債権法改正 要綱仮案 情報整理

第10 履行請求権等

2 履行の強制(民法第414条関係)
(1) 民法第414条第1項関係

 民法第414条第1項の規律を次のように改めるものとする。
 債務者が任意に債務の履行をしないときは、債権者は、民事執行法その他強制執行の手続に関する法令の規定に従い、直接強制、代替執行、間接強制その他の方法による履行の強制を裁判所に請求することができる。ただし、債務の性質がこれを許さないときは、この限りでない。

中間試案

3 履行の強制(民法第414条関係)
  民法第414条の規律を次のように改めるものとする。
 (1) 債権者が債務の履行を請求することができる場合において,債務者が任意に債務の履行をしないときは,債権者は,民事執行法の規定に従い,直接強制,代替執行,間接強制その他の方法による履行の強制を裁判所に請求することができるものとする。ただし,債務の性質がこれを許さないときは,この限りでないものとする。
 (2) 上記(1)は,損害賠償の請求を妨げないものとする。

(概要)

 本文(1)は,債権の基本的効力の一つとして,国家の助力を得て強制的にその内容の実現を図ることができること(履行の強制)を定めるものである。民法第414条第1項の規定内容を基本的に維持しつつ,実体法と手続法を架橋する趣旨で,履行の強制の方法が民事執行法により定められる旨の文言を付加している。また,同項ただし書は維持するものとしているが,これは,直接強制が許されない場合(同条第2項参照)という意味ではなく,債務の性質上,強制的な債務内容の実現になじまない場合(例として,画家の絵を描く債務等が挙げられる。)を意味するものである。
 本文(2)は,民法第414条第4項の規定内容を維持するものである。

赫メモ

 規律の趣旨は、中間試案概要と同じである。

現行法

(履行の強制)
第414条 債務者が任意に債務の履行をしないときは、債権者は、その強制履行を裁判所に請求することができる。ただし、債務の性質がこれを許さないときは、この限りでない。

斉藤芳朗弁護士判例早分かり