アンパンマン


「アンパンマンって、今も、日曜日の朝5時半からテレビでやってるんだね。」
公園でそう聞いたのが、そもそもの始まりだった。
もちろん、私自身、それまで、あまりアンパンマンを見たことがあったわけでもないわけで...
だから、アンパンマンが好きだというわけもないのだけれど...
菜月にちょっと見せてみるか、という軽い考えで、ビデオに録画して見せてみたのだ。
それが最初だった。
今考えれば、実に安易だったと思う(−_− )( −_−)
菜月は、食い入るように、テレビでそのアンパンマンを見、
「もう1回見る」
と言った。
そして、私以上に安易なとーしゃんは、菜月が喜ぶのをいいことに、週に1度のアンパンマンではあき足らず、貴裕出産で、私が入院している間、菜月にレンタルビデオ屋でアンパンマンを借りてきて見せていた。

その結果。
菜月、3歳6ヶ月。
いまや、アンパンマンにどっぷりの今日この頃。


アンパンマンに乗ったのだー。

(菜月、3歳3ヶ月


座っているおじいちゃんを、いきなりたたいては、
「はっはっは、ざまぁみろぉ。」( ̄▽ ̄)
新聞を読んでいるおばあちゃんの新聞をはたいては、
「やっつけてやったのだぁ!」( ̄▽ ̄)
そして、寝ている貴裕の体に、ひもを伸ばしては
「たかひろくんを捕まえてやったのだぁ。」( ̄▽ ̄)
日に日にガラが悪くなっていく(−_− )( −_−)
しかも、困ったことに、正義の味方アンパンマンとはほど遠く、日々、バイキンマン化していく。


何か一生懸命作っていると思ったら...

(菜月、3歳4ヶ月


なんでも「武器」にする今日この頃

(菜月、3歳4ヶ月


とにかく、アンパンマンには目がない。
そして、世の中、そういう子どもをねらった商品は実に多い。
困ったことに。
おもちゃだけに限らない。
スーパーでは、アンパンマンのチョコだの、カレーだの、ジュースだの、いろんなものに、アンパンマンがついているし、靴屋に入れば、靴の柄にもアンパンマン。
文房具屋では、ノートに、のりに、鉛筆に...
薬局でさえ、アンパンマンシャンプーに、アンパンマンの風邪薬...
どこに行っても、アンパンマン。
さけて通るのが難しい。
そして、すかさず、それを見つけてくる菜月。



我が家のいたるところに、どんどん増えていくアンパンマンに、
「世の中、こんなにアンパンマンがはやっていたとは知らなかったわ。」
とお義母さん。
最近では、
「おばあちゃんも、なっちゃんのおかげで、だんだん、アンパンマンくわしくなってきたわ。」
と言っている。
でも...
「おばあちゃん、いっぱい知ってるよ。アンパンマンでしょぉ、食パンマンでしょぉ、あと、バイキンダー。」
ちなみに、それを言うなら、「バイキンマン」である(^^ゞ
そして、
「おにぎりマンだって知ってるよ。」
ちがう、それを言うながら、「おむすびマン」である(^^ゞ
そうなのだ、そういう私も、けっこう詳しくなっていたりする。


アンパンマンのお面を作りました。

(菜月、2歳11ヶ月)


ま、それはさておき、トイレにつれていくにしろ、ご飯を食べさせるにしろ、服を着させるにしろ、かえってくる言葉といえば、
「いやだ。」
「できない。」
「食べない。」
「いらない。」
「しないの。」
「後で。」
何一つ、スムーズにすすむことのない3歳児相手の毎日。
「アンパンマン」1つで、物事が円滑に進むというなら、もう、かぁしゃんは、自分の趣味やこだわりや理想なんて、すべて投げ捨てて、なんだってする。


公園でも砂場でアンパンマン

(菜月、3歳6ヶ月


来年から幼稚園に入園する菜月。
幼稚園で使うバッグや、スモッグ、シューズ入れを縫ってやろうと、生地屋さんに行けば、さっそくアンパンマンの生地に飛びつく菜月。
かぁさんとしては、スモッグは、赤かピンクで、ポケットには、いちごかさくらんぼのアップリケという実に壮大な(どこが?)構想があったのだが...
菜月は、何がなんでも、アンパンマンがいいという。
まー、アンパンマンでもいいかとも思うのだけれど、これがまた、キャラクタものっていうのは、柄はかわいいが、値段がかわいくない。
どうせ、同じ高いお金を払うのならば、母としては、「プーさん」あたりがかわいくていいと思うのだが...
菜月は、何がなんでも、アンパンマンがいいと。
いまだ、私がいないと大騒ぎで探し、公園でも他の子とはほとんど交わって遊ばず、いつもいつも、私のそばを離れない菜月。
ほんとに1人で幼稚園なんて行けるんだろうか、とかぁしゃんは心配しているのだけれど...
ま、スモッグをアンパンマン柄にするだけで、菜月が喜んで幼稚園に行くというのなら、そんなの安いものなのだ。
何だってアンパンマンにしてくれよう( ̄▽ ̄)


砂でアンパンマン



水で地面に書いたアンパンマン

(菜月、3歳6ヶ月)



ご飯だってしかり。
とにかく偏食で、食の細い菜月。
肉も食べない、野菜も食べない。
日々、何を作って食べさせようかと頭を悩ませるのだけれど...
「アンパンマン」につられて、菜月が喜んで食べてくれるなら、かぁしゃんは、何だってする。
お好み焼きだって、ソースでアンパンマンを書く。
オムライスだって、卵に、ケチャップでアンパンマンを書く。
おむすびだって、目玉焼きだって、なんだって、アンパンマンにする。
要望があれば、ロールパンナちゃんにだってするし、バイキンマンにだってする。
ジャムおじさんにだって、バタコさんにだって、ドキンちゃんにだって、チーズにだって...(もういいって?)

が、一口食べて、
「今、顔んとこ食べちゃったから、今度は、顔が汚れて力が出ないのアンパンマンにして。」
菜月も、けっこう注文がうるさい(^^ゞ
こっちの苦労も考えーっちゅうねん。

その上...5分もしないうちに、さっさと席を立つ菜月。
「あれ、なっちゃん、せっかく、かぁさん、アンパンマンオムライスにしたのに、ちゃんと全部食べなくちゃ。」
と言えば、
「もう、アンパンマンのところは食べちゃったからいいの。」
オムライスの卵だけ食べて、ご飯はぜんぶ残していたりする。
敵もなかなかあなどれない。




ところで、アンパンマンは、おなかのすいている人を見つけると、アンパンでできた自分の頭の一部をちぎって分け与えるのだけれど、菜月は、そのシーンが実に気にいっているようであり...
「えーん、えーんって言って。」
毎日、そのシーンを再現する。
要望どおり、
「ええーん、えーん。」と言えば、
「どうしたの?」
菜月が答える。
私は、
「おなかがすいて動けないの。」
と言う。
「じゃー、なっちゃんの顔をあげる。」
菜月が、頭のパンをちぎって私に渡すふりをする。
私は、それを受け取るふりをし、言う。
「ありがとう。これで元気がでてきた。」
これで完結。

完結なのだけれど...
「かぁさん、えーん、えーんって言って。」
なかなか完結しないのだ、これが。
何度も何度もやりたがる。
朝から晩まで、何回でもやりたがる。
何度も何度もやっていると、いいかげん、めんどくさくなる。
というわけで、
「おなかがすいて動けないの。」というのをやめて
「おなかが痛くて動けないの。」と言ってみる。
でも...
「じゃー、なっちゃんの顔をあげる。」
(なんでやねん!)
菜月の応対は変らない。
実にマイペースだ。


「ありがとう。これで元気が出てきた」

(菜月、3歳5ヶ月)



「えーん、えーん」

(菜月、3歳6ヶ月)


アンパンマンは、顔がアンパンでできているので、水に弱く、顔が水にぬれると力が出なくなる。
そこで、ジャムおじさんが、新しいアンパンを焼いて、アンパンマンの顔を新しい顔に取りかえるのだけれど...この場面も気にいっている。
アンパンマンのボールを突然投げつけてきては、
「それ、新しい顔よ、アンパンマン!」
日々そればかり。
痛いっちゅうねん。
しかも、それだけならまだしも、
「かぁさん、顔がぬれて力がでない。なっちゃんも新しい顔にして〜。」
無理な注文もふっかける。
そして、
「おばあちゃん、パトロールに行ってきて。」
人にもやらせたがる。
そして、じゃーパトロールに行ってくると言って、そのへんを歩き回ると、
「ちがうの!ちゃんと飛んで行って。」
「.....」
無理難題が多すぎる。
ここまでくると、病気としか言いようがない。


おふろでは、

「髪をバイキンマンにしてぇ〜」


(菜月、3歳4ヶ月)


そういう菜月は、というと、アンパンマンのハンカチを背中にはさんでマントがわりにしては、ソファの背に横になり、飛んでる真似をしては、日々パトロールにはげんでいる。
「はいはい、もういいから、マント外してお風呂へ行くよ。」
と、背中のハンカチを剥ぎ取れば、
「これじゃぁ、空も飛べない。」
とへたりこむ。
そして、おふろで、顔を拭いてやれば、
「顔がぬれて、力がでない...」
とのたまう。
どうしてくれよう、いったい...(−_− )( −_−)


今日もパトロールにはげむ菜月

(菜月、3歳2ヶ月)



(菜月、3歳5ヶ月)


菜月、3歳と6ヶ月。
「アンパンマンとかぁさんとどっちが好き?」
と聞けば、間髪いれず
「アンパンマン!」
(もうちょっとは躊躇せぇっちゅうねん。)

そして、
「じゃー、カレーパンマンとかぁさんはどっちが好き?」
と聞けば、10秒ほどじっくり考えて、
「.....かぁさん。」
(そんなに考えるなっちゅうねん。)

「じゃー、カレーパンマンと食パンマンは?」
だんだん、むきになって聞く私も私、なのだけれど(^^ゞ
どうやら、かぁしゃんは、ただいま、食パンマンとの壮絶な3位争いを繰り広げているらしい今日この頃。


かぁさんもアンパンマンが

たくさん書けるようになりました。


(菜月、3歳5ヶ月)



顔がぬれて力がでないアンパンマン

(菜月、3歳4ヶ月)


お絵かき帳は、すべてアンパンマン

(菜月、3歳5ヶ月)


「あんぱーんち!」
今日も、朝から、こぶしが飛び交う。
「どんな遊びを喜びますか?」
3歳児検診の問診票の問いに、うーんとうなり、考える。
この事態を、いったいどう説明すればよいのだろうか...と。

菜月、3歳と6ヶ月。
どうしてくれよう、いったい...(−_− )( −_−)


アンパンマンのサンダル持って

「あ〜んパーンチ!」

(菜月、3歳6ヶ月)