第23 弁済
民法第499条及び第500条の規律を次のように改めるものとする。
ア 債務者のために弁済をした者は、債権者に代位する。
イ 民法第467条の規定は、アの場合について準用する。
ウ 弁済をするについて正当な利益を有する者は、弁済によって当然に債権者に代位する。
10 弁済による代位
(1) 任意代位制度(民法第499条関係)
民法第499条第1項の規律を改め,債権者の承諾を得ることを任意代位の要件から削除するものとする。
(注)民法第499条を削除するという考え方がある。
任意代位の要件から,債権者の承諾を削除するものである。弁済を受領したにもかかわらず,代位のみを拒絶することを認めるのは不当であるから,代位について債権者の承諾を要件とする必要はないという考慮に基づくものである。
もっとも,法定代位をすることができる者を除いて第三者による弁済は制限されているにもかかわらず,このような第三者による弁済を積極的に奨励する趣旨の任意代位制度を存置するのは制度間の整合性を欠くので,この制度を廃止すべきであるとの考え方もあり,これを(注)で取り上げた。
規律の趣旨は、中間試案本文に関する中間試案概要と同じである。
(任意代位)
第499条 債務者のために弁済をした者は、その弁済と同時に債権者の承諾を得て、債権者に代位することができる。
2 第四百六十七条の規定は、前項の場合について準用する。
(法定代位)
第500条 弁済をするについて正当な利益を有する者は、弁済によって当然に債権者に代位する。