PAGE3
ナッシング・トゥ・ルーズ /
絶体 X 絶命 /
スフィア /
ウワサの真相/ワグ・ザ・ドッグ /
コレクター
恋愛小説家 /
ラストサマー /
マッド・シティ /
ジャッキー・ブラウン /
ディアボロス/悪魔の扉
PAGE2 /
PAGE4 /
HOME
ナッシング・トゥ・ルーズ
ニック(ティム・ロビンス)は、L.A.の大手広告会社の重役。
ある日上司に急に押し付けられた接待の仕事がキャンセルになり、
予定より早く帰宅した彼は、妻の浮気の現場を目撃してしまう。
しかもその相手は、その接待の仕事を押し付けた上司フィリップだった。
放心状態になったニックは黙ってその場を立ち去り、行く当てもなく車を走らせていた。
すると、ニックの車にいきなり黒人強盗ポール(マーティン・ローレンス)が乗り込んで来る。
ポールはニックに拳銃を突き付け「金を出せ」と脅すが、最愛の妻を上司に奪われ、
失うものが何も無くなった男はそんなものには動じない。
不敵な笑みを浮かべて財布を窓から道路に投げ捨て、車を急発進させて
ポールを道連れにアリゾナの砂漠まで延々とドライブするのだった。
二人はアリゾナでさまざまなトラブルに出会いながら、フィリップに復讐をする計画を思い付く。
大好きです、こういうコメディ。
観る前はティム・ロビンスがコメディっていうのにはちょっと違和感があり、
映画が始まってしばらくしても、なんとなく似合っていないような気がしたのですが、
一度キレてからは、かなり笑わせてくれました。
音楽の使い方も面白くて良かったし、ストーリー展開に強引な部分もありますが、
コメディ映画なら十分許される範囲だと思います。
勢いだけでとんでもないことをしでかすアホアホコンビだけど、
ニックとポールが“いい奴”というのがこの作品の一番いいところ。
奇妙な出会いをしたニックとポールの間にだんだん友情が芽生えていく・・・・という展開もとっても良いです。
エンドロールが出終わったあとに、ワンシーンあります。
一見なんでもないようなシーンですが、
このワンシーンにニックの“いい奴”という人柄が集約されている気がします。
そしてこのワンシーンで、私はとてもHAPPYな気持ちになったのでした。
サイコーに面白い、踊る警備員が登場しますが、
この人はこの映画の監督スティーブ・オーデカークだそうです。
「エース・ベンチュラ2」を撮った監督だそうですが、ニックの役をジム・キャリーがやったら
こんなに好きな作品にはならなかったんじゃないかな。
レベル5
絶体 X 絶命
白血病の9歳の息子を持つ刑事フランク(アンディ・ガルシア)は、
息子の骨髄移植のドナーを探すためにFBIのコンピュータに不法に進入した。
そして、そのデータの中で、息子に適合するDNAを持っているただひとりの人物を見つける。
しかしその男マッケイブ(マイケル・キートン)は、過去に何度も脱獄を成功させているという
IQ150の知能的かつ凶悪な、終身刑を宣告されている犯罪者だった。
それでも息子の命を救うためには、彼に骨髄移植のドナーになってもらうしか方法がない。
案の定、マッケイブは脱走をもくろんだ綿密な計画を立て、
手術当日、警察の厳重な警戒を破り手術台から逃亡する。
凶悪な男が一般の病院に放たれ、彼の行く先々で死者やケガ人が続出。
しかし、フランクはマッケイブを追いつめても射殺することが出来ない。
彼を殺してしまえば、息子も死んでしまうのだ。
フランクはマッケイブを生け捕りにするべく、追いつめていく。
フランクがひとりの刑事としてでなく、息子の命を救いたい父親として、
逃げるマッケイブを追いかける、というテーマは面白いと思いました。
しかし、いくら愛する息子の手術のためとはいえ、仲間の刑事を何人も犠牲にした上、
病院内で一般患者たちを危険にさらしているのにも関わらず、
フランクが犯人に向けて引き金を引くことが出来ないというのはどうかと思いました。
それに警察がマッケイブを射殺しようとするのを邪魔し、逃亡に手を貸すというのはやりすぎで、
観ているうちにだんだんフランクに感情移入出来なくなってきます。
そして、最後にはマッケイブを執拗に追い掛けるフランクの執念に狂気さえ感じてしまい、
「もう好きなだけやって下さい」という気持ちになってしまいました。
それに、法を犯してドナーを探したフランクに対し、ストーリーの中でその罪や処分には
一切触れないで簡単に手術が許されたり、
無菌状態を保っていないと数時間で死んでしまうといっていた息子が無菌室を出て歩き回ったり、
父親フランクと抱き合ったり、結局何時間経っても平気だったりと、
ストーリーにも強引すぎて納得行かないところが多々ありました。
“骨髄移植”という重要なテーマを扱った作品なので、
その辺りを曖昧にしないできちんと描いて欲しかったと思います。
職権乱用のフランクにあれだけ大暴れさせておいても、最後をまるく治めてしまうところが、
いかにもアメリカ的という気がしました。
レベル3.5
観ている時はそこそこ楽しめますが、あとになって沸々と疑問点がわいてくる作品です。
スフィア
心理学者ノーマン(ダスティン・ホフマン)は、政府の要請を受けヘリで太平洋の沖合いへと向かった。
そこで彼は、数学者ハリー(サミュエル・L・ジャクソン)や生科学者ベス(シャローン・ストーン)らと
海底300メートルのところに300年近く沈んでいると思われる、宇宙船の調査を行うことになる。
早速海底に潜り、あらかじめ作られていた海底基地を拠点に調査を始めた彼らは、
宇宙船の中に巨大な金色の球体“スフィア”を発見した。
ハリーの分析によれば、その球体は知性を持つ生命体であるという。
ノーマンたちは、その球体の不思議な魅力に好奇心を煽られるが、
その後クルーが次々と謎の死を遂げ、彼らの好奇心は次第に恐怖心へと変わって行く。
そんな中、基地内のコンピュータが突然動き出し、宇宙からの知的生命体のメッセージを伝え始めた。
マイケル・クライトン原作のSFサスペンス。
海底という閉ざされた空間で、次々と起こる不可解な出来事によりクルーが一人ずつ死んでいく・・・
というくだりは緊迫感があり、見ていて引き付けられました。
しかし、金色の巨大な球体“スフィア”の持つ謎の力が明らかになるにつれて、
だんだん面白くなくなってくるのです。
特に生き残った人間たちが、極限状態で自分以外の人を信じられなくなる、といった辺りは、
気持ちとしては理解出来るのですが、見ていて退屈でした。
そのためか、一番緊迫感が欲しい脱出のシーンで緊迫感ゼロ。
ネタバレになるので詳しくは書きませんが、カウントダウンのシーンも
“あの力を使えば、簡単に食い止められるんじゃないだろうか”と、
突っ込みを入れたくなるような気持ちで、事の成り行きを見守ってしまいました。
それでも、オチが面白ければ許されるところでしょうが、
何ともお粗末なエンディングで、全てぶち壊しという感じです。
レベル2と言いたいところですが、途中までは面白かったので、
おお甘でレベル3
中盤で盛り上がりが最高潮に達し、徐々に盛り下がっていくという作品です。
ウワサの真相/ワグ・ザ・ドッグ
再選をかける大切な選挙を控えた大統領に、スキャンダルが発覚した。
ホワイトハウスに見学に来ていた少女を執務室でいたずらしたという事実を、マスコミが掴んだのだ。
大統領はすぐさま“もみ消し屋”コンラッド(ロバート・デ・ニーロ)を呼び付け、事の収拾を図るように命じる。
大統領選挙まであと11日。
コンラッドは国民の関心を大統領のセックススキャンダルから別のものに向けるため、
ありもしない戦争をでっち上げることを思い付き、
ハリウッドの有名映画プロデューサー、モッツ(ダスティン・ホフマン)に話を持ち掛ける。
モッツはあっという間に戦地の映像を制作し、それは“戦争勃発”のニュースとして流された。
しかし、CIAはそれが“ヤラセ”であることを見破ってしまい、
窮地に立たされたコンラッドたちは、次の手を考える。
脚本自体はとても面白いと思うのですが、映画は面白くありませんでした。
大ネタ小ネタで笑わせようとする意志は伝わってくるのですが、笑えないのです。
いくらブラックなネタだからと言っても、
コメディにもかかわらず、観客を笑わせることが出来ないというのは致命的でしょう。
ダスティン・ホフマンはいいとしても、デニーロがコメディ向きではないというのが原因のひとつだとは思いますが、
一番の原因は監督バリー・レビンソンにあると思います。
コメディなのにラストシーンのオチが理解しにくいというのも、どうかと思いました。
ベルリン映画祭で銀熊賞受賞、ゴールデングローブ賞でもコメディ部門の作品賞にノミネートされていて、
とても期待していた作品だったのですが、がっかりでした。
アメリカでは、クリントン大統領のセクハラ疑惑の直後にイラク危機の勃発したという状況に
この作品が酷似していたため、かなりウケたそうですが、
アメリカ大統領に身近でない分、日本人にはダイレクトに面白さが伝わって来ないのでは。
レベル2
コメディ向きの俳優を使ってコテコテのコメディにすれば、もっと面白い作品になったのではないでしょうか。
コレクター
心理学者の資格を持つワシントンのベテラン刑事アレックス(モーガン・フリーマン)は、
南部の田舎町に住む姪のナオミが行方不明になったという連絡を受け、現地に向かう。
そこで彼は、女子大生ばかりがナオミ以外に7人誘拐され、3人が死体で発見されていることを知る。
被害者が皆、美しく聡明な女性ばかりであることと、犯人の異常な殺しの手口から、
アレックスは犯人の目的が女性を殺すことではなく、“収集”することであると推測した。
そんな中、9番目の被害者である若い女医ケイト(アシュレイ・ジャッド)が
命からがらに犯人の元から脱出し、保護される。
ケイトは残りの女性たちも犯人に監禁されたまま生きていると証言し、
犯人逮捕と監禁されている女性たちの救出のため、
地元の警察には内密に独自で調査を始めたアレックスに協力する。
異常な犯人の心理を描いているタイトルロールが非常に怖く、背筋がゾッとしました。
これからどんな怖い映画を見せてくれるのかと期待したのですが、
本編は犯人に追いつめられて行くというよりは、犯人を追いつめて行くという構成で、
今ひとつスリルに欠けていたように思います。
犯人の元から逃げ出したケイトが森の中を疾走するシーンは緊迫感がありましたが、
肝心の犯人自身が登場する部分での、彼の異常さが表現不足という感じがしました。
アレックスがあまりにも軽々と犯人の正体を暴いていくので、
ミステリーとしても謎解きの面白さに欠け、オチもよくあるパターンでした。
レベル3
なんてったって、全編通して一番怖いのがオープニングのタイトルロールですから・・・・。
恋愛小説家
メルビン(ジャック・ニコルソン)は、独り者の売れっ子恋愛小説家。
しかしその実生活は人間嫌いで潔癖症の変わり者、その上毒舌家で町の人々に嫌われていた。
アパートの隣室に住むゲイの画家サイモン(グレッグ・ギニア)とも折り合いが悪く、
彼の愛犬バーデルがホールでおしっこをしようものなら、怒ってダストシュートに投げ込む始末。
しかしある日、サイモンが不良少年たちに殴られて大怪我をして入院してしまい、
メルビンはバーデルを預からなければならなくなる。
最初は迷惑していたメルビンだったが、バーデルと一緒に暮らしているうちに愛情が湧いてくる。
バーデルは、メルビンが今まで感じたことのない安らぎを与えてくれるのだった。
やがてバーデルが退院したサイモンに引き取られてしまうと、
メルビンの心の中にはポッカリと穴が空いてしまったようだった。
そんな彼の日課は、毎日同じ時間に同じカフェに行き、
同じ席に座って同じウェイトレス、キャロル(ヘレン・ハント)に給仕をしてもらうこと。
しかしその日に限って、キャロルは喘息持ちの息子の調子が悪く、カフェを休んでいた。
ますます不機嫌になったメルビンは、キャロルの家に押しかける。
メルビンのキャラがとにかく面白いです。
活字の上では甘い言葉をいくらでも書ける恋愛小説家のくせに、
極端な潔癖症で他人に触れることが出来ず、恋の経験はゼロ。
道の割れ目は絶対に踏まず、カフェにはプラスチックのナイフとフォークを持参・・・。
そんな彼が一匹の犬を愛したことによって少しずつ変化し、自信を無くしていたゲイの画家と、
女手ひとつで病気の息子を育て自分自身のために生きることの出来ないウェイトレスもまた、
彼と関わりを持つことで変化していく、という物語です。
人間が精神的に成長していく作品は好きですし、とても楽しめた作品ですが、
全体的なストーリーで見れば“まあまあ”といったところ。
後半ちょっとダレてしまい、ラストが平凡だったのが不満でした。
レベル3・・・と言いたいところですが、メルビンのキャラとプリティなバーデルが良かったので
レベル3.5
「ザ・エージェント」のような作品が好きな人にはオススメです。
ラストサマー
高校生活最後のパーティの後、ジュリー、ヘレン、レイ、バリーの4人の乗った車が何かを轢いてしまう。
恐る恐る車から降りて確かめてみると、それは一人の男性で、彼は頭から血を流して死んでいた。
この事故が知られることで自分たちの人生が台無しにしたくない彼らは、
その男性の死体を海に投げ捨て、それを4人だけの一生の秘密にしようと誓う。
一年後、ジュリーのもとに差出人不明の一通の手紙が届く。
それには「去年の夏、お前たちが何をしたか知っているぞ」と書いてあった。
その後、彼らは正体の分からない殺人鬼に追い回される。
「スクリーム」の脚本家の作品なのですが、面白くありませんでした。
突然大きな音とか出して驚かせたり、見るからに“怪しそうな人”を登場させたりして魂胆見え見えだし、
“ある人”を犯人に見せようとしていることもまる分かりでした。
犯人には動機があったにも関わらず、関係ない人まで殺しちゃったりもします。
特に一番最初の殺人なんて、何の意味があったのでしょうか。
観客を怖がらせ、混乱させようとしているだけで、意味の無いことばかりです。
怖がらせようとしているのに、全然怖くないっていうのも何だか・・・・。
レベル2
「ラストサマー2」の制作が既に決定しているそうです。まだやるか、って感じ。
マッド・シティ
経費削減のため博物館のガードマン職ををクビになったサム(ジョン・トラボルタ)は、
復職を頼みに館長に会いに博物館に行くが、冷たい館長の態度に苛立ち、持っていた銃を威嚇発砲する。
しかしその銃弾は、サムの元同僚のガードマンの腹部に当たってしまい、
錯乱したサムは、館長と博物館の見学に来ていた子供たちとその引率者を監禁して立てこもってしまう。
しかし館内にはもう1人、偶然博物館の取材に訪れていたテレビ局の記者マックス(ダスティン・ホフマン)がいた。
マックスは博物館の外にいたアシスタントに連絡を取り、サムに気づかれないよう、
この発砲監禁事件を生中継し始める。
以前生中継の現場でヘマをし、それが原因でネットのキー局から地方局に左遷されたマックスは、
この報道を局の独占とすることで、ネットワークへの返り咲きを狙うのだった。
やがてサムは事件が生中継されていることとマックスの存在に気づくが、
博物館はあっという間に警察に包囲されてしまう。
思わぬ展開に逃げ場を失ったサムにマックスは
「テレビの前で突然解雇されたつらさを語れば、大衆は君の見方になる」と促す。
視聴率確保のための“やらせ”や、興味本位の世論によって運命を狂わされてしまった男の話。
タイトルの“MAD CITY=狂った街”が表しているのは、狂っているのはサムではなくて、
世の中の方なんだっていうこと。
言いたいことは分かるのですが・・・・・・
長い。2時間程度の作品なのですが、ストーリーに緊迫感がなく、すごく長さを感じてしまいました。
この物語での一番の“悪人”が、博物館に立てこもっているサム自身ではないため、
彼が博物館の中で何かをやらかすかもしれない、という緊張感が全く無くなってしまっているのです。
サムがもっと知能的な悪い奴だったり、あるいはマックスが視聴率稼ぎのために
サムを徹底的に利用しようとするというストーリーならもっと面白くなったと思うのですが、
サムは頭が悪くて子供好きのいい奴だし、この物語での“悪人”であるはずのマックスは
だんだんサムに同情的になり、途中から彼の起こす行動が自分の記者としての評価を上げるためなのか、
サムを救うためなのか分からなくなってきます。
そして“悪人”の役は、途中で昔マックスを左遷させた男にすり替わります。
その肝心の“悪人”の描き方もいまいち甘いため、焦点がボケてしまっているような気もしました。
事件が起こった直後、サムの頭の悪さで観客の笑いを誘いますが、シリアスなストーリーに
笑いを取り入れてしまったことも、ストーリーに緊迫感を欠いてしまった原因のひとつではないでしょうか。
それから、観ていておかしいと思ったのは、博物館で監禁された子供たちです。
アメリカの子供たちの気持ちはよく分かりませんが、博物館の中で銃をぶっ放した男のところに駆け寄り、
興味津々で「本物の銃だ〜」などと言ったりするのでしょうか。
それにサム自身が「家に帰りたい」と言っているのにもかかわらず、3日間も監禁されている子供たちが、
みんなその監禁生活を楽しんでいて、ひとりも「家に帰りたい」と言い出さないのも疑問でした。
ラスト近くに館長がサムに「どうやって終わらせるつもり?」と聞くシーンがあるのですが、
“きっとこうやって終わらせるだろうな〜”と考えていたら、ホントにその通りに終わらせてくれました。
レベル2
ホフマンは「この役をぜひやりたい。でも相手役はトラボルタでなきゃ、やらない」と言ったそうです。
本当なのかなぁ。
ジャッキー・ブラウン
メキシコの航空会社のスチュワーデス、ジャッキー・ブラウン(パム・グリアー)は、
その裏で武器密売人オデール(サミュエル・L・ジャクソン)の金を動かす
“運び屋”をサイド・ビジネスとして行っていた。
しかし、それが連邦捜査官レイ(マイケル・キートン)に知られて逮捕され、
懲役と出国許可の剥奪を言い渡される。
オデールはジャッキーが自分の悪事を捜査官に話すことを恐れ、保釈金融業者を使って彼女を保釈させたあと、
自分の身を守るために消そうとするが、失敗に終わる。
オデールに裏切られたジャッキーは、自分の出国許可と職場復帰を引き換えに、
レイにオデール逮捕の協力をすることにする。
ジャッキーは再びオデールの“運び屋”として50万ドルの金を運ぶことになるが、
その現場でレイにオデールを逮捕させようとする一方、その大金を奪い取る計画を立てる。
タランティーノの最新作。
この作品はそれほど激しいバイオレンスシーンはなく、タランティーノが苦手な私でも大丈夫でした。
ただ最初の部分で、ジャッキーを含むオデールを取り巻く人々の人間関係が分かり難く、
冒頭部分は訳が分からないまま観ていました。
それを理解出来てからの中盤のジャッキー、オデール、レイの騙し合いや、
ジャッキーの頭脳プレイや、タランティーノお得意の時間を入り組ませたストーリーの進行などは面白かったのですが、
その割にはラストがすごく平凡だったのが不満でした。
他にロバート・デニーロやブリジット・フォンダなどが出演していますが、
俳優たちにそれぞれ“意外”な役柄をさせているのは、タランティーノの企みなのでしょうか。
パム・グリアー、すごくかっこ良かったです。
それだけに“恋愛”は邪魔だったような気がします。
レベル3
サミュエル・L・ジャクソンのヒゲの三つあみは面白かったけど、長髪だけはいただけなかった・・・。
ディアボロス/悪魔の扉
フロリダに住むケヴィン(キアヌ・リーブス)は、過去に裁判で負けたことが無い敏腕弁護士。
たとえ依頼者が有罪だと分かりきっている事件でも、あの手この手で勝ち続けていた。
その才能を見込まれた彼は、妻・メアリーと共に
ニューヨークで大規模な法律事務所を経営するミルトン(アル・パチーノ)に招かれる。
ミルトンの下で働くことで、豪華な住まいと多額の報酬を手に入れたケヴィン。
しかし、“悪魔のような上司”ミルトンは、ケヴィンに困難な裁判を次々と担当させ、
ひとりで放っておかれることが多くなったメアリーとの仲はぎくしゃくし始める。
やがてメアリーはミルトン法律事務所の人々の異様さに気付き、それをケヴィンに訴えるが、
彼はメアリーがノイローゼから幻影を見ているものと思い込み、本気にしない。
しかし“悪魔のような上司”ミルトンは、実は本物の悪魔だったのだ。
“アホアホ映画”だと思い、あまり期待せずに観に行ったのですが、すごく面白かったです。
全く先の読めない展開で、予想出来なかった結末に“やられた!”という感じです。
アル・パチーノの悪魔ぶりもすごく不気味。
ミルトンがスクリーンに登場するだけで異様さが漂い、すごい存在感です。
本物の悪魔が出て来たり、血なま臭い部分もあったりと、オカルトっぽいテイストの作品ですが、
それだけではありません。
キアヌ演じるケヴィンの、汚い手を使ってでも裁判に勝たなければならない苦悩や、
多忙な仕事のため妻に寂しい思いをさせていると知りながらも上司の誘いを断りきれない状況、
病気の妻の看病と仕事との選択など、人間の心理を鋭く突いた部分もきちんと描かれています。
レベル5
「ゲーム」同様、好き嫌いが分かれる映画だと思いますが・・・・。