」
聞き返すと
「いくわ。」(きっぱり!)

そして、
「おもい、おもい。」
と言っては、オムツの袋を適当にそのへんに置きっぱなしにし、たたたっと走り寄ってきては
「帰ったぁ!」
元気に答えるのだ。

菜月、君は、今の一瞬の間に、いったいどこの会社に行ってきたのだ...(^^;;;

そんなわけで、さ、いざオムツを替えましょうという時には、オムツはいつも行方不明なのである。お〜い(^^;;;


オムツをかかえては「会社」に行き



バケツを持っては「会社」に行くのだ

(1歳9ヶ月)


とーしゃんが会社から帰ってきて、
「なっちゃん、今日はどこ行ってきたの?」
とーしゃんの質問にも
「かいしゃ!」
元気に答える菜月。
それで会話が終わる。

たまには、
「びびーかー、びびーかー。かんかんかん...びびーかー。」
ちゃんと答える時もあるけれど、それはそれで、会話は終わる。
なぜって、そう、とーしゃんの頭は、はてな(・_・?になっている。

「ベビーカーに乗って買い物に行き、踏切のところで警報機がカンカンカンと鳴って電車が通りすぎていった。」
通訳すると、菜月はそう説明しているわけだけど、もちろん、そんなことは、1日一緒に行動していた私にしかわからなかったりする。

「しゃんりんしゃ、いっせい。しゃんりんしゃ。」
これは、「公園で一成(いっせい)君の三輪車を借りて乗った。」ということで
「しゅー。じょうず!」
これは「シューっと滑り台を上手にすべった。」ということなんだけど、もちろん、私にしかわからない(^^ゞ


菜月はとにかく「踏み切り」が好き

(1歳7ヶ月)

ところで、最近では、会社に行くのは菜月だけにとどまらない。
ブロックを組み立てて遊んでいた菜月が、
「ないねぇ、ないねぇ。」
しきりに何かを探してる。
見ると、ピエロがいつもさしている傘がはずれて行方不明になっている。そこで、
「傘、取れちゃったねぇ。どこ行ったのかな?」
聞くと、元気に
「かいしゃ!」
「傘」まで会社に行ってしまうのだ。(行かない、行かない)


菜月、1歳と9ヶ月。
「待て待てぇ〜」
と叫びながら、逃げていくのは自分だったり...
「行ってらっしゃぁい。」
と言いながら、出かけていくのは自分だったり...
「おいで。」
と言いながら、抱いてもらうのは自分のほうだったり...

まだまだ、日本語のおかしな菜月なのだけど、そんな菜月も、いつかは「会社」に行く日が来るのかなぁ。
...な〜んて、もちろん、そんな心配なんてしていない今日この頃。(当たり前だけど)
だって、幼稚園に行けるのだって、まだあと2年も先だったりするのだ。
闘いの道のりは、まだまだ長い...(-_-;)


「待て待てぇ〜」と言いながら

自分が逃げていく菜月

(1歳8ヶ月)