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SFと私
◆第二回:SF者を怖れた日(98/10/**)
    もう少し具体的に書いてみます(第一回目の文章の背景説明と云った方が良いかもしれません)。

    小学生(4・5年生だったかな)の頃、私はドラえもんとウルトラシリーズと松本アニメ(主に999)とザンボット3が大好きな少年でした。そして私は、そんな自分のことをSF好きだと思っていました。なぜなら自分が好きになるTV番組や漫画の殆どが、ロボットや宇宙人やタイムマシンなどのSF的小道具が前面に登場する作品だったからです。

    SF好きを自認した私は、自分が楽しめる作品を求め、身の回りのSF(と、当時自分が考えた)本を読み漁りました。といっても、その多くは漫画、もしくはアニメをノベライズ化したものです。一応「鋼鉄都市」「われはロボット」等の海外SF小説にも手を染めたのですが(小学校の図書館にあった)、”これはこれで面白いけれど、自分の読みたいSFとは違う”という理由で、数冊をもって読み進めるのをやめちゃいました(派手なアクションが無かったってのが、乗り切れなかった最大の理由だったように記憶しています)。この時私は、SFにも色々あるんだな、長い間に分化してきたのだなと思ったものです。

    さて、それから数年後。中学生になった私は、”SFアニメ”にどっぷり漬かった毎日を送っておりました。ここで云う”SFアニメ”とは、ガンダムやイデオンやマクロスのことです。もちろんこの時の私も、自分のことをSF好きと信じていました。疑う余地はありません。なんたって、宇宙でロボットが戦うような物語ばかり好きになっているわけですから(笑)。”SFファンじゃない可能性”など考えたこともなかった、というのが正確でしょう。そんな時期にであったのが、ガンダムはSFじゃない@高千穂発言だったのです(古本屋で購入した月刊OUT<昭和56年2月号(みのり書房)>に掲載されていた)。

    衝撃でした。ガンダムはSFじゃないと書かれていたことが衝撃だったのではありません。その記事から私が読み取った高千穂氏の指摘、「あなたはSFファンじゃない」という指摘に衝撃を受けたのです。

    「ガーン。俺はSFファンじゃなかったのか」って感じでした。高千穂氏の言によれば、私は巨大ロボットアニメファンとか宇宙戦艦アニメファンと称すべき存在らしいのです。しかも、SFファンはSFじゃないものをSFと云われることを、とても嫌っているようです。ということは、SFじゃないものをSFと思ってSFファンを名乗っている人のことも、当然快くは思っていないでしょう。

    この時私は決意したのです。嫌がる人がいるのなら、SFファンを名乗るのはやめようと。また、「SFを好きだ」と云うのも、できればSFとSFじゃないものの区別が付くようになってからにしよう、即ちSF作品の”SF”の部分を楽しめるようになってからにしようと。

    それから15年。いまだ私はSFファンを名乗っておりません。SFと非SFの区別がつきませんから。SFファンになるために、古典や話題の書を買い込んだり、SF研に入ろうとしたこともあるんですけどね。駄目です。幾度も挫折。SF小説って、よく眠れるんだわ(おーい)。今は、目指してなるようなもんじゃないと思ってます。

    ただ、SFファンを名乗りたくなるとき、SFファンの集う場に参加したいときってあるんですよねってのは、前回発言した通りです。

    ■SFファンと名乗った者勝ちなのか
    そうかもしれませんが、面倒だからいいです。

    SFファンを名乗ることに伴って、不愉快な思いをする(させる)可能性というか、リスクを引き受けざるを得ないのならば、わざわざそれを名乗ろうとは思いません。あなたの好きなのはSFじゃないと云われたときに、仰るとおりですとしか云えない自分が想像できますし。何故そうとしか云えないのか?SFの人の、SFに対する自信に圧倒されているからかもしれませんね。

    みのうらゲストブックにLudens@古川さんとNOMADさん宛のRESとして掲示したものを転載/一部改)