これが重要ですが、PC−9821でも「末尾が”/W**”」(俗に言うW型番)&「V
***」(P55C(MMX)搭載モデル,自分では検証未)以外は特殊なゲタ(生産
中止)が無いと、K6への換装は出来ません。ご注意を!
(詳細は、リンク先の「どるこむ」過去ログ中に沢山有ります。(^^;))
Part1 内容(目次)
AMD社が製作しているSocket7互換CPU。(x86互換CPUとも言う)
166,200,233,266,300MHz(ベースクロック66.6MHz時)が出ている。
(’98,05,10時点)
AMD社が、CPUメーカー「ネクスジェン」社が開発していた「Nx586」を、会社ごと
買収し、Socket7互換に再設計し直したもの。
互換性を重視したため、「Nx586」よりかなり性能が落ちたと言われているが、現
時点(’98.05)では、Socket7最強と言われており、インテルのP55C(MMX P
entium)より性能が上の部分が多く、次の世代CPU「PentiumU」と比較しても、
同一クロックで比較した場合、同程度と言われている。(反論は有ると思うが・・・・)
当初は、「浮動演算,MMXに強いP55C」,「整数演算に強いK6」と言われ、ホビー
ユース(ゲーム等)にはP55C,ワープロ等業務用途にはK6という認識だったが、必ず
しもそうでは無いようだ。PentiumUとの比較だが、「Under Ground ADD−in」の
ハードページのCPUの項目で評価されているので覗いて欲しいです。
(かなり興味深い評価をされている。)
とりあえず、本ページでは、私が知っている情報&評価結果を報告します。
現在でも、K6はPCの雑誌で取り上げらているので、その内容を補完する手助けになれば
幸いです。(ん〜ん、そんなにたいそうなものでは無いが・・・)
インテルのP55Cが233MHzを上限(ノートを除く)として、PentiumUのSlot1に
移行しているため、どれだけ健闘出来るかは、’98年の目玉に一つ。
既存機の延命の点だけでは無く、PentiumU+440BX M/B(マザーボード)の
高価格と比較すれば依然魅力有り。(と、思います。)
K6と言っても、CORE電圧,I/O電圧を含めて、何種類か有ります。
P55Cを含めて、下記に示します。
各CPUの仕様(各CPUのDataSheetから抜粋)
CPU名 クロック CORE電圧 I/O電圧 P55C 166〜233 2.8V 3.3V K6(モデル6) 166,200 2.9V 3.3V K6(モデル6) 233 3.2V 3.3V K6(モデル7) 200〜300 2.2V 3.3V(※1) |
※1:現在市販されているK6−300は、DataSheetに無い
「I/O電圧 3.45V」表記のもの。3.3Vで動いている
人が多いが、詳細は不明。
K6−266以降、P55Cでは設定されなかった4.0倍以上の設定が必要で
有るため、入手したゲタや、AT機なら自分のM/Bが設定出来るかどうか?も確
認が必要です。
(”見たら出来ない。改造しても・・”なら、CPUの高倍率化(MTC−40001(改))
を参考
にしてください。)
初期の166〜233MHzのK6(モデル6)は、ものすごく発熱量が多いです。
当然、CPUの冷却にも注意が必要でし、要求される電流が上がることも考慮が
必要となります。”心配な方は・・・”と言うより、多少値段が上でも、新しいK6(モ
デル7)を購入しましょう。
(233MHzで使うつもりでも、私ならこちらを勧めます。)
発熱量に影響の有る消費電力(MAX値)の比較表と、市販クーラー「A+COOLE
R」使用時のCPUの温度推移を下記に示します。
また、予想される電流も簡単に計算(電力[W]=電圧[V])×電流[I])して( )に
記入しておきます。
「スーパーπ」(円周率πの計算プログラム)を使用し、CPUを高負荷を掛けた状態の
CPUの温度変化を見ます。温度の計測は、CPUの裏側の温度を計測しました。
消費電力(MAX値)の比較(各CPUのDataSheetから抜粋)
クロック |
P55C |
K6(モデル6) |
K6(モデル7) |
166MHz |
13.1W(4.7A) |
17.2W(5.9A) |
−−− |
200MHz |
15.7W(5.6A) |
20.0W(7.1A) |
12.45W(5.7A) |
233MHz |
17.0W(6.1A) |
28.3W(8.8A) |
13.50W(6.1A) |
266MHz |
−−− |
−−− |
14.55W(6.6A) |
300MHz |
−−− |
−−− |
15.40W(7.0A) |
K6−233(モデル6)のCPU温度(市販クーラー)
消費電力の比較表を見れば解る様に、K6(モデル6)は、P55Cと比較してどれだ
け消費電力(=発熱)が多いか解ると思います。また、CPUの温度評価に使った「A
+COOLER」も決して冷却性の悪いクーラーでは有りませんが、CPUの保証動作温
度が70℃の点を考えれば、かなり辛い評価結果です。
(「A+COOLER」は、「Oh!PC」に出ていた評価では、”山洋”のクーラーより数度悪いだけでした。)
P55C用として評価が高く、インテル純正に採用されている評価の高い山洋のファン
「SANACE MC」でも、K6(モデル6)に使用した場合、本当の意味(CPUの高負荷
時&夏場)での安定動作は、「無理・・・・」と思っています。
(室温20℃でこの温度では、室温が30℃を越えたら・・・・)
それに対して、K6(モデル7)の消費電力は、高倍率動作でも、P55C並ですから、
冷却性に神経質にならなくても良いでしょうし、色々なメーカーから出ているP55C対
応クーラーでもOKだと思います。ただし、CPUの寿命は、温度に比例していると言わ
れていますので、良い冷却ファンを使うことは重要と思われます。
クーラーに関しては、山洋の「SANACE MC」より評価の高い「風神」,「ドラコ」等
が有ります。「風神」は、PCショップ「高速電脳」にて取り扱っているみたいです。
上記のクーラーの評価は、「Fu's Bookmark」の「クーラーベンチpart 2」で行っている
ので参考にしてみたらどうでしょうか?
次にK6のモデルの違いを見るため、実際のCPU温度の推移をグラフにしてみました。
自作CPUクーラー実装時の結果ですので、あまり参考にならないかと思いますが、まあ
見てください。「A+COOLER」使用時と同じ評価をしています。
K6−233(モデル6)のCPU温度(自作クーラー使用)
グラフ1 グラフ2
グラフ1は、K6−233(モデル6)を233MHzにて動作させた時の温度の推移。
グラフ2は、K6−266(モデル7)を333MHzにて動作させた時の温度の推移です。
自作クーラーの放熱性が良いため、あまり温度差が出ていませんが、233→333
と約1.4倍の高クロックで動いていて、発熱量が少ないことはだけは言えると思います。
Part1終了