債権法改正 要綱仮案 情報整理

第33 賃貸借

9 減収による賃料の減額請求等(民法第609条・第610条関係)

 民法第609条及び第610条を削除するものとする。

中間試案

9 減収による賃料の減額請求等(民法第609条・第610条関係)
  民法第609条及び第610条を削除するものとする。

(概要)

 減収による賃料の減額請求について定める民法第609条,減収による解除について定める同法第610条の各規定を削除するものである。これらの規定は戦後の農地改革以前の小作関係を想定したものであるが,現在は農地法第20条(借賃等の増額又は減額の請求権)があるため,上記各規定は実質的にはその機能を失っているとの指摘がある。また,上記各規定は,不可抗力によって賃料より少ない収益を得たことのみを要件として賃料の減額請求や解除を認めているが,農地法第20条や借地借家法第11条のように賃料の額が経済事情の変動により不相当となったことや近傍類似の土地の賃料に比較して不相当となったこと等を考慮することなく,収益が少なかったことのみをもって賃料の減額請求や解除を認めるのは相当でないとの指摘もある。本文はこれらの指摘を踏まえたものである。

赫メモ

 中間試案と同じである(中間試案概要、参照)。

現行法

(減収による賃料の減額請求)
第609条 収益を目的とする土地の賃借人は、不可抗力によって賃料より少ない収益を得たときは、その収益の額に至るまで、賃料の減額を請求することができる。ただし、宅地の賃貸借については、この限りでない。

(減収による解除)
第610条 前条の場合において、同条の賃借人は、不可抗力によって引き続き二年以上賃料より少ない収益を得たときは、契約の解除をすることができる。

斉藤芳朗弁護士判例早分かり