債権法改正 要綱仮案 情報整理

第6 条件及び期限

1 効力始期の新設及び期限の概念の整理
(1) 効力始期の新設

  効力始期について、次のような規律を設けるものとする。
 ア 法律行為に効力始期を付したときは、その法律行為の効力は、期限が到来した時から生ずる。
 イ 民法第128条及び第129条の規定は、効力始期について準用する。

中間試案

2 期限
  期限に関する民法第135条から第137条までの規律は,基本的に維持した上で,次のように改めるものとする。
 (2) 民法第135条第1項の規律を次のように改めるものとする。
  ア 法律行為に始期を付したときは,その法律行為の効力は,期限が到来した時に発生するものとする。

(概要)

 本文(2)は,民法第135条第1項が債務の履行期限を定めたものか,法律行為の効力発生に関する期限を定めたものか判然としないことから,その規定内容の明確化を図るものである。本文(2)アでは法律行為の効力発生に関する期限について定め,同イでは債務の履行期限について定めている。このほか,同項の「始期」という用語も多義的であるため,これを同アでは「効力発生期限」か「停止期限」などと改め,同イでは「履行期限」などと改めることも検討課題となり得る。その際には,同条第2項の「終期」という用語についても「効力消滅期限」か「解除期限」などと改めることが考えられる。

赫メモ

 規律の趣旨は、中間試案2(2)アに関する中間試案概要と同じである。効力始期の用語については、部会資料66A、50頁から採用された。

現行法

(期限の到来の効果)
第135条 法律行為に始期を付したときは、その法律行為の履行は、期限が到来するまで、これを請求することができない。

(条件の成否未定の間における相手方の利益の侵害の禁止)
第128条 条件付法律行為の各当事者は、条件の成否が未定である間は、条件が成就した場合にその法律行為から生ずべき相手方の利益を害することができない。

(条件の成否未定の間における権利の処分等)
第129条 条件の成否が未定である間における当事者の権利義務は、一般の規定に従い、処分し、相続し、若しくは保存し、又はそのために担保を供することができる。

斉藤芳朗弁護士判例早分かり