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      第6回筝曲古曲演奏会 
      2001年10月24日(水)午後7:00時開演 
      abc会館ホール 
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      ご 挨 拶 | 
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       本日はご多忙の中、私のリサイタルにお運びいただき、誠に有り難く厚く御礼 
            申し上げます。 
             小橋幹子先生のお勤めによりいたしました一回目のリサイタルから、今年で 
            20年近く経ちました。今までは、小橋先生の「身内のことをべらべらと書くもの 
            ではない。」という無言の圧力に屈して、文章にはできませんでしたが、今回はどう 
            しても小橋先生のことしか思い浮かばないのです。小橋幹子先生を生涯の師匠に 
            持てたことは、私の人間としても、演奏家としても、この上ない幸せなことでした。 
            先生の芸に対する厳しさを、芸大の学生だった6年間は毎日、卒業してからはほぼ 
            一週間に一度、お会いするたびに教えられてまいりました。純粋で率直なお人柄に 
            導かれ、寄り道をしないで芸に打ち込んでまいれましたことを、心から感謝せずには 
            いられません。その上、演奏活動を控えていらっしゃる現在も、月に一度レッスンを 
            していただいています。このレッスンの厳しさはそのままなのですが、今まで以上 
            に心と体に食い込んで、その後何日間も熱い思いがこみ上げて来ます。 
             本日は、小橋先生がその御演奏を一番と申し上げてよいほどに愛していらっしゃ 
            います青木鈴慕先生に特別出演いただき、懸命に演奏させていただきます。どうか 
            厳しい御批評、御鞭撻をお願い申し上げます。 | 
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      柳井美加奈 | 
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      演 奏 曲 目 
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      1.菜 蕗 | 
      筝 | 
      柳井 美加奈 | 
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      2.冬の曲 | 
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      筝本手 | 
      柳井 美加奈 | 
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      筝替手 | 
      平野 裕子 | 
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      3.残 月 | 
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      筝 | 
      柳井 美加奈 | 
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      尺八 | 
      青木 鈴慕 | 
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      曲 目 解 説 
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      菜 蕗 | 
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      八橋検校(〜1685)作曲 
            作詞 不明 
             筝曲の始まりは、組歌という、一つの歌の拍数が一定し、いくつかの歌が集まるという 
            形式からスタートしている。この「菜蕗」は、八橋の筝組歌十三組の表組第一曲目にあげ 
            られている。一つの歌が64拍からなり、七つの歌から成り立っているが、各歌の内容には 
            脈絡がない。第一歌は、身近な植物の名を仏教用語にかけた内容であり、他に源氏物語 
            (第二、五歌/花宴)や、和漢朗詠集(第四歌)、有名な故事(第七歌/史記荊軻伝)などの、 
            文芸的な表現を音楽的韻律に改変させて、七つの歌として構成されている。 
             江戸時代初期の作品で、鎖国の影響を強く受ける以前の大陸とつながりを感じさせ 
            る解放感を持っている。 
            一 菜蕗といふも草の名、茗荷といふも草の名、富貴自在徳ありて、冥加あらせたまへや。 
            二 春の花の琴曲、花風楽に柳花苑、柳花苑の鶯は、同じ曲を囀る。 
            三 月の前の調べは、夜寒を告ぐる秋風、雲井の雁がねは、琴柱に落つる声々。 
            四 長生殿の裡には、春秋を留めり、不老門の前には、月の影遅し。 
            五 弘徽殿の細殿に、たたずむは誰々、朧月夜の内侍のかみ、光源氏の大将。 
            六 たそやこの夜中に、さいたる門を敲くとは、叩くともよも聞けじ、宵の約束なければ。 
            七 七尺の屏風も、躍らばなどかこえざらむ。羅綾の袂も、引かばなどか切れざらむ。 | 
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      冬の曲 | 
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      吉沢検校(1808〜1872)作曲 
            松阪検校 補作 
             古今和歌集巻六冬歌から和歌四首をそのまま歌詞としている。雅楽の盤渉調を基に 
            して古今調子を生み出して作曲された。前弾は、雅楽の「陪臚」の主旋律にヒントを得 
            たと伝えられている。幕末の復古主義の影響を受け、筝曲本来の姿を意図したが、必ず 
            しも古典的な組歌の形式に従わず、各歌の拍子数は一定せず、新組歌ともいわれる。 
             明治の中頃に、松坂春栄により、手事と替手が補作せれ、以来手事物筝曲として有名に 
            なった。同様の形式で、春の曲、夏の曲、秋の曲等が「吉沢の古今組」とよばれている。 
             
            (前弾) 
            龍田川 錦おりかく神無月 時雨の雨をたてぬきのして         よみ人しらず 
            白雪の所もわかず降りしけば 巌にも咲く花とこそ見れ         紀秋 みね 
            みよし野の山の白雪ふみわけて 入りにし人のおとずれもせぬ    壬生 忠岑 
            (マクラ、手事、チラシ) 
            昨日といひ今日と暮らして飛鳥川 流れて早き月日なりけり      春道 列樹 | 
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      残 月 | 
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      峰崎勾当(1780〜1800頃大阪で活躍)作曲 
            作詞 不明 18世紀後半から19世紀中頃にかけて、地唄三弦と筝の組み合わせで、いわゆる地唄手 
            事物が、充実期をむかえる。「残月」はこの中で名曲の一つに数えられる大曲である。 
             峰崎勾当の門下の松屋某の息女が夭折したのを追善した曲とされ、曲題は、その法名 
            (残月信女)にちなんだものといわれている。前歌は手数も少なく、肉親を失った気 
            持ちを、淡々とした飾付けでうたっている。手事五段の妙を尽くした各々の手法に、 
            残された者の心理の起伏を織り込んだように思われる。 
             本日は筝と尺八のみの合奏である。 
             
            (前弾)磯辺の松に葉隠れて (合)沖の方へと入る月の、光や夢の世を早う (合) 
            覚めて真如の明らけき (合)月の都に住むやらん (手事五段) 
            今は伝てだにおぼろ夜の (合)月日ばかりや巡り来て | 
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