チョコ日記 第15回

「センターは何にする?」の巻


トリュフなどの手作りチョコレートの多くは、様々な風味を持ったセンタークリームをチ ョコレートでコーティングするいう方法でできています。コーティングのピカピカしたツ ヤ、おしゃれな形もチョコレートにとって大事な要素ですが、やっぱり味の決め手になる のはセンターの味わいや香りでしょう。手作りチョコレート専門店のカタログをみると多 種多様なセンターが入ったチョコレートが紹介されています。プラリネやジャンドーヤな ど聞きなれない名前のセンターも沢山出てきます。そこで今日はセンターの種類をちょっ と整理してみたいと思います。今日の参考書は「チョコレート菓子」(吉田菊次郎著、柴 田書店)。これは製菓技術教本というシリーズの中の1つで、160以上の様々なチョコレ ートのレシピがそっけなく、淡々と書かれています。プロ向けの本のみたいだし、1977年 に出版されただけあって、地味っぽいチョコレートが多いんですが、センターの種類を大 別して書いてあり、「この原則を守れば後は自分で工夫してね」という感じでとっても参 考になる本です。吉田さんによれば、センターだけでも十何種類もあるそうです。(^^ゞ
主なものをあげると・・・・。

  1. ガナッシュ類
    基本は、生クリームとチョコレートを1対2の割合で混ぜ合せたもの。最近ではこの比率 よりも生クリームの量が多く、バターを入れることが多くなっている。もっともポピュラー なセンターで、チョコレートだけでなく他のお菓子(ケーキね)にもよく利用される。 大抵の場合、ガナッシュに洋酒やコーヒー、紅茶、カラメルなどを入れて、風味を加える。 コク出しのために卵黄を入れることもあるらしい(どんな味になるんでしょうね??)。 ナッツ類やフルーツ類(ドライやコンポート)を刻んで入れたりするのもポピュラーですね。
  2. プラリネ類
    ここでいうプラリネとはナッツ砂糖を焦がすまで煮詰めた飴を絡ませて、ローラーでひい たもの。粒状のものとぺ−スト状のものがあり、非常に香ばしくコクのある味が特徴。 (なお、スイスではセンターの種類に限らず小さな手作りチョコレート全体を指して 『プラリネ』と呼んでいるようです。)品揃えのよい製菓材料屋さんだと既製品が入手で きます。粒状のものはガナッシュやマジパンに加えるとパリパリサクサクとした触感が楽 しいセンターになります。ペースト状のプラリネはガナッシュやカカオバター、チョコレ ートなどを少量加えて味を整えて使用する場合が多いようです。プラリネを作る時のベー スとなるナッツにはアーモンドとへ−ゼルナッツがあって、2つをきちんと区別して売っ ている場合が多いようです。どんな風に味が違うんでしょうね?
  3. ジャンドゥヤ類
    砕いたナッツと生の砂糖を摺り混ぜて、チョコレート(またはカカオバター)を少量加え たもの。プラリネと似ているけれど、砂糖を生のままで用い、煮詰めたり、焦がさないの が特徴。使用するナッツはアーモンドとへ−ゼルナッツの2種類が多いようです(ピスタ ーシュものとかありそうな気もするけど)。使い方はプラリネとほとんど同じ?(笑)。 ヴェイス社やヴァローナ社やホームケーキでは既製品も売っています(ヴァローナのはめ ちゃくちゃ美味しかった〜)。既製品が入手できない場合には、プラリネペースト2に チョコレート1の割合で混ぜるとジャンドゥヤの代用になると、と本で読んだことがあ りますが、さてさて・・・・。
  4. ヌガー類
    糖液を煮て、飴状にして、ナッツ類を加えたもの。これだけだとプラリネと同じような気 がするが、ヌガーとして用いる場合にはペースト状にはせず、そのまま飴の形で用いる。 また、煮詰めた糖液に泡立てた卵白を加えた白いヌガーもある。できたヌガーをそのまま コーティングしたり、ガナッシュと重ねあわせたりしてセンターにするらしい。ヌガー類 が市販されていることはめったにないようなので(洋菓子屋では完成品が売ってるけど)、 手作りに挑戦してみましょう。ちょっとしたレシピ本なら、ヌガーの作り方は載ってます よ〜ん。
  5. マジパン類
    マジパンとは粉末にしたアーモンドに砂糖や水飴をくわえて煮詰めてペースト状にした もの。糖液を焦がしていないので、きれいな乳白色をしています。製菓材料屋さんでも よく見かけますよね。マジパンに洋酒やコーヒーを揉み込んで風味づけしたり、ナッツ や砂糖漬けの果物を加えるなどして使用します。色の白さを利用して、着色したり、 ガナッシュやジャンドーヤと組み合わせて見た目も楽しいセンターも工夫できますよね。 私はまだ食べたことがないので味が想像つかないんですけど、ぜひ一度試してみたい 素材です。
  6. フォンダン類
    グラニュー糖、水飴、水を煮詰めた後、冷やしながら擦りあわせて、ペースト状にした もの。クリーム状のお砂糖といってもいいでしょう。フルーツピュレやジュースをいれて 作るとフルーツ風味のフォンダンに。もちろん、洋酒やコーヒー、紅茶で風味づけしても OK。これを成型して、チョコレートでコーティングするという、なんだか、とっても甘 〜い感じのするセンターです。
  7. キャラメル類
    砂糖と水を焦げるまで煮詰めてカラメル状にし、生クリームなどを加えて飴状にしたもの。 フルーツなどを加える時には焦がさないこともあるみたいです。砂糖以外の分量によって は固さも様々で、ガナッシュやジャンドーヤに混ぜて風味づけに利用することもあれば、 固めに成型してチョコレートでコーティングするなど、使い方も様々。
  8. ボンボン・リキュール類
    砂糖と水を煮詰めて、洋酒を入れてシロップを作り、コーンスターチなどで作った型に 入れて、しばらく置くと、自然に外側だけ固まって、中は液体のままというボンボン・ リキュールができる(らしい)。これをチョコレートでコーティングすると、おなじみ 洋酒のボンボンができあがるって訳。不思議ですよね〜。考えた人は本当に偉い!ボン ボンといえば、おなじみチェリー・ボンボンはちょっと作り方が違ってます。洋酒漬け のチェリーにフォンダンをつけて、チョコレートでコーティングするだけ。しばらく置 いておくと、フォンダンが洋酒漬けのチェリーに侵食されて、チョコレートの中で液体 に変わっていくらしいです。うむ〜、奥が深いなあ・・・
  9. フルーツ・ナッツ類
    ドライフルーツや砂糖漬けフルーツ、ナッツ類をそのままチョコレートでコーティング するだけ。これは簡単!っていいたいところだけど、フルーツの煮方やナッツのキャラ メリゼ(飴がけ)に深いコツがあるみたい。

どうです?これだけでも、凄いでしょ〜。でも、実際にはこれらの素材を色々と組み合わ せて使うんですよね。そうなると考えられないくらいのセンターが(理論上は)できるっ て訳で、手作りチョコレートの世界もどんどん充実しそうですよね(^^)v

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