初夏に謳う
2002年5月25日(土)午後6時開演
あづみ野コンサートホール
《プログラム》
1. 硝子のこもり歌 第一筝 柳井 美加奈
(柳井美加奈作曲) 第二筝 平野 裕子
2. 春三題 横山 喜美子
(長沢勝俊作曲) 三絃 平野 裕子
3. 春の夜 筝本手 柳井 美加奈
(宮城道雄作曲) 筝替手 町田 眞澄
尺八 芦垣 一哉
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4. みだれ 柳井 美加奈
(八橋検校作曲)
5. 出雲路 第一筝 柳井 美加奈
(船川利夫作曲) 第二筝 平野 裕子
十七絃 横山 喜美子
尺八 芦垣 一哉
《解説》
硝子のこもり歌 
第一楽章 美しい和音にはじまり、ピチカート(指で弾く奏法)が優しい。
第二楽章 ゆりかごをイメージした3拍子の軽やかな楽章。
第三楽章 筝独特のトレモロ奏法の二重奏が、夜明けの空を思い起こさせる。後半は、6/8拍子の
早いテンポで貫く。スクイ爪による盛り上がりは、幻想的である。
春三題
春に寄せる三つの心象的な題材を描いた筝と三絃の二重奏曲。
(第一楽章)若草 (第二楽章)陽炎 (第三楽章)花吹雪
春の夜
大正2年、宮城道雄の京城時代の作である。歌詞は土井晩翠の詩集「天地有情」によるもので、
梅薫る春の夜に筝の音のしのび聞き、その主の美しい女性をかい間見、ひそかにほのかな、
思いを寄せた追憶をうたったものである。
みだれ
江戸時代初期に八橋検校が作曲した「六段の調」と同じ段物(だんもの)とよばれている器
楽曲である。段物は、各段が52拍子に統一された曲の速さが段を追って次第に速くなり、最後
の段の終わりでゆっくりと落ち着いて終わるのであるが、この曲は各段の拍数が一定でな
く、みだれており、速度も途中で緩急をつけるので、段物の例外であるところから「みだれ」
とよばれている。
出雲路
望郷の念を郷土の風景に託したもの。1960年作曲。
(第一楽章)清水の暮色 (第二楽章)祭 (第三楽章)宍道湖の夕映え