債権法改正 要綱仮案 情報整理

第20 有価証券

3 指図証券及び記名式所持人払証券以外の記名証券

 1及び2以外の記名証券について、次のような規律を設けるものとする。
(1) 債権者を指名する記載がされている証券であって指図証券及び記名式所持人払証券以外のものは、債権の譲渡又はこれを目的とする質権の設定に関する方式に従い、かつ、その効力をもってのみ、譲渡し、又は質権の目的とすることができる。
(2) 1(5)の規定は、(1)の証券について準用する。

中間試案

3 1及び2以外の記名証券について
 (1) 債権者を指名する記載がされている証券であって,指図証券及び記名式所持人払証券以外のものは,債権の譲渡又はこれを目的とする質権の設定に関する方式に従い,かつ,その効力をもってのみ,譲渡し,又は質権の目的とすることができるものとする。
 (2) (1)の証券の公示催告手続については,1(3)に準じた規律を整備する。

(概要)

 本文3(1)は,指図証券及び記名式所持人払証券以外の記名証券の譲渡又は質入れの効力要件及び第三者対抗要件については,手形法第11条第2項の裏書禁止手形と同様の見解の対立があり,特定の見解を採用することは困難であることから,同項と同様の規定振りとする一方で,指図証券,記名式所持人払証券及び無記名証券と異なり,権利の推定,善意取得及び抗弁の制限に関する規律を設けないことにより,証券の法的性質を明らかにする趣旨のものである。また,本文3(2)は,公示催告手続について,指図証券等に準じた規律を整備するものである。
 もっとも,指図証券及び記名式所持人払証券以外の記名証券については,その性質上,有価証券に当たらないとする考え方もあり得ることから,本文3の規律を設けるべきでないという考え方を(注)で取り上げている。

赫メモ

 規律の趣旨は、中間試案概要のとおりである。

現行法

手形法
〔当然の指図証券性〕 
第11条 …
A振出人ガ為替手形ニ「指図禁止」ノ文字又ハ之ト同一ノ意義ヲ有スル文言ヲ記載シタルトキハ其ノ証券ハ指名債権ノ譲渡ニ関スル方式ニ従ヒ且其ノ効力ヲ以テノミ之ヲ譲渡スコトヲ得

斉藤芳朗弁護士判例早分かり