債権法改正 要綱仮案 情報整理

第20 有価証券

1 指図証券
(4) 指図証券の弁済の場所、証券の提示による履行遅滞及び債務者の調査の権利等

 民法第470条を削除し、これに代えて、指図証券の弁済の場所、証券の提示による履行遅滞及び債務者の調査の権利等について、次のような規律を設けるものとする。
ア 指図証券の弁済は、債務者の現在の住所においてしなければならない。
イ 指図証券の債務者は、その債務の履行について期限の定めがあるときであっても、その期限が到来した後に所持人がその証券を提示してその履行の請求をした時から遅滞の責任を負う。
ウ 指図証券の債務者は、その証券の所持人並びにその署名及び押印の真偽を調査する権利を有するが、その義務を負わない。ただし、債務者に悪意又は重大な過失があるときは、その弁済は、無効とする。

中間試案

1 指図証券について
 (2) 指図証券の弁済の場所,履行遅滞の時期及び債務者の免責については,現行法の規律(商法第516条第2項,第517条,民法第470条)と同旨の規律を整備する。


(概要)

 (2) 本文1(2)は,指図証券の弁済の場所,履行遅滞の時期及び債務者の免責に関する現行法の規律(商法第516条第2項,第517条,民法第470条)と同旨の規律を整備するものである。

赫メモ

 規律の趣旨は、中間試案概要のとおりである。

現行法

(指図債権の債務者の調査の権利等)
第470条 指図債権の債務者は、その証書の所持人並びにその署名及び押印の真偽を調査する権利を有するが、その義務を負わない。ただし、債務者に悪意又は重大な過失があるときは、その弁済は、無効とする。

商法
(債務の履行の場所)
第516条 …
2 指図債権及び無記名債権の弁済は、債務者の現在の営業所(営業所がない場合にあっては、その住所)においてしなければならない。

(指図債権等の証券の提示と履行遅滞)
第517条 指図債権又は無記名債権の債務者は、その債務の履行について期限の定めがあるときであっても、その期限が到来した後に所持人がその証券を提示してその履行の請求をした時から遅滞の責任を負う。

斉藤芳朗弁護士判例早分かり