リヤカーの野菜売り


昭和29年(1954年)8月 新潟市赤坂町    撮影:渡邊 馨一郎


車で郊外の大型ショッピングセンターへ乗り付けて、一度に買い物が済んでしまう現在と違って、昔は八百屋さん、魚屋さん、肉屋さんなどの専門の小売り店を回って食事の材料を揃えました。小さい頃、買い物かごをさげた母親についてまわったことを憶えています。
また、近郊の農家のおばさんが、リヤカーにいろいろな野菜をつんで売りに来ていました。玄関の前にきて「西瓜なじらね〜」とか「枝豆こうてくんなせや」などと声をかけて回っていました。同様なものに魚売りのおばさんがいましたし、夏になると西瓜売りのおばさんもきました。私が小学校のころまでは、ごく普通にみられた光景でした。昭和40年代前半までの話です。
写真は野菜売りのおばさんです。リヤカーを引いて歩くのはかなりの重労働だったと思いますが、自動車の普及する前ですから、これくらいの労力は当たり前のことだったのでしょう。

昭和29年(1954年)8月 新潟市赤坂町    撮影:渡邊 馨一郎


今になってみると何がおもしろかったのかわかりませんが、母親達がリヤカーのおばさんから買い物をするのを子供達は見物したものです。晩御飯のおかずが気になったのか、それとも分銅をつかった手品みたいなハカリが珍しかったのでしょうか。
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