ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ/天地争覇 (香港電影最強大全 1800円キャンペーン) 【初回生産限定】 [DVD] ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ/天地争覇 (製作年度: 1993年)
レビュー日:2010.6.7
更新日:
評価:★★★★
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解説(Yahoo映画より):
“ワン・チャイ”シリーズ第3弾。北京では、時の権力者・西太后が“獅子王争覇”と呼ばれる大武術大会を開催しようとしていた。試合を前に殺気だつ各流派の武闘家たち。武術の本分を説き、平和的に試合を行わせようとする黄飛鴻だが、外国政府による西太后の側近・李鴻章の暗殺計画が進行していることを知り、自身も大会に参加することを決意する。


痛快! 三部作完結篇

このシリーズ、この後もいろいろ作られたみたいだけど、3部作と割り切っちゃえばその最後を飾るにふさわしい華があって、なかなかいいデキではないかと。
確かにアクションが人間離れしすぎちゃってる面はあるけど、それはもう一作目からそうだったんだし、「痛快時代劇」のノリで見ちゃえば面白いです。
あと獅子舞合戦シーンがゴージャス過ぎて、なにがなんだかわからないほどゴチャゴチャになっちゃってるのがちょっともったいない気が。

ジェット・リーのウォン・フェイホンは、三作目がいちばん笑えるキャラに(笑)。
いや、ご本人は一作目からしごくまっすぐ真面目なんだけど、なんか笑えるシチュエーションに置かれる度合いが多くなってると言うか……(^^;

ヒロイン十三姨(シーサンイー)との仲がうまくいかなくて、拗ねたり弟子に八つ当たりしたりする姿が可愛すぎる(爆)。


【ここが美味しい名シーン】

戦ってる姿は相変わらずカッコイイけど、三作目で北京に乗り込んでからは時代の波に乗り遅れ気味なフェイホン。洋行帰りの十三姨が「挨拶の言葉」と教えた「アイラブユー」を誰にでも連発しちゃったり、彼女が留学時代の友人であるロシア人青年と仲良くするのが気に食わなくて思いっきり大人げない対応したりと、一作目でのあの国の将来を憂える面影はいったいどこに……という変貌ぶり(笑)。

しかし三作目随一の強烈キャラ、鬼脚とのからみでは一作目に近いシリアスな面を見せてくれます。
鬼脚はフェイホンの父が館主をしている広東会館(沖縄県人会館みたいなものかしらん。カンフー道場としての機能もあるようです)に殴り込みをかけてくるカンフー道場の門弟。悪徳道場主の意を受けてフェイホンや弟子の梁寛を襲撃するが、脚に大怪我をしてしまい、役立たずとばかりに道場から放り出され、雨の中に倒れていたところをフェイホンたちに発見される。

鬼脚の襲撃には大いに悩まされたフェイホンだが、怪我人を助けるのが医者の本分とばかりに彼を会館に運び込んで手当てする。鬼脚は意識を取り戻し、一度は治療を拒否して雨の中に飛び出すが、自分が濡れないようにと傘を差しかけてくれる十三姨や、何度打ち払われてもひるまず、ずぶ濡れになりながら自分を介抱してくれようとするフェイホンの人情に打たれて号泣する……

ま、ベタなシーンと言えば言えるんだけど、やっぱりここは「いいなぁ」という気がします。


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