墨攻 [DVD] 墨攻 (製作年度: 2006年)
レビュー日:2009.9.29
更新日:2009.10.30
評価:★★★
Yahoo映画リンク
IMDBリンク


解説(Yahoo映画より):
2000年前の戦乱の中国を描いた同名の人気コミックを映画化した歴史スペクタクル。10万の敵に囲まれた落城寸前の小国の城が、平和のために戦うという目的で助っ人にやって来た1人の“墨家”に救われる伝説の戦を壮大なスケールで描く。頭脳明晰(めいせき)で優れた人柄の主人公を、アジアのトップスターであるアンディ・ラウが好演。敵方の武将を演じる『デュエリスト』などの韓国の名優アン・ソンギとの対決も見ものだ。日韓中が協力して作り上げた渾身のドラマに胸が震える。


勝者はいない

面白かったです。楽しくはないけど。
戦争のむなしさ悲惨さは「レッドクリフ」より数段うまく描かれてました。たった一人で梁城を助けにくる墨者の革離は、はじめこそ後世の諸葛孔明ばりの知略で趙の軍勢を撃退するけど、その後は彼の功績をねたむ重臣や自分の地位をおびやかされると感じた城主に脚を引っ張られ、どんどん泥沼の情勢に……(-_-;)
(映画では梁国、梁王とされていたけど戦国時代のあの時点では、あの規模の領土では王は名乗れないはずだし国というのもちょっと変。まぁそれを言うならあの時代に漢民族の騎馬兵があんなにいるわけないんだけど)

結局かかわった人がみんな不幸な結末だもんなぁ。革離がいらん手出しをしなければ、あんな死に方しなくてすんだかもしれない人やら、こんな悲惨な目にあわずにすんだかもしれない人やらいっぱい出ますから。もちろん戦わずに降伏したほうが幸福だったかどうか、というのは誰にもわからないですけど。

最後に笑ってた城主だって、人心は離れるしデキのいい跡継ぎは失うしで自滅する将来が示されるわけだし。数年後に梁を落とす趙だって、結局は秦に滅ぼされるわけで…… 「レッドクリフ」と同じ「勝者はいない」というセリフが出てくるんだけど、確かに「墨攻」のセリフのほうが説得力ありました。


INDEX