K6の情報&評価結果 Part1

                       最終更新日 : 1998/06/15.   by m-kamiya


注意! お約束ですが、本記事を参考にして、生じた損害は自己責任にてお願いします。

     これが重要ですが、PC−9821でも「末尾が”/W**”」(俗に言うW型番)&「V
     ***」(P55C(MMX)搭載モデル,自分では検証未)以外は特殊なゲタ(生産
     中止)が無いと、
K6への換装は出来ません。ご注意を!

     (詳細は、リンク先の「どるこむ」過去ログ中に沢山有ります。(^^;))


Part1 内容(目次)

   K6とは?

   K6の種類

   K6の発熱量


K6とは?

    AMD社が製作しているSocket7互換CPU。(x86互換CPUとも言う)
    166,200,233,266,300MHz(ベースクロック66.6MHz時)が出ている。
   (’98,05,10時点)

    AMD社が、CPUメーカー「ネクスジェン」社が開発していた「Nx586」を、会社ごと
   買収し、Socket7互換に再設計し直したもの。
    互換性を重視したため、「Nx586」よりかなり性能が落ちたと言われているが、現
   時点(’98.05)では、Socket7最強と言われており、インテルのP55C(MMX P
   entium)より性能が上の部分が多く、次の世代CPU「PentiumU」と比較しても、
   同一クロックで比較した場合、同程度と言われている。(反論は有ると思うが・・・・)

    当初は、「浮動演算,MMXに強いP55C」,「整数演算に強いK6」と言われ、ホビー
   ユース(ゲーム等)にはP55C,ワープロ等業務用途にはK6という認識だったが、必ず
   しもそうでは無いようだ。PentiumUとの比較だが、
「Under Ground ADD−in」
   
ハードページのCPUの項目で評価されているので覗いて欲しいです。
   (かなり興味深い評価をされている。)

    とりあえず、本ページでは、私が知っている情報&評価結果を報告します。
   現在でも、K6はPCの雑誌で取り上げらているので、その内容を補完する手助けになれば
   幸いです。(ん〜ん、そんなにたいそうなものでは無いが・・・)

    インテルのP55Cが233MHzを上限(ノートを除く)として、PentiumUのSlot1に
   移行しているため、どれだけ健闘出来るかは、’98年の目玉に一つ。
   既存機の延命の点だけでは無く、PentiumU+440BX M/B(マザーボード)の
   高価格と比較すれば依然魅力有り。(と、思います。)

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K6の種類

    K6と言っても、CORE電圧,I/O電圧を含めて、何種類か有ります。
   P55Cを含めて、下記に示します。

各CPUの仕様(各CPUのDataSheetから抜粋)

CPU名

クロック

CORE電圧

I/O電圧

P55C

166〜233

2.8V

3.3V

K6(モデル6)

166,200

2.9V

3.3V

K6(モデル6)

233

3.2V

3.3V

K6(モデル7)

200〜300

2.2V

3.3V(※1)

※1:現在市販されているK6−300は、DataSheetに無い
    「I/O電圧 3.45V」表記のもの。3.3Vで動いている
   人が多いが、詳細は不明。                 

     K6−266以降、P55Cでは設定されなかった4.0倍以上の設定が必要で
   有るため、入手したゲタや、AT機なら自分のM/Bが設定出来るかどうか?も確
   認が必要です。
   (”見たら出来ない。改造しても・・”なら、
CPUの高倍率化(MTC−40001(改)) を参考
    にしてください。)

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K6の発熱量

    初期の166〜233MHzのK6(モデル6)は、ものすごく発熱量が多いです。
   当然、CPUの冷却にも注意が必要でし、要求される電流が上がることも考慮が
   必要となります。”心配な方は・・・”と言うより、多少値段が上でも、新しいK6(モ
   デル7)を購入しましょう。
   (233MHzで使うつもりでも、私ならこちらを勧めます。)

    発熱量に影響の有る消費電力(MAX値)の比較表と、市販クーラー「A+COOLE
   R」使用時のCPUの温度推移を下記に示します。
   また、予想される電流も簡単に計算(電力[W]=電圧[V])×電流[I])して( )に
   記入しておきます。

    「スーパーπ」(円周率πの計算プログラム)を使用し、CPUを高負荷を掛けた状態の
   CPUの温度変化を見ます。温度の計測は、CPUの裏側の温度を計測しました。

消費電力(MAX値)の比較(各CPUのDataSheetから抜粋)

クロック

P55C

K6(モデル6)

K6(モデル7)

166MHz

13.1W(4.7A)

17.2W(5.9A)

−−−

200MHz

15.7W(5.6A)

20.0W(7.1A)

12.45W(5.7A)

233MHz

17.0W(6.1A)

28.3W(8.8A)

13.50W(6.1A)

266MHz

−−−

−−−

14.55W(6.6A)

300MHz

−−−

−−−

15.40W(7.0A)

K6−233(モデル6)のCPU温度(市販クーラー)
     

    消費電力の比較表を見れば解る様に、K6(モデル6)は、P55Cと比較してどれだ
   け消費電力(=発熱)が多いか解ると思います。また、CPUの温度評価に使った「A
   +COOLER」も決して冷却性の悪いクーラーでは有りませんが、CPUの保証動作温
   度が70℃の点を考えれば、かなり辛い評価結果です。
   
(「A+COOLER」は、「Oh!PC」に出ていた評価では、”山洋”のクーラーより数度悪いだけでした。)

    P55C用として評価が高く、インテル純正に採用されている評価の高い山洋のファン
   「SANACE MC」でも、K6(モデル6)に使用した場合、本当の意味(CPUの高負荷
   時&夏場)での安定動作は、「無理・・・・」と思っています。
   (室温20℃でこの温度では、室温が30℃を越えたら・・・・)

    それに対して、K6(モデル7)の消費電力は、高倍率動作でも、P55C並ですから、
   冷却性に神経質にならなくても良いでしょうし、色々なメーカーから出ているP55C対
   応クーラーでもOKだと思います。ただし、CPUの寿命は、温度に比例していると言わ
   れていますので、良い冷却ファンを使うことは重要と思われます。

    クーラーに関しては、山洋の「SANACE MC」より評価の高い「風神」,「ドラコ」等
   が有ります。「風神」は、
PCショップ「高速電脳」にて取り扱っているみたいです。
   上記のクーラーの評価は、
Fu's Bookmark「クーラーベンチpart 2で行っている
   ので参考にしてみたらどうでしょうか?

    次にK6のモデルの違いを見るため、実際のCPU温度の推移をグラフにしてみました。
   自作CPUクーラー実装時の結果ですので、あまり参考にならないかと思いますが、まあ
   見てください。「A+COOLER」使用時と同じ評価をしています。

K6−233(モデル6)のCPU温度(自作クーラー使用)
    

            グラフ1                         グラフ2

    グラフ1は、K6−233(モデル6)を233MHzにて動作させた時の温度の推移。
   グラフ2は、K6−266(モデル7)を333MHzにて動作させた時の温度の推移です。

    自作クーラーの放熱性が良いため、あまり温度差が出ていませんが、233→333
   と約1.4倍の高クロックで動いていて、発熱量が少ないことはだけは言えると思います。

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Part1終了

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