第38 寄託
民法第６６２条の規律を次のように改めるものとする。
当事者が寄託物の返還の時期を定めたときであっても、寄託者は、いつでもその返還を請求することができる。この場合において、寄託者がその時期の前に返還を請求したことによって受寄者に損害が生じたときは、受寄者は、その損害の賠償を請求することができる。
８ 寄託者による返還請求（民法第６６２条関係）
民法第６６２条の規律に付け加えて，有償の寄託について，同条による返還の請求によって受寄者に損害が生じたときは，寄託者は，その損害を賠償しなければならないものとする。
民法第６６２条は，当事者が寄託物の返還の時期を定めたときであっても，寄託者は，いつでもその返還を請求することができるとするが，これによって受寄者に生じた損害を賠償しなければならないことについては，争いがない。本文は，このような異論のない解釈を明らかにするものであり，前記１(1)イ第２文と同様の趣旨である。
中間試案からの変更はない（中間試案概要、参照）。
（寄託者による返還請求）
第662条 当事者が寄託物の返還の時期を定めたときであっても、寄託者は、いつでもその返還を請求することができる。