債権法改正 要綱仮案 情報整理

第18 保証債務

5 根保証
(3) 求償権についての保証契約(民法第465条の5関係)

 民法第465条の5の規律を次のように改めるものとする。
ア 保証人が法人である根保証契約において、(1)アの極度額の定めがないときは、その根保証契約の保証人の主たる債務者に対する求償権についての保証契約(保証人が法人であるものを除く。)は、その効力を生じない。ただし、その求償権についての保証契約が根保証契約であるときは、この限りでない。
イ 保証人が法人である根保証契約であってその主たる債務の範囲に貸金等債務が含まれるものにおいて、元本確定期日の定めがないとき、又は元本確定期日の定め若しくはその変更が民法第465条の3第1項若しくは第3項の規定を適用するとすればその効力を生じないものであるときは、その根保証契約の保証人の主たる債務者に対する求償権についての保証契約(保証人が法人であるものを除く。)は、その効力を生じない。

中間試案

5 根保証
 (1) 民法第465条の2(極度額)及び第465条の4(元本確定事由)の規律の適用範囲を拡大し,保証人が個人である根保証契約一般に適用するものとする。
 (2) 民法第465条の3(元本確定期日)の規律の適用範囲を上記(1)と同様に拡大するかどうかについて,引き続き検討する。

(概要)

…なお,民法第465条の5(求償権の保証)については,本文(1)(2)の検討を踏まえた所要の見直しを行うことになると考えられる。

赫メモ

 要綱仮案(3)アは、要綱仮案(1)において個人根保証契約一般について極度額の定めによる保証人保護が必要であるという判断をすることから、個人を保証人とする求償権保証契約一般についても同様の趣旨を及ぼすものである。もっとも、保証人の主たる債務者に対する求償権についての保証契約が根保証契約であるときは、要綱仮案(1)が適用される結果としてその求償権についての根保証契約に極度額の定めがあれば、保証人保護が図れることから、当該保証契約が根保証契約でないものに限り、もともとの根保証契約に極度額の定めを要求している。
 要綱仮案(3)イは、民法465条の5のうち、元本確定期日の定めがあること、それが同法465条の3第1項、3項の規律に適合していることに関する部分の規律を維持するものである。

現行法

(保証人が法人である貸金等債務の根保証契約の求償権)
第465条の5 保証人が法人である根保証契約であってその主たる債務の範囲に貸金等債務が含まれるものにおいて、第四百六十五条の二第一項に規定する極度額の定めがないとき、元本確定期日の定めがないとき、又は元本確定期日の定め若しくはその変更が第四百六十五条の三第一項若しくは第三項の規定を適用するとすればその効力を生じないものであるときは、その根保証契約の保証人の主たる債務者に対する求償権についての保証契約(保証人が法人であるものを除く。)は、その効力を生じない。

斉藤芳朗弁護士判例早分かり