多良間島・水納島旅行記5(1999.4.28 - 5.2)



5/1(土)曇り時々雨


水納島オフもとうとう最終日になってしまいました。
二泊にしとけば、もし天候の関係で島に渡るのが一日遅れても一泊はできるし、と思って二泊三日にしたのですが、やはり来てみると二泊でも足りない。もっといたかったなあ、と思います。

みんな朝から、島とのなごりを惜しむように、あちこち散歩したり、写真をとったりしています。わたしもカメラ片手に散歩に出ました。南北一号線で、宮国さんに船賃とコテージの使用料を払ってきたきつねさんたちとおしゃべりしていたら、そこに「6人目の水納島島民」がやってきました。実は、この人(女性です)には、着いたその日に北の浜で出会っていました。宮国家の一員らしいのだけど、誰だろう……と思っていたのですが、ここで初めて、ゆっくりとお話する機会ができました。なんと四男の弘市さんの婚約者でした。

すでに宮国家の一員として、牛の世話をしたり漁の手伝いをしたりと、忙しい毎日を送っているのですが、今日は久しぶりにお休みをもらえたそうです。そんな話をしているうちに、突如聞こえてきたものすごい悲鳴。

トラックの荷台に、脚をくくられたヤギが二頭載せられていました。今日は多良間島へ二度船を出すとのこと。わたしたちは第二便に乗って、昼頃多良間に戻ることになっています。そのヤギたちは、どうやら第一便で多良間に「出荷」されるようです。
水納島にいる牛もヤギも、決して観賞用に飼われているわけではありません。「コーラルウェイ」にのっていた椎名誠さんのルポにもあるように、水がふんだんにあるわけではなく、地味もあまり豊かではなく、ちょっと天候が悪くなれば海が荒れて船を出せなくなる水納島では、住民が快適な生活を営んでいくための収入を安定的に確保するためには、農業でも漁業でもなく、牧畜が一番いいのです。

売られていく牛やヤギにいちいち感傷的になっていては、とても生活していくことはできないんだけど、一見「牧歌的」な暮らしにも、かならずこういう現実がついてくるんだなあ、と、ノーテンキな都会人にはちょっぴり重たい出来事でした。

牛のマリコ
 





 どうして牛って、カメラを向けるとカメラ目線になるんだろう?








出発時間がくるまで、わたしたちは荷物をまとめ、部屋を片づけて掃除して、あとは多良間に戻ったらすぐ飛行機で帰ってしまう人もいるので、お互いに名刺交換したり、記念撮影したりして過ごしました。船が出るのは2時。お昼はみんな適当にすませた模様。今日の海はちょっと荒れそうなので、食べなかった人もいたはず。わたしは非常食として持ってきていた「カップ鮭茶漬」で軽〜くすませました。やっぱり船酔いは怖い。

さて、いよいよ出発。港で、第一便の戻り船に乗ってやってきた一団と出会いました。わたしたちと入れ替わりでコテージに宿泊予定だということで、一応今日一泊の予定なのですが、どうやら明日は海が荒れて、船が出せなくなりそうです。まあ、それも覚悟の上、ということでした。後日このグループのうちから島旅MLのメンバーになった人がおり、その情報から、やっぱり翌日は足止めをくらったことが判明。でも、そのおかげで追い込み漁の手伝いなど、珍しい体験もすることができたそうです。

miokuri.jpg
 





いよいよ離島







入れ替わり組と「6人目の水納島島民」裕子さんに見送られ、「しらはま」は水納港を出ます。今回はあまり荷物を積んでいないので、キャビンの中が空いています。わたし、カヨコさん、KONISHIさん、せんべえさんの4人がキャビン組になりました。帰りもやっぱり、けっこう揺れました。せんべえさんは、今回はしっかり酔い止めを飲んで乗船したようです。

多良間の前泊港に戻ってくると、そこには大人数のグループが待っていました。
全員水納島の出身者で、3日に島のお祭りがあるので、そのための「里帰り」だそうです。島を出た人、島に残った人、それぞれに、その決断にいたるまでには、さまざまな思いがあったのでしょう。それはわたしたち外部の人間には、はかりしれないものだし、また、言うべき言葉も持ちあわせていません。でも、島を離れた人たちにとっても、この島は他のどの島とも違う「世界でたったひとつの大切な島」であり、そこを宮国さん一家が守っていてくれるということは、とても重要なことなのだろうな、と思います。

わたしたちを降ろした「しらはま」は、元島民27名とその荷物と、少なからぬ量のお酒を積み込んで、水納島に戻っていきました。

ちとせ旅館前の路上で「水納島オフ」解散式を行い、今日の飛行機で島を出るせんべえさん、D介さん、イトーさん、イケダさんの4人を見送りました。残ったメンバーは7人。わたしとカヨコさん、きつねさん、うちはたさん、KONISHIさんの5人はちとせ旅館宿泊組。とよださんとコサカさんはキャンプ組です。今日のちとせ旅館は満室。やはりゴールデンウィークですものね。でも、あとで聞いたら、この時期島に3軒しかない宿の一軒が、臨時休業していたそうです。そのせいもあったかも。

わたしの部屋は2階の角で、水納島に渡る前に泊まったのと同じ部屋です。今度はカヨコさんと相部屋ですが、それでもじゅうぶんな広さがあります。荷物を整理し、ひと息入れた後で、また島のあちこちを探検。きつねさんとKONISHIさんは、島のあちこちにある「自然井戸」がいたく気に入った様子。ふたりでアマガーにもぐりこんで写真を撮ったりしています。なんなんだろ、この熱意は、いったい。

ぱなぱんぴん




 多良間の名物お菓子「ぱなぱんびん」の看板。
 「うやきがーす」もおいしいです。







ちとせ旅館の夕食タイムに、ひとりで島旅中のヤスコさんという女性と知り合いました。もちろん、即刻島旅メーリングリストに勧誘。 今回の水納島オフに参加したイトーさんとカヨコさんも、実はメーリングリストの会員ではなくて、沖縄ファンクラブの会員仲間というよしみでわたしが誘ったのですが、このあと会員になったので、今回の「水納島オフ」では、一挙に大量の会員を獲得したのでありました。

ちとせ旅館には、もう一組わたしの知り合いが泊まっていました。多良間島紹介のホームページ を作っている鈴木さんと、その友人で鈴木さんのホームページにユニークな旅行記を掲載している加藤さんです。お互い多良間島観光に忙しくて、あまりお話する時間がなかったのがちょっと残念でした。鈴木さんのホームページも、ぜひ見に行ってくださいね。

その晩は、残ったメンバーにヤスコさんも加えて、きつねさんの部屋で飲み会となりました。毎晩お酒とは縁が切れないなぁ。


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