沖縄ミレニアム旅行記1



12月28日(火) 晴れ

お昼ちょうどに会社を早退。いよいよ「ミレニアムの旅」の始まりです。
新習志野駅でパンを買い、京葉線に乗って舞浜駅へ。東京ディズニーランドはミレニアム・カウントダウンの準備中。ディズニーランドゲート前スタンドでジュースを買い、羽田空港行きのリムジンバスに乗りました。ランチはバスの中ですませます。
年末の羽田空港は、やはり混雑していました。人が増えているのも確かですが、搭乗前の準備に時間がかかるようになっていたのです。カウンター預けの荷物にまでいちいち金属探知器を当ててチェックしています。こんなのは初めて。三線のケースにもさっそく不審の目が向けられ、「これなんですか?」ときかれるはめに。

JTAの荷札 「楽器です(ライフルケースにでも見えるんか)
「なんの楽器ですか?」
「三味線です(なんだっていいじゃんよ〜、もー)

(ちなみに、帰路の石垣空港では何もきかずに預かってくれたうえ、ターンテーブルに出てきたケースには、ちゃんと「三味線」の札がついていた。さすがJTA)

あのハイジャック事件以来やはり手荷物検査は厳しくなっているようで、荷物検査場への入口には長い客の列ができているし、警備員の数も増えています。少なくとも来年のサミットが終わるまでは、こんな状態が続くんだろうなあ。やれやれ。

6時ちょっと過ぎに那覇に到着。あたりにはまだ明るさが残っています。いつも会社を出る5時半過ぎには、外が真っ暗で星も出ているだけに、なんだか得したような気分。空気も柔らかくて、じゅうぶんな湿気を含んでいます。千葉のからっ風にすっかり痛めつけられたお肌が、みるみるうるおっていく実感。うれしい〜。
筋金入りのアトピー体質のわたしにとって、冬の乾燥はお肌の大敵。実際、沖縄に滞在しているうちに、なに塗っても改善されなかったおでこや指先の荒れが、どんどんおさまっていきました。もっとも、沖縄から帰って一週間もすれば、元のモクアミなんだけど。

サミット参加国の旗が飾られたウェルカムホールには、せんべえさんが待っていました。これから向かう東京の寒さに備え、すっかり着ぶくれしたせんべえさん。完全にまわりの雰囲気から浮いています(笑)。まず晩ごはん食べましょう、ということで、この間同じ島旅ML仲間の平山さんに教えてもらったレストラン、「うらしま」に行きました。このレストラン(というよりは食堂だね)、那覇空港ターミナルの到着ロビーと同じフロアにあるんだけれど、キャッシュコーナーの死角になっていて、意外に観光客には知られていない穴場。定食もボリュームたっぷりです。

食後は出発ロビーに戻って、ウェルカムホールに隣接するカフェテリアでくつろいでおしゃべりしました。ANAの最終便に乗るせんべえさんを見送ってから、タクシーで那覇高校まで。ちょっと道に迷って電話をかけるはめになりましたが、なんとか民宿「コバルト荘」までたどりつきました。

コバルト荘は、那覇高校のすぐそば、静かな住宅地の中にある一見普通のマンション。1階は経営者一家の住居になっていて、その前を通り過ぎて階段をあがると、そこに民宿の玄関があります。「こんにちはー」と中に入ると、入口右手にテーブルが置いてあり(元は食堂だったらしいが、今では素泊まりのみなので、みんなのくつろぎ場所になっている)、ひとりの男性が缶ビールを飲んでいました。

「ああ、いらっしゃい。お茶でも出しましょうね〜」

彼が経営者夫婦の息子さんらしい。わたしに宿帳を渡してくれたのはいいけれど、書くものがない。しばらくしてはっと気づいた息子さんはボールペンを出してきて、
「あっ、すみません、ちょっと酔っぱらってまーす」
と笑いました。
夜だとちょっとわかりにくい、コバルト荘への道
コバルト荘

わたしの部屋は玄関を入ったところのほぼ正面にある部屋でした。なかなか居心地がよさそう。窓の外には、木立のむこうに県庁庁舎の上のほうが見えます。廊下をへだてて反対側にトイレとシャワー室があり、夜外出する客のためには玄関と部屋の鍵を渡してくれるので、門限もありません。わたしは直接見たことはないのですが、話に聞く、昔々早稲田あたりにあった下宿屋さんの雰囲気に近いものがあるような気がします。

シャワーと着替えをすませた後、元食堂で呑んでいた息子さんと、ご主人に合流しました。泡盛を持ってきてくれた女の子は、みなみちゃんという高校生で、終業式が済むなり九州から飛んできたということです。あっぱれな行動力じゃ。その他にも泊まり客ではありませんが、アクターズスクールに1年通っていたコデラくんという男の子、内地の某県警に勤めていた元刑事さんなど、多彩なメンバーが次々と加わってきました。
この民宿の奥さんは、わたしが時々呑みに行く中野の居酒屋「山原船(やんばるせん)」のマスター新里愛蔵さんと同じ島の出身だそうで、「山原船」の常連さんがよく泊まりに来るそうです。わたしもその人たちにこの宿をすすめられたのですが、それを話すとご主人も息子さんも喜んで、「愛蔵さん元気かな〜」と、愛蔵さんの話や、「山原船」の常連さんあの人この人の話がはずみました。

結局1時頃まで呑んでいたのですが、途中で酔っぱらって居眠りを始めた元刑事さんが椅子から転げ落ちたのを機に、お開きとなりました。

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