債権法改正 要綱仮案 情報整理

第15 債権者代位権

5 相手方の抗弁

 相手方の抗弁について、次のような規律を設けるものとする。
 債権者が1により債務者に属する権利を行使したときは、相手方は、債務者に対して主張することができる抗弁をもって、債権者に対抗することができる。

中間試案

6 代位行使の相手方の抗弁
 前記1の代位行使の相手方は,債務者に対する弁済その他の抗弁をもって,債権者に対抗することができるものとする。

(概要)

 代位行使の相手方(第三債務者)が債務者に対して有する抗弁を代位債権者に対しても主張することができるとするものであり,判例法理(大判昭和11年3月23日民集15巻551頁)を明文化するものである。債権者代位権に基づいて行使される被代位権利が債務者の第三債務者に対する権利であることによる当然の帰結でもある。

赫メモ

 規律の趣旨は、中間試案概要のとおりである。

現行法


斉藤芳朗弁護士判例早分かり

【第三債務者は,債務者に対する反対債権による相殺を主張することができる】大判昭和11年3月23日判決・民集15巻551頁
 AがBに対する債権に基づき,BのCに対する債権を代位行使したところ,CがBに対する債権との相殺を主張した。
 第三債務者は,たまたま代位債権者が債務者の権利を行使したというだけで本来有する相殺権を不当に奪われてしまうのは不当であるため,債務者に対する反対債権による相殺を主張することができる。