沖縄レンタカー旅行記2(1998.9.21 - 9.24)




9月22日(火)晴れ時々曇り所によってにわか雨

朝食後、チェックアウトを済ませてロビーでレンタカー会社の迎えの車を待ちました。ところが、約束の時刻を30分過ぎても現れない。さすがのわたしもしびれを切らし、レンタカー会社に電話してみました。

「すみません、迎えに行くホテルを間違えたようです。もう少しお待ち下さい」

おいおいっ!

結局迎えがきたのは約束の時刻の1時間後でした。いきなりウチナータイムの洗礼です。

レンタカー 空港近くのレンタカー会社に着くと、わたしたちを待っていた車は、マツダのユーノス・ロードスター、色は赤。よ、よりによって。

最初に沖縄をレンタカーで回ろうと計画を立てた時、借りる車種はなにがいいかということになりました。弟が最初に提案しました。
「ユーノス・ロードスターは?」
その提案はわたしの「ばかものっ!」のひとことで却下されたのでした。

その後費用の関係などで、車種はレンタカー会社のおまかせとなったのですが、まさかこういうことになろうとは。東京からのミーハー観光客御用達みたいなこの車と、これから3日間つきあうことになります。弟はトランクが狭くて荷物が入らないだの、後ろの視界が悪いだのぶつくさ言っています。

最初にこれがいいと言ったのはあんただろがっ!

車は那覇を出たところでいきなり大渋滞に巻き込まれました。最初に時間をかなりロスしてしまったので、牧港のビックディップ(ブルーシール・アイスクリームのパーラー)は通過。前日に国際通りのわしたショップで紅芋ソフトを食べたし、どうも今日はアイスが食べたくなるようなカラリと晴れた天気ではありません。

浦添のあたりではじめて、米軍キャンプのゲートがはっきりと目に入ってきました。嘉手納に入ると、道の両側はもう別世界。道の両側、金網の向こうに延々と続く芝生芝生芝生……ところどころ小山のように盛り上がっている部分があります(弾薬庫だということに後で気づいた)。

やはり百聞は一見にしかず。どんなに平和ボケしてたって、これを目のあたりにすれば、やっぱり「安保とはなんぞや」と考えずにはいられなくなる。
考えてみれば、わたしの隣で山下達郎なんぞ聴きながらのんきに車の運転なんかしているコイツが、機関銃の撃ち方を教わったり、泥の中を匍匐前進なんかしたりせずにすんでいるのは、こういう代償あってのことだもんな……おい、わかってんの、あんた?
 弟のツッコミ→これでは、なんか私は本当に平和ぼけしてるみたいじゃないか。これは心外だぞー。

読谷村・象のオリ




読谷村にて。道路正面に見えるのが「象のオリ」と呼ばれる楚辺通信所のアンテナ。






やがて車は読谷村に入りました。雨はだんだんひどくなり、「琉球の風」テーマパークに着く頃にはすっかり本降り。シーズンオフというわけでもないだろうに、ほとんど客の姿はなく、天気の悪さもあってなんだか入る気をなくしてしまい、小休止しただけで、昼御飯を食べる場所を探すことにしました。結局、再び国道58号線に戻って、沖縄ハム直営のレストランでお昼に。わたしはゴーヤーチャンプルー、弟はまたもステーキ。

石川に入ったところで、島を横断し、東海岸へ。やがてキャンプ・ハンセンの前を通り、映画「BEAT」のロケに使ったという金武新開地の前を通って、ヘリポート問題で名前が知られるようになった辺野古へと向かいます。途中、車の後ろから、「ドン、ドン」と変な音が聞こえてきました。

「なんだろうね〜?」

車のエンジンがおかしくなったわけでもないし、他の車の音でもなさそう。しばらくの間全然見当もつかずに首をひねっていたが、はっと思い当たりました。

「あれ、射撃訓練の音だよ!」

やがて車はキャンプ・シュワーブのゲート前を通り過ぎました。今日出会う米軍基地は、ありがたいことに、これが最後です。

車は再び山越えをして、名護に出ます。少し天気がよくなってきました。
「眠い〜」などと物騒なことを言っていた弟も、目の前に広がる海を見て俄然元気を取り戻します。名護から本部半島に入り、一気に瀬底島にかかる橋へ。弟は元気を通り越してハイになり、

「♪波は〜ジェットコースター……」

などと歌い出しました。こりゃいかん。早いとこどっかで休憩せねば。

瀬底島には今を去ること8年前、社員旅行で沖縄に来たわたしを「沖縄病患者への道」に引きずり込んだビーチがあります。あのころは素朴な雰囲気をまだまだ残していた島も、ゴルフ場ができて、道がいっそう整備されたような気がします。やがて車はビーチ手前のゴルフ場クラブハウスの駐車場に。とりあえず、コーヒーでも飲んで一服し、それからビーチを見に行きました。
瀬底ビーチにて






海だーっ!   






8年前にはトイレとシャワー室、更衣所と、移動パーラーが一台というたたずまいだった瀬底ビーチも、今ではキャンプ場やビーチハウスができ、海水浴客も増え、ずいぶんにぎやかなビーチになっています。でも水はまだまだきれい。台風の余波で外海の波はけっこう高いけれど、サンゴ礁がしっかりしているためか、浜にうち寄せる波はそれほどでもありません。

この後の旅程なども考えて、結局泳がずに、膝くらいまで海に入っただけで帰ってきてしまいました。海洋博記念公園なんか寄らずに、少々天気悪くても泳いでおくんだったなー、と後悔しています。

仕方ない、またいつかリターンマッチだ!

この後海洋博記念公園の水族館でジンベイザメやマンタを見た後、今夜の宿、マリンステイション海楽園へ。この宿、マリンスポーツ専門の宿だけあって、思い切り人里離れた河口近くの海岸にぽつりと立っています。
車だからよかったものの、サトウキビ畑を抜け、林の中を抜けてガードレールもない海岸ぞいの細い道を走る心細さといったら……歩いてなんて絶対来られないぞ。日の暮れないうちに着いて、よかった(笑)。

マリンステイション海楽園

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