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MacでPalmware

 世の中はすっかりインターネット時代。これだけフリーウェア、シェアウェアなどが溢れている中、「プログラミングというやつをしてみたいなぁ」と密かに思っておられるマックユーザーも多いと思います。そのような日曜プログラマ予備軍(私含む)の悩みの一つとして、

開発環境は金がかかる

というのがあると思います。UNIXやWindozeではいろいろなフリーウェアがあるのにどうしてMacでは全然ないのか日頃悔しい思いをしておられる方が多いのではないでしょうか。シェアウェアならともかく、フリーウェアをつくるためにお金を使うのはなんか変ですよね。Palmwareも例外ではなく、Palm Computingのホームページを見るとUNIX, Windozeではフリーのprc-toolsというものがあるのに、Macには有料のCode Warriorしかないようです。無料お試し版はありますが、これでは再配布ができません。しかし、工夫次第ではMacでフリーで開発環境を構築することが可能です。いくつか方法がありますので、以下に列挙します。基本的にはMacにUNIXになってもらおうというやり方です。

Mac OS 9以前のOSを使う場合(初級〜中級向け)

Mac OS Xを使う場合(初級〜中級向け)

他のOS(Linuxなど)を新たにインストールする場合(中級〜上級向け)


Mac OS 9以前のOSを使う場合(初級〜中級向け)

 この方法では、MacMiNTというソフトを使います。Mac上でUNIXもどきのOSを走らせるものです。UNIXエミュレータのようなものだと考えて下さい。注意点として、このソフトはOS Xでは動きません。Classicが強制終了してしまいます。OS 9以前のOSで使って下さい。これはアプリケーションなので、Linuxなど別のOSを使う方法と違い、MacOS上で全ての作業ができます。コマンドはUNIXのものを使いますから、ファイル操作など最低限のUNIXの知識が必要ですが、Palmwareをつくるだけだったらそれほど高度な知識はいりません。Web上にいろいろな初心者向けのページがあるので探してみましょう。LinuxやOS XのTerminalなど使われている方はその知識が役立つでしょう(Linuxでktermを立ち上げるのと同じ様な感覚です)。これでMacでprc-toolsが使えるようになります。

 まず、ほしさんのMacMiNTのページでMacMiNTおよびprc-toolsを入手します。最低限必要なファイルは、MacMiNT本体、日本語パッチをあてたJet、prc-toolsです。また、カラーを使いたい方はPilRC 2.6も必要です。モノクロで良いなら付属のPilRCのままでもかまいません。ダウンロード、ファイルの展開、インストールなどは注意点や少々こみいった手順があります。が、詳細な解説があるのでその通りにやれば問題なくインストールできるでしょう。このprc-toolsはSDKのバージョンが古いので、Palm OS 3.0のヘッダファイルも入手します(これも古いですが...)。PalmOSのページからSDK3.5(PalmOS 3.5用のSDK)を入手して、後述する方法でMacMiNTに対応させることもできます。

 クリエのジョグダイアル、ハイレゾなどに対応させたい場合は「クリエ」/DeveloperからSDKを入手します。

 ここで紹介するprc-toolsはバージョン0.5.0ベースなのでSDK3.5、ソニーのSDKに対応させるには一工夫が必要です。こちらにその方法を記述しました。

つくったPalmwareをいきなり実機にインストールするのは危険なので、PalmOSのページからエミュレータをダウンロードしましょう。使用前に実機からROMイメージを吸い出す必要があります。

 MacMiNTがつくったファイルはMacOS上ではBBEditというエディタの書類になります。フリーのLite版をここから入手しておけばクリエイターを変更しなくてもダブルクリックで書類を開けるようになります。ただし海外のソフトなので日本語の表示、入力はやや難ありです。

 これだけでも開発は始められますが、さらに開発に便利なものを集めましょう。

 なにもしないPalm用アプリケーションのソースを自動的につくってくれるPerlスクリプト、pilot-templateを使うと骨組のソースを自分で書く必要が無く楽です。このスクリプトを使う場合はMiNT付属のPerlはバージョンが古いので、Perl 5を入手しておく必要があります。(おまけ:PilRC 2.6および日本語に対応したMakefileを作ってくれるpilot-template 1.31jを作ってみました。ほんのちょっと変更しただけですが、PilRC 2.6と日本語を使う方はこちらをどうぞ。)

 MacMiNT用のアプリケーションは他にも、エディタのemacsとか、UNIXのコマンドの使い方を調べられるmanとか、日本語対応のlessとか便利なものがWebのあちこちに転がっているので興味のある方は探してみましょう。

 ソースを書くエディタは何を使っても構いませんが、MacMiNTでは改行コードはLF(UNIXで使われる)なので、できれば改行コードを変換できるものを使いましょう(YooEdit, Jeditなど)。私は関数や変数を自動的に色分けしてくれるミミカキエディットを愛用しています。なお、改行コードはMacMiNT上でも変換できます。文字コードはShiftJISのままでかまいません。

 PilRCでコンパイルできる画像フォーマットはBMP, PBM, XBMです。これらのフォーマットで保存できるアプリケーションでアイコンなどをつくりましょう(Graphic Converterなど)。

最後に


Mac OS Xを使う場合(初級〜中級向け)

 Mac OS Xは基本的にUNIXなのですが、Palm OSのページからダウンロードできるprc-toolsはそのままではコンパイルできません。prc-toolsを使えるようにする方法はいくつかありますが、もっとも簡単と思われるのはWATERMELONから入手する方法です。ここからPRC-Tools v.2.0 for MacOS X をダウンロードします。私はこのパッケージは使っていませんが、これだけでprc-toolsが使えるようになるようです。DevToolsを持っていない方はmakeも入手しておきましょう。

 ソースはテキストエディタで書きますが、改行コードはLF、日本語を使う場合は文字コードはShiftJISです。Terminalでemacsやviを使ってもいいでしょうし、miなどのエディタを使ってもいいでしょう。

 PilRCでコンパイルできる画像フォーマットはBMP, PBM, XBMです。これらのフォーマットで保存できるアプリケーションでアイコンなどをつくりましょう(Graphic Converterなど)。

 つくったPalmwareをいきなり実機にインストールするのは危険なので、PalmOSのページからエミュレータをダウンロードしましょう。Carbonアプリなので、OS Xで問題なく使用できます。使用前に実機からROMイメージを吸い出す必要があります。

最後に


他のOS(Linuxなど)を新たにインストールする場合(中級〜上級向け)

 Macで使えるLinuxはいろいろありますが、ここではVine Linuxを紹介します。このディストリビューションは無料であり(重要!)、日本語環境がはじめから整っており、インストールが簡単だからです。ただし、最新マシンはサポートされていないことが多いので、少し古めのマシンが良いでしょう。

 Vine LinuxのホームページからPPC用のファイルをダウンロードしてインストールして下さい。ここではインストールの方法は述べません。あとは、Linuxを起動してしまえば普通のLinuxと同じようにprc-toolsをそのままコンパイルできます。

 コンパイルの方法はPalmのページに書いてあります(英語ですが...)。必要なファイルはそのページから入手できます。

 また、POSE(PalmOS Emulator)も、UNIX用のソースからコンパイルできます。ただし、POSEをコンパイルする場合はあらかじめFLTKをインストールしておく必要があります。

最後に


最後に

 開発環境ができたら、Palmwareの作り方を学びましょう。リンクのページにチュートリアルのあるサイトなどを紹介しました。簡単なことからこつこつやれば必ずアプリケーションを作ることができるようになります。では頑張りましょう!

Happy Hacking !

E-mail <kyanagi@mui.biglobe.ne.jp>