8月23日の続き
控室に戻ってきたときは受験者は男性と女性ひとりずつが残っていたが、女性の受験者とその付き添い人の間でなにやらもめている様子。
やがて、付き添い人のおじさんがわたしのところにやってきて、
「あなた、今何うたってきたの?」 と尋ねた。
「作田節と子持節ですけど」
と答えたら、女性の受験者が「あっ」と息をのんだ。
「どうしよう。わたし暁節と子持節練習してきちゃった」
……。
受験曲は「作田節・子持節」ペアと「暁節・干瀬節」ペアの4曲2組だと今年の初め頃発表があり、その後、本番2週間前に抽選でどっちペアをうたうか決まったのだが……その人、どこかで曲の組み合わせを勘違いして覚えてきちゃったらしい。
あわてて「干瀬節」の練習をはじめる彼女。まあ2週間前まではどちらも練習してるはずなので、歌えないということはないだろうけど、ショックから立ち直るのはかなり大変。合格できたんだろうか……心配。
いやー、ほんっとコンクールって、いろんなことが起こるもんなんですねー(汗)。
最後まで歌えなかった人たちが、先生を始めとする友人・知人に「すみません」「ごめんねー」と頭を下げまくってるのを見て、
”師匠についてきてもらわなくてよかったかも……”
などという思いが頭をかすめたと同時に、なにがあっても自分からやめちゃいけないんだなぁ、という思いを強くした。
とにもかくにも、終わったぞ〜。
終了後記念撮影。
結果が出るのは今週末。まだ何日かあるわけだし、終わった事をあれこれ考えても仕方ない。宮森先生に打ち上げ会場の場所を教えてもらって、ひとまずNさんとコバルト荘に戻る(今日はNさんもコバルト荘泊まり)。部屋に戻って、まず脱いだ黒留袖をもう一度ひろげて着物ハンガーにかけ、風を通す。たとえボロボロに疲れていても、着物の始末はちゃんとしておくのがたしなみというもの。あとで後悔するはめにはなりたくない。
シャワーをあびてさっぱりして、着替えていざ打ち上げに出陣。この頃になると、緊張から開放された直後の疲労感もどこかに消え、妙にハイになってくる。
そのあとはもう、打ち上げではじけまくった。一次会会場でもがんがん歌い、その後「島思い」に移動したら珍しく大城美佐子さんがいて(なかなか会えないんですよ)、「十九の春」を歌ってくれたりしたもんだから、「きゃーナビィの恋とそっくりー」と盛り上がり、大胆にも大城美佐子さんの前で「浜千鳥」と「童神」歌っちゃって……(大汗)
大城美佐子さんと一緒に歌っているのは、沖縄芝居の役者さんだそうです。
大城美佐子さんとみんなで記念撮影し、その後はパーっとカチャーシーで発散し、楽しく那覇の夜は更けていった。