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Last Update = 2019.10.21
2019年・即位の日前後の10連休と即位礼正殿の儀の行われる日の休日まとめ

2019年のゴールデンウィークは10連休!?
10連休は中止になる可能性もある!?

2019年のゴールデンウィークは10連休!?

 平成31年(西暦2019年)のゴールデンウィークは10連休になるという話題が世間を賑わわせていますね。これは、どういうことなのでしょうか。
 本来の今年のゴールデンウィークは、次の表のとおりです。

4月27日土曜日
4月28日日曜日
4月29日月曜日休日昭和の日国民の祝日に関する法律(昭和23年法律第178号)
第二条 「国民の祝日」を次のように定める。
  昭和の日 四月二十九日 激動の日々を経て、復興を遂げた昭和の時代を顧み、国の将来に思いをいたす。
第三条 「国民の祝日」は、休日とする。
4月30日火曜日
5月1日水曜日
5月2日木曜日
5月3日金曜日休日憲法記念日国民の祝日に関する法律(昭和23年法律第178号)
第二条 「国民の祝日」を次のように定める。
  憲法記念日 五月三日 日本国憲法の施行を記念し、国の成長を期する。
第三条 「国民の祝日」は、休日とする。
5月4日土曜日休日みどりの日国民の祝日に関する法律(昭和23年法律第178号)
第二条 「国民の祝日」を次のように定める。
  みどりの日 五月四日 自然に親しむとともにその恩恵に感謝し、豊かな心をはぐくむ。
第三条 「国民の祝日」は、休日とする。
5月5日日曜日休日こどもの日国民の祝日に関する法律(昭和23年法律第178号)
第二条 「国民の祝日」を次のように定める。
  こどもの日 五月五日 こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、母に感謝する。
第三条 「国民の祝日」は、休日とする。
5月6日月曜日休日いわゆる振替休日国民の祝日に関する法律(昭和23年法律第178号)
第三条
2 「国民の祝日」が日曜日に当たるときは、その日後においてその日に最も近い「国民の祝日」でない日を休日とする。

 このままだと4月27日から4月29日までの前半3連休と5月3日から5月6日までの後半4連休ですね。
 ここに、今年特有の事情で、皇位継承が関係してきます。
 現在の法令において、皇位継承は、皇室典範第4条に基づき、天皇が崩御(死亡)したときにされることになっています。

皇室典範(昭和22年法律第3号)
   第一章 皇位継承
第四条 天皇が崩じたときは、皇嗣が、直ちに即位する。

 ところが、「天皇の退位等に関する皇室典範特例法」が成立したことにより、その第2条の規定に基づいて、今上天皇陛下(現在の天皇陛下)は存命中に退位し、新天皇が即位する予定となりました。

天皇の退位等に関する皇室典範特例法(平成29年法律第63号)
 (天皇の退位及び皇嗣の即位)
第二条 天皇は、この法律の施行の日限り、退位し、皇嗣が、直ちに即位する。

 この「天皇の退位等に関する皇室典範特例法」の施行日は、政令によって平成31年4月30日と定められましたので、今上天皇陛下は平成31年4月30日限り、つまり平成31年4月30日(西暦2019年4月30日)が終わると同時に退位し、平成31年5月1日(西暦2019年5月1日)が始まると同時(すなわち午前零時)に皇嗣(現時点では皇太子殿下)が新天皇として即位することになります。

天皇の退位等に関する皇室典範特例法の施行期日を定める政令(平成29年政令第302号)
 天皇の退位等に関する皇室典範特例法の施行期日は、平成三十一年四月三十日とする。

 そして、その新天皇の「即位の日」と「即位礼正殿の儀の行われる日」は、休日となることが「天皇の即位の日及び即位礼正殿の儀の行われる日を休日とする法律」で定められました。

天皇の即位の日及び即位礼正殿の儀の行われる日を休日とする法律(平成30年法律第99号)
 天皇の即位の日及び即位礼正殿の儀の行われる日は、休日とする。

 この法律は、その附則で「天皇の退位等に関する皇室典範特例法」第2条の規定による天皇の即位に関して適用するということが定められていますので、平成31年4月30日(西暦2019年4月30日)が終わると同時に今上天皇陛下が退位し、平成31年5月1日(西暦2019年5月1日)が始まると同時に皇嗣(現時点では皇太子殿下)が新天皇として即位した場合にのみ、その「即位の日」すなわち平成31年5月1日(西暦2019年5月1日)が休日となるのです。
 なお、「即位礼正殿の儀の行われる日」については、即位礼正殿の儀は平成31年10月22日(西暦2019年10月22日)に行うという基本方針が「天皇陛下の御退位及び皇太子殿下の御即位に伴う国の儀式等の挙行に係る基本方針について」(平成30年4月3日閣議決定)によって定められ、首相官邸のウェブサイトにおいて公表されてはいるものの、その日程が官報に掲載されて正式に公布されているわけではありませんので、法令上はまだ未定の状態です。おそらく平成31年5月1日(西暦2019年5月1日)に新天皇が即位した後に官報に掲載されて公布されるのではないかと推測します。

天皇の即位の日及び即位礼正殿の儀の行われる日を休日とする法律(平成30年法律第99号)
   附 則
 (施行期日等)
第一条 この法律は、公布の日から施行し、天皇の退位等に関する皇室典範特例法(平成二十九年法律第六十三号)第二条の規定による天皇の即位に関して適用する。

〈追記(2019.10.21):令和元年9月26日に令和元年内閣告示第7号(即位礼正殿の儀を国の儀式として行う件)が公布され、即位礼正殿の儀は国事行為として令和元年10月22日(西暦2019年10月22日)に宮中で行うこととされました。よって、令和元年10月22日(西暦2019年10月22日)が休日となることが法的に明らかになりました。

令和元年内閣告示第7号(即位礼正殿の儀を国の儀式として行う件)
○内閣告示第七号
二 即位礼正殿の儀は、令和元年十月二十二日、宮中において行う。

 この法律によって休日となる「即位の日」は、国民の祝日に関する法律第3条第2項及び第3項の規定が適用されることとされています。

天皇の即位の日及び即位礼正殿の儀の行われる日を休日とする法律(平成30年法律第99号)
   附 則
 (他の法令の適用)
第二条 本則の規定により休日となる日は、国民の祝日に関する法律(昭和二十三年法律第百七十八号)に規定する国民の祝日として、同法第三条第二項及び第三項の規定の適用があるものとする。
2 本則及び前項の規定により休日となる日は、他の法令(国民の祝日に関する法律を除く。)の規定の適用については、同法に規定する休日とする。

 国民の祝日に関する法律第3条第2項は、いわゆる振替休日の規定です。国民の祝日が日曜日に当たるときは次の平日が振替休日になるというものですが、残念ながらこの度の「即位の日」である平成31年5月1日(西暦2019年5月1日)や「即位礼正殿の儀の行われる日」となる見込みの平成31年10月22日(西暦2019年10月22日)はいずれも日曜日ではないので、この規定が適用される余地はありません。

国民の祝日に関する法律(昭和23年法律第178号)
第三条 「国民の祝日」は、休日とする。
2 「国民の祝日」が日曜日に当たるときは、その日後においてその日に最も近い「国民の祝日」でない日を休日とする。
3 その前日及び翌日が「国民の祝日」である日(「国民の祝日」でない日に限る。)は、休日とする。

 次に、国民の祝日に関する法律第3条第2項は、国民の祝日の並びがいわゆる飛び石連休となるようなものとなった場合にその間にも休日を設けて連休となるようにするための規定です。前日と翌日の両方が国民の祝日である場合、すなわち国民の祝日に挟まれた平日は、休日となるという規定ですが、この規定が、「即位の日」にも適用されることとされましたので、前日平成31年4月29日(西暦2019年4月29日)が国民の祝日の「昭和の日」であり翌日平成31年5月1日(西暦2019年5月1日)が「即位の日」となる平成31年4月30日(西暦2019年4月30日)は休日となり、前日平成31年5月1日(西暦2019年5月1日)が「即位の日」であり翌日平成31年5月3日(西暦2019年5月3日)が国民の祝日の「憲法記念日」となる平成31年5月2日(西暦2019年5月2日)は休日となるので、結果的に10連休となるのです。なお、現時点では「即位礼正殿の儀の行われる日」となる見込みの平成31年10月22日(西暦2019年10月22日)の前日や翌日は「その前日及び翌日が「国民の祝日」である日」ではないので、法改正や「即位礼正殿の儀の行われる日」の変更のない限り、この規定が適用される余地はありません。

4月27日土曜日
4月28日日曜日
4月29日月曜日休日昭和の日国民の祝日に関する法律(昭和23年法律第178号)
第二条 「国民の祝日」を次のように定める。
  昭和の日 四月二十九日 激動の日々を経て、復興を遂げた昭和の時代を顧み、国の将来に思いをいたす。
第三条 「国民の祝日」は、休日とする。
4月30日火曜日休日前日及び翌日が国民の祝日である日国民の祝日に関する法律(昭和23年法律第178号)
第三条
3 その前日及び翌日が「国民の祝日」である日(「国民の祝日」でない日に限る。)は、休日とする。
5月1日水曜日休日即位の日天皇の即位の日及び即位礼正殿の儀の行われる日を休日とする法律(平成30年法律第99号)
 天皇の即位の日及び即位礼正殿の儀の行われる日は、休日とする。
5月2日木曜日休日前日及び翌日が国民の祝日である日国民の祝日に関する法律(昭和23年法律第178号)
第三条
3 その前日及び翌日が「国民の祝日」である日(「国民の祝日」でない日に限る。)は、休日とする。
5月3日金曜日休日憲法記念日国民の祝日に関する法律(昭和23年法律第178号)
第二条 「国民の祝日」を次のように定める。
  憲法記念日 五月三日 日本国憲法の施行を記念し、国の成長を期する。
第三条 「国民の祝日」は、休日とする。
5月4日土曜日休日みどりの日国民の祝日に関する法律(昭和23年法律第178号)
第二条 「国民の祝日」を次のように定める。
  みどりの日 五月四日 自然に親しむとともにその恩恵に感謝し、豊かな心をはぐくむ。
第三条 「国民の祝日」は、休日とする。
5月5日日曜日休日こどもの日国民の祝日に関する法律(昭和23年法律第178号)
第二条 「国民の祝日」を次のように定める。
  こどもの日 五月五日 こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、母に感謝する。
第三条 「国民の祝日」は、休日とする。
5月6日月曜日休日いわゆる振替休日国民の祝日に関する法律(昭和23年法律第178号)
第三条
2 「国民の祝日」が日曜日に当たるときは、その日後においてその日に最も近い「国民の祝日」でない日を休日とする。

10連休は中止になる可能性もある!?

 ところで、この「即位の日」とその前後の休日や「即位礼正殿の儀の行われる日」の休日は、あくまでも条件付きのものであり、ゴールデンウィークが10連休とならなくなってしまう可能性がないとはいえないということは、一応、留意しておく必要があります。

天皇の即位の日及び即位礼正殿の儀の行われる日を休日とする法律(平成30年法律第99号)
   附 則
 (この法律の失効)
第三条 この法律(次項を除く。)は、天皇の退位等に関する皇室典範特例法が同法附則第二条の規定により効力を失ったときは、その効力を失う。
2 前項の場合において必要な経過措置は、政令で定める。

天皇の退位等に関する皇室典範特例法(平成29年法律第63号)
   附則
 (この法律の失効)
第二条 この法律は、この法律の施行の日以前に皇室典範第四条の規定による皇位の継承があったときは、その効力を失う。

 すなわち、あってはならないことですが、もしも万が一、今上天皇陛下(現在の天皇陛下)が平成31年4月30日まで(西暦2019年4月30日まで)に崩御(死亡)すると、本来の原則どおりに、皇室典範第4条による皇位継承がなされ、「天皇の退位等に関する皇室典範特例法」はその附則第2条の規定により失効してしまい、そうすると「天皇の即位の日及び即位礼正殿の儀の行われる日を休日とする法律」もその附則第3条第1項の規定により失効してしまうのです。
 その場合、平成31年5月1日(西暦2019年5月1日)は休日ではなくなることになり、平成31年4月30日(西暦2019年4月30日)と平成31年5月2日(西暦2019年5月2日)も休日とはならなくなることになるので、ゴールデンウィークは元の4月27日から4月29日までの前半3連休と5月3日から5月6日までの後半4連休ということになります。
 また、「即位礼正殿の儀の行われる日」となる見込みの平成31年10月22日(西暦2019年10月22日)も休日とはならなくなるということになります。

 更に、見方を変えると、ゴールデンウィークが10連休となるということについては、その根拠となる法律の全てがまだ施行されたというわけではないので、ゴールデンウィークが10連休となることについては実はまだ法律的に有効となっていないともいえます。
 すなわち、「天皇の退位等に関する皇室典範特例法」が施行されるのは平成31年4月30日(西暦2019年4月30日)であるので、平成31年4月30日(西暦2019年4月30日)が終わると同時に今上天皇陛下が退位し平成31年5月1日(西暦2019年5月1日)が始まると同時(すなわち午前零時)に皇嗣(現時点では皇太子殿下)が新天皇として即位するということが法律的に有効となるのは平成31年4月30日(西暦2019年4月30日)当日のことであって、それまでは「即位の日」が施行済みの法律によって法的に有効となっているとはいえないのです。もちろんこれらを定めた法令が公布されているのですから、ほぼ間違いない予定ではありますが、あくまでも施行予定でしかないので、まだ効力は生じていないのです。

 いずれにしても、平成31年4月30日(西暦2019年4月30日)が休日になるかどうかは「天皇の退位等に関する皇室典範特例法」が施行される平成31年4月30日(西暦2019年4月30日)当日になるまで法律的に確定せず、平成31年5月1日(西暦2019年5月1日)が休日になるかどうかは新天皇が即位する平成31年5月1日(西暦2019年5月1日)当日になるまで法律的に確定しないということになります。なお、平成31年5月2日(西暦2019年5月2日)が休日になることは平成31年5月1日(西暦2019年5月1日)に新天皇が即位すれば法律的に確定しますし、平成31年10月22日(西暦2019年10月22日)が休日になることは新天皇即位後に「即位礼正殿の儀の行われる日」がその日であることが官報で公布されれば法律的に確定することになります。

 あってはならないことですが、もしも万が一、「天皇の即位の日及び即位礼正殿の儀の行われる日を休日とする法律」が失効してしまった場合、平成31年4月30日(西暦2019年4月30日)から平成31年5月2日(西暦2019年5月2日)までは休日ではなくなり、平日となります。特に、最も影響が大きいのは、あってはならないことですが、もしも万が一、平成31年4月30日(西暦2019年4月30日)に今上天皇陛下が崩御(死亡)すると、法律的にはその日の途中から急に休日ではなくなることになります。

 「天皇の即位の日及び即位礼正殿の儀の行われる日を休日とする法律」が失効した場合は、附則第3条第2項の規定により、必要な経過措置が政令で定められることになっています。特に、平成31年4月30日(西暦2019年4月30日)の直前や当日に失効してしまった場合は影響が大きすぎると考えられるので、政令で定められる経過措置により、休日でなくなった場合でもその日を休日とみなす規定が定められるのではないかとも期待しますが、残念ながらその日が休日とみなされる規定が定められることはないようです。
 この点について明らかにすべく、内閣法制局と内閣府に行政文書の開示請求を行ったところ、「天皇の即位の日及び即位礼正殿の儀の行われる日を休日とする法律案【逐条説明】」が開示されました。これによると、附則第3条第1項について、「単に法が失効し休日でなくなるというのではなく必要な経過措置を設けることを政令に委任する必要があることから、本項を規定する」とあり、附則第3条第2項について、「本法律が失効する場合において、法律関係の変動を回避し国民の期限の利益等に対する期待を保護することが必要であることから、必要な経過措置を政令で定めることとする」とし、「保護すべき期限の利益を有する場合」として民事訴訟法の控訴期間を挙げて「例えば、5月1日が休日になっていれば、控訴期間の満了が5月7日だったにもかかわらず、本法律が失効することにより、満了日が4月30日に1週間早まるケースが想定され得る。」として経過措置が必要であるとしているほか、刑事訴訟法の控訴の提起期間と即時抗告の提起期間及び小切手法の小切手呈示期間を例示しているのみであるので、各種の期限の利益を伸長させる経過措置が定められるほかには、休日でなくなった日をなおも休日として扱う方向での経過措置が定められることはなさそうです。
 そうすると、お勤めの方など祝日でないと休めない方が平成31年4月30日(西暦2019年4月30日)から平成31年5月2日(西暦2019年5月2日)までの間の旅行や交通機関等の予約をする場合には、あってはならないごくわずかな可能性ではありますが、リスクマネジメントの観点からはその3日間が休日でなくなった場合の休暇の取得方法やキャンセル料についても一応考慮に入れておく必要がありそうです。

〈関係法令〉
・皇室典範(昭和22年法律第3号)〈
官報昭和22年1月16日本紙第6000号
・国民の祝日に関する法律(昭和23年法律第178号)
・天皇の退位等に関する皇室典範特例法(平成29年法律第63号)〈官報平成29年6月16日号外第128号〉
・天皇の退位等に関する皇室典範特例法の施行期日を定める政令(平成29年政令第302号)〈官報平成29年12月13日本紙第7163号〉
天皇の即位の日及び即位礼正殿の儀の行われる日を休日とする法律(平成30年法律第99号)〈官報平成30年12月14日号外第276号〉
令和元年内閣告示第7号(即位礼正殿の儀を国の儀式として行う件)〈官報令和元年9月26日本紙第99号〉

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このページの沿革平成31年4月24日作成
条文最終基準日平成30年12月14日
条文確認典拠 官報昭和22年1月16日本紙第6000号(印刷局)
官報平成29年6月16日号外第128号(独立行政法人国立印刷局)
官報平成29年12月13日本紙第7163号(独立行政法人国立印刷局)
官報平成30年12月14日号外第276号(独立行政法人国立印刷局)
e-Gov法令検索(総務省行政管理局)

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