お金がない


突然だけど、お金がない。
ま、それは、何も今に始まったことではなく...(^^ゞ
財布を開けるたび、通帳に記帳するたび、月末が近づくたび、家計簿をつけるたび...おりおりに思うことなわけだ。
ああ、お金がないなぁ、と。
でも、まー、そりゃー当然の話なのだ。
なんせ、私が働いていないのだから。えっへん( ̄▽ ̄)

とはいえ、私は、結婚する前から、たとえ結婚しても、なるべく自分も働いていたいと思っていた。
自分の母親もそうだったし、そういう母親の姿は自然に思えた。
自分もそうなろうと思っていた。
結婚して、専業主婦で1日家にいるなんて、その頃は考えにもなかった。
でも...結婚しても、しばらくは働いていたけれど、妊娠し、突然やってきたつわりのあまりのひどさには、閉口した。
食べ物という食べ物がまったくのどを通らない。
1日じゅう、吐き気がする。
朝起きた瞬間から、また1日が始まったことをのろったものだ。
冷蔵庫を開けるだけで気分が悪くなり、テレビで食べ物のコマーシャルを見るたびに吐き気がし、食べ物の匂いがするだけで、息をとめたくなった。
外に出るだけでめまいがした。
仕事どころか、通勤すること自体が難しかった。
食べれないせいか、ちょっと歩くだけでもふらふらしたし、電車の中の匂いがまったくダメだった。
そして、会社につくと、今度は人の匂いに気分が悪くなるのだった。
こりゃもう、病気じゃないか、とさえ思えた。
子供が出来た喜びどころか、こんなにしんどいんだったら、子供なんていらないと何度も思ったものだ。
それで、あえなく、仕事をやめてしまったわけだけれど...
それと同時に、「お金がないなぁ」と思う日々が始まったわけだ。


こう見えても(どう見えても?)、結婚してまだ子供がいない頃、私たちは、2人で働き、けっこうな収入があった。
とーしゃんは、当時、不況知らずのコンピュータ業界で、殺人的に忙しい職場で、残業に明け暮れていた。
夜も昼も関係なく、休みもまともにない日々だった。
残業代カットなんてこともなかった。
私も、とーしゃんと同じ業種の仕事についていた。
同じく、この不況にあって、まったく不況を感じることのない職場だった。
仕事はいくらでもあった。
働いた時間に比例して、お金はたくさん入った。
2人あわせると、けっこうな収入だった。
それは、十分に、人並み以上だったと思う。


その頃は、何の心配もなく、外食をした。
飲みにも行った。
何か買い物するのに、そんなにお金の心配をすることもなかった。
2人で1台ずつバイクを所有し、中古だけれど車も買った。
生命保険だって、すすめられるままに、2人で4つも入っていた。
それでも、通帳には、月に20万近くずつ貯金がたまっていった。
結婚したときには、2人ともほとんど貯金なんてなかったのに、すぐに100万円を超える貯金が出来た。
たいした努力もなく...
そんな”栄光の時代”もあったのだ。
ま、すぐに菜月が生まれたので、その”栄光の時代”は、ほんとにほんとに短いものではあったけど(^^ゞ


かぁしゃんもバイクに乗ってた時代が

あったのだー


ただ、会社に勤めていると、仕事の量というのは、自分では選べないものなのだ。
もう少し残業を減らしたいなぁと思っても、なかなかそうはいかない。
とーしゃんは、残業、残業で、ほとんど曜日の感覚さえない日々だった。
私は、仕事と家事の両立にめいっぱいだった。
いつも、買い物して帰り、ご飯を作り、食べるのは夜の10時前で、でも、とーしゃんは、その時間にさえ家にいなかった。
平日は、ただ、仕事して食べて寝るだけの毎日。
そして、休日は、昼まで寝て、また始まる1週間にそなえ、食料買出しや、ふだんできない掃除、家事に費やしてあっという間に終わった。
そういう生活は、いつもいつも、体の芯に疲れを残し、いったい何のために仕事しているのか、ほんとにこの先、ずっとこういう生活を続けていくのか、そんなふうに、ふと考えてしまうこともあった。


菜月が生後6ヶ月の時、とーしゃんは転職し、両親の住む広島での生活を選んだ。
職場を地方に移す、しかも転勤をしない職場を選ぶ、という希望をかなえるためには、同時に、多少、収入が減ることも受け入れなければならなかった。
2人で働いていた”栄光の時代”に比べると、我が家の収入は半分以下になり、反対に、菜月が生まれて、扶養家族が1人増えた(^^ゞ
バイクは手放した。
保険もやめた。
必要最低限な支出にとどめる努力をした。
それでも...やはり、お金はない( ̄▽ ̄)


でも、私たちには、”人間らしい”生活が返ってきた。
家族で一緒にいられる時間が、圧倒的に増えた。
あのまま転職しなかったら、とーしゃんは、菜月の成長の様子さえもほとんどわからないまま、数年を過ごしてしまったに違いない。
生まれてから数年の子供の驚異的な成長ぶり。
何年か後になって、その頃を思い出した時、自分の子供の成長過程すら、何も思い出せないなんて、それほど寂しいことはないのではないか、と私は思うのだけれど...
それは人それぞれの考え方によるのだろうか?
お金なんていらないとは思わない。(けっして)
だけど、時間もゆとりもないのに、お金だけあっても仕方がないじゃーないか、とも思うのだ。(というのは、贅沢だろうか)
お金があって、時間もあれば、言うことはないのだけれど...
そううまくはいかないものだ(^^ゞ



あんなにちっちゃかったミーちゃんも...

(1歳4ヶ月)


こんなに大きくなりましたー

(2歳3ヶ月)


でも、何を取るかと言われれば...
一番大切にしたいことは、やはり「3人でいる」ということ。
去年の桜はここでみた。
去年はあそこの海に行った。
去年は海をこわがった菜月が、今年はこんなにうれしそうに泳いだね。
ちゃんと季節を感じながら、日々を送りたい。
何年か先になって、あの頃はああだったね、と思い出話をし、来年はこんなことをしたいね、という会話を重ねていきたい。
3人でいる日々をたくさん刻んでいきたいのだ。
それは、お金には、けして変えられないものだと私は思う。



海が怖いとおお泣きでした

(1歳4ヶ月)


今年は海で元気にばしゃばしゃ〜♪

(2歳3ヶ月)

というわけで、とりあえず、お金はないわけだけど...(^^ゞ
でも、考えてみれば、私たちには、今のところ、借金もなければ、かかえているローンもない。
月末に赤字になったり、かろうじて黒字になったりしながらも、年に2度のボーナスは、ローンに消えるわけでもなく、何をしようか、どこかに行こうか?と楽しめるだけの余裕もある。
それって、実はけっこうゆとりがあるってことなのではないか、とも思う。
今のところは、それで十分ではないか(^0^)/


私にも、子育てが一段落したら、いずれは仕事につきたいという思いがある。
いつも、私の頭の片隅にある。
が、やはり、今、まだ2歳の菜月は、自分の手元において育てるほうがいいのでは、という思いも同時にある。
なかなかそのへんが難しい。
「母親を必要とするのは、ほんとに短い間よ。」
とよく言われる。
それならば、その間は、どっぷりと子供の相手をしてやりたいと思う。
でも...「ほんのちょっと」と言っても、それは、子供が幼稚園に入るまでの3年であり、小学校に上がるまでの6年であり...やはり、何年間ものことなのだ。
しかも、子供が2人になり、3人になれば、もっともっと先のこととなる。
それは、仕事につく機会さえ、失いかねない長さだと思うのだ。
そういうジレンマにいつも悩まされる。
でも...とりあえず、今のところは、菜月との日々にどっぷりつかっている。
「仕事」のことを時折考えながら、やはり、今は...と思う。
そして、それはそれで、考えるだけでも、いいと思ったりもするのだ。
どう生きたいか、これからどうしていきたいのか、今は何をやっておくべきか、自分は何を一番大切にしたいのか、そんなことを考えながら生活することなんて、今までになかったことなのだから...


砂場遊び



泥遊び

(2歳2ヶ月)


なぜ、仕事に復活したいと思うのか?ほんとに復活したいのか?
自問自答する。
それはやはり、お金のため、というのもあるのだけれど...
「自分の食い扶持は自分で稼ぎたい」
私には、なんとなく、やはり、それが自然なような気がするのだ。変な理由かもしれないけれど。
でも、仕事しながら家事をこなすのだってけっこうたいへんだった。
その上、仕事しながら、子育てしながら、家事もこなしながら、そんなことがほんとにできるのか?
いろいろ考える。
いろいろ考えていると、こうして1日一緒に菜月といられる時間というのは、限りある貴重なものかもしれないなぁと思う。
だから、今を大切にしよう、と思う。
たくさん遊ぼうと思う。


鉄棒遊び



水遊び

(2歳2ヶ月)


UNIQLOを愛用し、そのUNIQLOに行ってさえも、ただでさえ安い1900円のパンツを見て、
「ん〜、でも、もしかしたら、もう少し待てば1290円になるかも。」
と思う。(また、これが実際になるのだ)
帽子ひとつ買うのに、
「ほんとに今必要なのかなぁ。やっぱいらないかなぁ。」
真剣に思い悩む。
(でも、思い悩んで買ったわりに、どこかでなくしてしまったりする)
宝くじでも当たらんかな、そんな都合のいいことを真剣に考えてみたりもする。
子供服だって自分で作っってみたりもする。
(安くでき、しかも作る喜びと実益をかねた、今、私にとって一番お気に入りの趣味なのだ)
100円ショップは、大きな味方だ。
何か便利物を見つけると、わくわくする。


おそろいの服を作ってみました

(2歳3ヶ月)


そんなもんだから、菜月は、というと、買い物をすると、
「これ買ったの。100円だったの。」
とおばあちゃんに報告し、
(世の中のものは、ぜんぶ100円だと思っている)
「どこへ行ったの?」
と聞けば、たとえどこに行っても、たいてい
「ユニクロ行ったの。」
と答える。
親の経済状態がばればれではないか...(^^ゞ

菜月、2歳3ヶ月。
ああ、お金がないなぁ、とよく思う日々。
でも、幸せか?と聞かれれば、やはり幸せだと疑いなく思う日々。



一緒にすごす休日

(2歳0ヶ月)


3人で記念撮影なのだー

(2歳1ヶ月)