遊び


幼稚園に行くようになると、遊びがかわる。
まず最初にするようになるのが、『幼稚園ごっこ』だ。
子供というものは、実に実に、よく先生のすることを見ているもんだと感心する。
幼稚園から帰ってくると、おばあちゃん相手に、絵本を読んで聞かせるまねをして
「はい終わり。ありがとうございましたは?」
おばあちゃんが、ぱちぱちと拍手すると、
「ぱちぱちじゃなくて、『ありがとうございました』って言うんよ。」
そして、
「はい、今日は、終業式だったね。みんな、よくがんばったね。」
と先生になりきる。


おばあちゃん相手に、

幼稚園の先生になりきる菜月

(菜月、4歳3ヶ月)


友達の家に遊びに行っても、同じくらいの子をそろえて、
「はいはい、みんな、ちゃんと並んで並んで。」
と『幼稚園ごっこ』が始まる。
ほほえましい光景だと思って、こっちが見ているのを気づかれないように、そっと観察していると、
「はい、じゃー、ちゃんと並んだら...みんなで、合掌。」
「礼拝!」
そう、菜月の通う幼稚園は、浄土真宗系の幼稚園であり(と言っても、そんなに、宗教色が強いわけでもないのだけれど)月に1度、礼拝というのがあり、それは、けっこう、子供にとっては、印象的なことなのかもしれない。
さっそく「ごっこ」遊びに取り入れられている。
にしても...
「礼拝!」
の声で、小さな子供が、神妙な面持ちで、手をあわせて、頭をふかぶかと下げている姿は、実におかしい。


みんな同じ幼稚園

(菜月、4歳8ヶ月)



この『幼稚園ごっこ』がひと段落したと思ったら、今度は、
「かぁさん、今日は、『家族ごっこ』をしよう。」
どうやら、今度は、そういう遊びが幼稚園では、ブームらしく...
「なっちゃんが、お母さんで、お母さんがお姉ちゃんで、貴裕君がバブちゃん(赤ちゃんのことらしい)ね。」
と役割を決めて、それを演じるのだけれど...
幼稚園から帰ってくると、毎日、毎日、毎日、毎日...
さすがに飽きる(^^;;;
そこで、
「かぁさん、いつも、『お姉ちゃん』だから、今日は、別のがいいな。」
と言うと、
「そっか、わかった。じゃぁ、かぁさんは、『お父さん』で、貴裕君が『お母さん』。なっちゃんが『お姉ちゃん』ね。」
ようやく、役柄を変えてもらえたのはいいのだけれど...
その配役を決めた時点で、遊びは終わったりする。
だって...
貴裕、1歳9ヶ月。
彼は、まだしゃべらない。
貴裕に『お母さん』役は、ちょっと無理ではないだろうか、菜月(^^;;;


一緒にお絵かきしてます。

(菜月、生後4歳11ヶ月

貴裕、1歳10ヶ月)



幼稚園では、先生からも、いろんな遊びも習ってくる。
そして、帰ってくると、
「今日ねぇ、みんなで、おもしろいことしたんだよ。教えてあげようか?」
とさっそく教えてくれるのはいいんだけれど...
「みんなで手をつないでね、『はないちもんげ』って言うの。」
ちょっと間違っているぞ、菜月(^^;;;

「こうやってやるんだよ。見てて。かぁさんもやってみようよ、はないちもんげ。」
いやいや間違っているぞ、菜月(^^;;;
それを言うなら、「はないちもんげ」じゃなくて、「はないちもんめ」だ。

でも、次の日には...
「か〜もめ、かもめ、かーごの中のとおりは...っていうの、知ってる?かぁさん?」
やはり、ちょっと間違っているぞ、菜月(^^;;;
それを言うなら、「かもめ」じゃなくて、「かごめ」だ。


幼稚園の参観日で。

(菜月、4歳11ヶ月)



「じゃんけん」も、幼稚園に入ってから、さかんにするようになる。
けれど、そのルールがよくわかっていなかったりするので、おかしい。
近所のお友達のところに遊びに行った時のこと。
菜月、千紗ちゃん、喜子ちゃんと、同じ幼稚園の年少さんが、なにやら、何かをする順番を決めていたのだけれど...

まず、千紗ちゃんが
「じゃー、誰がやるか、じゃんけんで決めようか?」
と言い出す。
菜月「うん」
喜子ちゃん「うん」
とそこまではいいのだけれど...

千紗ちゃん「じゃー、喜子ちゃん、何だす?」
喜子ちゃん「ぱー。」
千紗ちゃん「じゃー、なっちゃんはグー?」
菜月「うんう、チョキ。」
なぜか、じゃんけんの前に、すでに、出すものが決まっていたりする。

そして、
千紗ちゃん「じゃー、じゃんけんするよ。じゃんけんぽん!」
もちろん、菜月が「チョキ」で喜子ちゃんが「グー」
ところが、
「えぇっと、えぇっと...はい、両方の勝ちぃ〜!」
と、こういう結果になる。

でも、誰もルールがわかってないもんだから、なんとなく、菜月も、喜子ちゃんも、そうなのかとうなずき、審判員の千紗ちゃんはというと、
「じゃー、勝ったほうが、これを2回やるんよ。で、負けた人が、これを2回。わかった?」
これまた、勝っても負けても、結果に差はなかったりするのだ。

そして、よくわからないルールだけれど、誰も意義はないらしい(^^ゞ
会話を聞いていると、ほんとにおもしろい(^◇^)




はじめての運動会

(菜月、4歳6ヶ月)


そうそう、最近しきりにやりたがる菜月の『しりとり』」も、むちゃくちゃ独自ルールだ。
まず
「かぁさん、『しりとり』しようか?なっちゃんに『あ』から始まるもの、なんだって聞いて?」
と始まる。
「『あ』で始まるものな〜んだ?」
と聞くと、
「あり!」
と言う。そこまではいいのだけれど、
「じゃぁ、かぁさん、次は、『す』から始まるもの、なんだって聞いて?」
そこで終わるのだ。
ぜんぜん、『しりとり』になっていない。


同じバス停のお友達

(菜月、4歳9ヶ月)
そこで、
「ねぇ、かぁさんと交代で言おうよ。」
と言うと、
「いいよ。じゃぁ、『あり』!次は、かぁさんね。」
と言うので、
「り・す!」
と答えると、
「ピンポーン、あたり!」
なぜか、お褒め預かる。
そして、そこで終わる。
やはり、ぜんぜん、『しりとり』になっていない。

しかも、
「次は、『りす』だから、次は『す』よ、なっちゃん。『す』のつくものな〜んだ?」
と無理やり続けようとすると、
「えぇっとねぇ、えっとねぇ、....か・ら・す・の・す!(からすの巣)」
『しりとり』にすらならなくなっていくのだった(^^;;;


そして、今のマイブームは『クイズ』。
「かぁさん、何かクイズ出してよ。動物クイズだよ。」
と言うので、
「チューチュー鳴く動物、な〜に?」
と聞けば、間髪いれず、元気に答えが返ってくる。
「たこ!」
(ちゅーちゅーたこかいなってか?!)
センスはいいが(ほんとにいいのか?)、たこは、チューチューは鳴かない。(たぶん)

そして、
「じゃぁ、今度はなっちゃんよ。かぁさん、いい?なっちゃんがクイズするから、ちゃんと答えてよ。」
と言って、少し考えた後、
「ぴょんぴょん鳴くうさぎは、な〜に?」
菜月のクイズは、質問しながら、同時に、自分で答えも言っていたりする(^^;;;
しかも、うさぎは、「ぴょんぴょん」は鳴かない。(たぶん)
ぴょんぴょん飛ぶのだ、菜月。


最近では、幼稚園の友達と、勝手に遊ぶ約束をとりつけてきたりする。
「今日、みれいちゃんが遊びに来てって。」
「.....」
「そんなこと急に言われても、いけないでしょ?」
と言うと、
「だって、みれいちゃんは、今日いいって言ってたよ。」
いや、みれいちゃんがいいって言っても...(^^;;;
というわけで、
「だって、かぁさん、みれいちゃんち、どこか知らないからいけないよ。今度、みれいちゃんに、おうちどこか聞いてきて。」
と、なんとかかわすと、
「そうか...」
神妙な顔で、納得するのだけれど...

次の日。
幼稚園から帰ってくるなり、
「かぁさん、みれいちゃんちは、『広島』にあるんだって。みれいちゃんがそう言ってた。みれいちゃんち、わかった?」
うれしそうに報告してくれる。
実に誇らしげな菜月の顔を見ると、ここもあそこも、このあたり一帯は、どこもかしこもみ〜んな「広島」なのだとは、とても言えない(^^;;;


3月に雪が降りました。

(菜月、生後4歳11ヶ月

貴裕、1歳10ヶ月)



菜月は、まだ字は書けないのだけれど、たまに、字を書けるようになった友達から手紙をもらってきたりもする。
でも、やっとなんとか形になったか、ならないかの、あやしげなひらがな。
解読困難な場合が多い。
それを
「おばあちゃん、かなちゃんからお手紙もらったんだよ。なんて書いてあるか読んで。」
と持って帰ってくるのだけれど...「えぇっと、たにぐちなつきちゃん...と、かな...お、.....なんだろ?あとわかんわ。あ、かな?」
と、おばあちゃんがつまっていると、
「もういい!お母さんに読んでもらうから。おばあちゃんは、字が読めないんでしょ!」
とのたまう。
実に失礼きわまりない(T_T)


最近、ひらがなを書き始めました。

(菜月、4歳10ヶ月)


菜月、4歳11ヶ月。
幼稚園に入ってはや1年。
1人遊びから、だんだんみんなで遊ぶことの楽しさがわかってきた今日この頃。
「ちょっとぉ、ちゃんと並んでって言ってるでしょぉ。言うこと聞きなさい!」
帰ってくると、貴裕を従えて、一緒に遊ぼうとするのだけれど...
貴裕、1歳10ヶ月。
彼にそれを望むのは、まだ時期尚早であろうと思われる今日この頃(^^;;;


「貴裕君、ちゃんと前見て〜」

(菜月、4歳9ヶ月

貴裕、1歳8ヶ月)