チョコ日記 第12回

失敗しても大丈夫の巻 (^^ゞ


チョコレートが他の洋菓子と違うところの一つに、失敗してもやり直しが結構きくところがあるんじゃないかと思っています。テンパリングに失敗してブルームができたでも、そのチョコレートを刻んで、もう一度テンパリングをし直せば、奇麗なチョコレートが甦ります。テンパリングの最後の最後に湯煎の湯のが大侵入してしまった時も、お湯だけ棄てて、生クリームを加えてガナッシュにしたら、結構美味しく仕上がってびっくりしました。(^^)

先日も同じようなことがあったので、そのことを少し書いてみます。それは、オレンジ風味のガナッシュに取り組んでいた時のことです。銀座のルショワ和光のセビリアばりのフレッシュなオレンジ風味が出したいと思って、やってみたのが100%のオレンジジュースを煮詰めてオレンジピュレをつくり、それを生クリーム控え目にしたスイートチョコレートのガナッシュに混ぜること。250ccほどのオレンジジュースに水飴を大さじ1ほど加えて、どんどん煮詰めていって50cc弱ほどにしてみました。どろ〜っと半流動状態になって「ま、ピュレかな〜?」となったところで、生クリームと一緒にチョコレートに合せました。が、結果はバツ。オレンジの酸味ばかりでて、舌を刺すほど酸っぱいガナッシュになってしまいました(そんなの食べたことあります?)。その上、ガナッシュがいつまでたっても固まりません。無理矢理丸めることはできたのですが、すぐにヘタってしまって、とてもコーティングできるような状態じゃなく、すっかり気落ちして、そのできそこないのオレンジガナッシュは3日ほどそのまま冷蔵庫の中に放置されたのでした(笑)。

その後、「う〜ん、やっぱりもったいない。なんとかしちゃろ〜」と心を入れ替え、冷たいオレンジガナッシュを冷蔵庫から取り出しました(^^ゞ。とにかくオレンジの酸味が勝っているのだから、スイートチョコレートを追加し、生クリームを適度な固さになるくらいに入れ、最後にも一回グランマニエを加えっと・・・・。ちゃんと固まるかどうかわかんないから、型抜きチョコレートに入れてしまおう!というとっても適当なやり方でオレン ジガナッシュは再生しました。そして味は・・・・。チョコレートがパリッと割れて、中からガナッシュが出てくると口の中にフレッシュなオレンジの香りが広がり、味も適度に甘酸っぱいオレンジ味が広がるぢゃありませんか。我ながら感心するほど、見事なオレンジガナッシュの復活でした(笑)。チョコレートってとっても繊細で扱いも難しい割には、不思議な生命力というか再生力のある素材なんだことを実感した次第です。



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