債権法改正 要綱仮案 情報整理

第25 更改

2 債務者の交替による更改(民法第514条関係)

 民法第514条の規律を次のように改めるものとする。
(1) 債務者の交替による更改は、債権者と更改後に債務者となる者との契約によってすることができる。この場合において、更改は、債権者が更改前の債務者に対してその契約が成立した旨を通知することによって、その効力を生ずる。
(2) (1)の規定により債務者となった者は、更改前の債務者に対して求償権を取得しない。

中間試案

2 債務者の交替による更改(民法第514条関係)
  民法第514条の規律を改め,債権者,債務者及び第三者の間で,従前の債務を消滅させ,第三者が債権者に対して新たな債務を負担する契約をしたときも,従前の債務は,更改によって消滅するものとする。

(概要)

 本文は,債務者の交替による更改をすることができるとする民法第514条を存置しつつ,更改によって債務が消滅するという重大な効果が生ずることを認めるには,三当事者の全員が更改を成立させる意思を有する場合に限定すべきであるという問題意識に基づき,債権者,債務者及び第三者の三者間の合意を成立要件とするものである。また,本文は,更改の成立に更改の意思が必要であるという判例・学説を明文化することを意図する点において,前記1と同様である。

赫メモ

 要綱仮案は、債務者の交替による更改について、免責的債務引受けの要件効果と平仄を合わせた規律を設けるものである。具体的には、債務者の意思に反してはならないという要件を廃止し、公開前の債務者への通知を効力発生要件とし、求償権の不発生を明記するものである。中間試案における三者合意とする考え方に対しては、パブリック・コメントで批判が多かったことから、採用されなかった。

現行法

(債務者の交替による更改)
第514条 債務者の交替による更改は、債権者と更改後に債務者となる者との契約によってすることができる。ただし、更改前の債務者の意思に反するときは、この限りでない。

斉藤芳朗弁護士判例早分かり