オムツ外れ


2歳もすぎる頃になると、やたら聞かれるのが
「どう、オムツはもう取れた?」
という質問。
確かに、子供の成長過程では「お乳を卒業する」「スプーンを使えるようになる」「コップで飲めるようになる」など、その時々でいくつかの課題があるのだけれど、
「トイレに行けるようになること」
これは、中でももっとも手強いことの1つだと思う。

「トイレトレーニング」という言葉があるくらいだ。
オムツが外れるまでの過程はけっこうたいへんだ。
「トイレで用が足せるようになる」というのは、子供にとっては、かなり難しいことであるらしいのだ。

ところが、そんなことを知ったのは、私だってごく最近だ。
しかも、公園で聞くまわりの話で、
「へぇそうなんだぁ。」
と思っていた程度だ。
現実のこととして直面するまでは、ほとんど何の知識もなかったし、自慢ではないが、今だってほとんどない( ̄▽ ̄)


母親の私が知らないくらいだ。
多くの男性は、そんな子供のオムツ外れの事情など、もちろん知っていようはずもなく...
「なっちゃんは、なかなかオムツが外れんなぁ。」
お義父さんが不思議そうに言ったりするのだ。
どきっ(^^;;;

でも、何を隠そう、母親の私が何もしてないのだ。
そう簡単にオムツが外れるわけはない( ̄▽ ̄)
「オムツというのはですねぇ、母親の努力もけっこう必要らしくて、ある日突然、自然に外れたりはしないんですよ、お義父さん。」
と言いたいところなのだけれど、そんな墓穴を掘るようなことは、もちろん言えないのだった。

ところが、まだ独身のうら若き女性、瑞穂ちゃん(とーしゃんの妹だ)にも、そ
んな事情はわかるわけもなく...
菜月の2歳の誕生日に、かわいいパンツを3枚プレゼントしてくれた。
「そろそろ、はけるのかなぁと思って。」
どきっ(^^;;;

「いやいや、オムツというのはねぇ、母親の努力もけっこう必要らしくて、ある日突然、自然に外れたりするもんじゃーないらしいのよ、瑞穂ちゃん。」
と思ったけれど、そんな自分の怠慢を暴露するようなことは、もちろん言えないのだった。

それなのに、
「なっちゃんって、いつ頃、オムツ外れるんだろうねぇ〜。」
人ごとみたいに、とーしゃんにも言われた日には、
「あのねぇ、だ・か・ら、オムツっていうのは、すっごい苦労しないと外れないの。そんな自動的に、ある日突然、ほいっなんて外れないの。」
しっかり開き直って、説教の1つもしてみたりする。
なんて、かわいそうなとーしゃん(^^;;;


でもまぁ、こう、まわりが「オムツ、オムツ」と言うのもごもっともな話で、昔は、オムツ外れというのは、もっともっとずっと早かったらしい。
うちのお母さんの話でも
「そりゃー、昔は1歳すぎたらオムツ外して、っていう考えだったもの。拓ちゃんが3歳になっても、まだオムツしてるのなんて、私の年代には考えられんよ。」
って言うし、お義母さんの話でも
「康司(とーしゃんのことだ)は、1歳半までには、オムツは外れてたかなぁ。瑞穂は遅かったから2歳くらいまでしてたけど。」
らしい。

しかし、その「遅かった」2歳をすでに3週間もすぎようとしている菜月は、というと、まだ、「トイレ」の「ト」の字もないわけで...
当たり前のように、しっかりオムツをしているわけで...
そして、そのことに、私も、とりわけ何の疑問も持ってないわけで...
「1歳半までにオムツが外れている」ということのほうが、私にとっては「驚異!」以外の何ものでもないのだ。
ま、反対に、お義母さんからみると、私が何の疑問ももってないことこそ、「七不思議」以外の何ものでもないかもしれないが...(^^;;;

お義母さんは、育児に関して、
「こうしてあげなさい。」
「これはこうしないとダメ。」
なんてことは、一言も言わない。
何事にしても、だいたいは
「まぁ、いろんなタイプの子がいるからねぇ。」
「いずれは出来るようになるしねえ。変わってくるからねぇ、子供っていうのは。」
といったような返答で、いつも実におおらかな姿勢なのだ。
けれど...
「これから暖かくなっていくし、そろそろなっちゃんもオムツ外す時期かもね。」
これだけは、めずらしく、何度か言われた。
やはり、けっこう心配しているようだ(^^;;;


おまるを「お馬さん」にする菜月

(生後8ヶ月)



「おまる」を使ってみたこともあったが

成果はなし

(1歳0ヶ月)


ところで、菜月は、夜寝る時と外出する時以外は、布オムツをしている。
よく、布オムツだと言うと、
「それじゃぁ、オムツ外れも早いかもね。」
と言われるけれど、けしてそんなことはない。(と思う)

そもそも布オムツだとなぜオムツ外れが早いか?
その理由として、布オムツは紙オムツに比べて、オムツがぬれた感触がよくわかるので、子供のほうが気持ち悪くて、はやくおしっこを教えてくれるようになるということ。
そして、毎日毎日、布オムツを洗うのもけっこうたいへんなので、親のほうも早くオムツが取れるようにがんばるってことがあるらしいのだけれど...
けして、そんなことはない。(と思う)

一時は、
「うんちでた。」
と教えてくれることもあった菜月も、最近では、
「でてないの。」
ガンとして否定し、しらばっくれるし...
私は私で、なかなか「さて、オムツを外そうか。」という気が起きない(^^;;;


夜は紙おむつなのだぁ

(1歳11ヶ月)


だって...「オムツを外そう」という労力は、「布オムツを洗う」ということをはるかに越えてたいへんだ。
それは比べものにならないくらいに...

なんせ、今まで「オムツ」でしていたものを「トイレ」でさせるようにするには、子供にだって、そっちのほうがいいと思わせる必要があるわけだ。
つまり、トイレに行きたいと思わせるとか、オムツでするのはイヤだと思わせる。
でも、これがなかなかどうして難しい。
生まれてこのかた、2年間もオムツをつけ続けてきたのだ。
子供だって、オムツをしていることには慣れっこだ。
むしろ、その状態が自然なわけだ。
気持ち悪いなんて、たぶん思ってない。


この頃は「オムツ」も大きくみえた

(生後3ヶ月)

というわけで、まずは「気持ち悪い」と思わせる必要があるわけで...
思い切って、もっとぬれた感触のわかりやすいパンツにするわけだけど、突然、パンツにしたからって、子供は、もちろん今までどおり、当然のように、躊躇なく、そこにおしっこをしてしまう。
そこで、母親は、頃合いを見計らって、何度も何度もトイレに連れて行くわけだ。
運よくトイレでできれば、思いっきりほめてその気にさせる。
でも、そんな運良く行くわけもなく、ほとんどの場合は、やはり、おもらしになる。
子供は、おもらしを重ね、
「なんだかおしっこが出て気持ち悪いなぁ。」
と思ううちに、じゃートイレでしようかなぁ、という気持ちも芽生えてくるのだろうだけど...
1日や2日じゃ、もちろんそんな感情も起こらない。


「オムツを外そう」と決めた日から、母親は、1日に何度も何度もトイレに連れていき、何度も何度もおもらしをふいて歩き、何度も何度もぞうきんをしぼり、何度も何度もぬれたパンツと服を着替えさせ、それこそ山のような汚れ物をせっせと洗濯するのだ。
いつどこでおしっこされるかもわからず、始終、おもらしの心配ばかりしていなければいけない。
このたいへんさに比べれば、適当によごれたオムツを替えて、せっせとオムツを洗っているほうが、どう考えたって楽だ。
そんなの比べ物にならない。

それに、そもそも、おしっこがたまった感覚がわかるようになり、自分でコントロールできるように体が成長するのは、2歳10ヶ月くらいなのだそうだ。
だから、こんなにしてあくせく親ががんばってみたところで、オムツが外れる時期が早いとは限らないし、案外、遅めに練習をはじめて 早くオムツが外れたっていう人だっているわけで、そのへんのタイミングがまた難しい。


それじゃなくたって、毎日どろどろで

着替えばかりなのに...

(2歳0ヶ月)


さて、ようやく重い腰をあげ、トイレの練習を始めたばかりの菜月はと言うと、今はまだトイレどころではない。
補助便座のあんぱんまんに
「おはよぉ」
と挨拶がすむと、トイレットペーパーを小さくちぎって何度も便器に落としいれ...
おしっこも出てないのに水を流し...
「トイレにきてください」
と鳴る、緊急時の非常ボタンを何度も押し...
一通りのことが終わると
「おしり、きれいきれいするよぉ〜。」
と訴え、自ら「終了宣言」を出して終わる(^^;;;
この繰り返しだ。
紙代もかかれば、水道代もかかる。
困ったものだ(^^;;;


うんちしてるの

(2歳0ヶ月)


が、ほとんど期待もしてなかった3日目。
なんと、トイレでうんちが出たのだ。
これには私も驚いた。
突然、
「あんぱんまんとこに行くのぉ。」
菜月が言うので、連れていってみたら、う〜んときばって、ぽちゃんぽちゃんとうんちが3つ出た。
これには、少なからず感動した。
思わず、2人で、
「おぉ〜!!!」
と感嘆の声をあげながら、しばらく便器の底のうんちに見惚れてしまった(*^_^*)

「すっごいねぇ。上手にできたねぇ。かぁさん、びっくりしたわぁ。」
誉められたのがよほどうれしかったのか、菜月は
「なっちゃんのうんち♪なっちゃんのうんち♪たこやきみたいでしょぉ〜。」
にこにこだった。
そして、その日は1日じゅう、がにまたになって腰をかがめて
「こうやってねぇ、こうやってねぇ、うんちがぽっちゃんってでたのぉ。」
何度も実演してみせてくれた(^^;;;


うんち実演風景(^^;;;

「こうやってねぇ、こうやってねぇ、

うんちがぽちゃんっていったの」


(2歳0ヶ月)


そして、1週間目の今日。
今日は、運良くトイレでおしっこができた。
菜月にとって、はじめてトイレでおしっこをする感覚は、とても不思議なものだったらしい。
チョロチョロっと出てくるおしっこを、なんだか、びっくりしたような顔で、自分でものぞきこんで見ていたのが実におかしかった。

菜月、2歳0ヶ月。
現在、トイレトレーニング1週間目。
1日中「トイレにきてください」が家じゅうにこだまする今日この頃。
さて、菜月のオムツが外れるのはいつのことでしょうか?


うんち実演風景その2(^^;;;

(2歳0ヶ月)