埋没危機政党公・共の正反対浮上策と有権者審判

 

トリプル投票結果での落選恐怖による変節と対応格差

共産党−3月7日志位応援演説で争点政策を突如大転換!

 

(宮地作成)

 〔目次〕

   1、埋没危機政党公・共の落選恐怖による変節と正反対浮上策 (表1)

   2、共産党前議員の07年選挙結果とリコール名古屋市議選結果 (表2)

   3、市長提案5回全面否決政党にたいする有権者の審判

       共産党−3月7日志位応援演説で争点政策を突如大転換!

 

 〔関連ファイル〕       健一MENUに戻る

     『県知事選・名古屋市長選・名古屋市議会解散住民投票』

     中日『名古屋の乱』名古屋市議選の選挙結果

     yahoo『名古屋市議選』 google『名古屋市議選2011』

 

     ザ・選挙『07年名古屋市議選結果』07年4月、16選挙区別データ

     共産党愛知県常任委員会『07年県議選・名古屋市議選の結果』07年4月9日

     赤旗『志位和夫応援演説―市長いいなりでなく、減税も全面否定』河村市長批判、3月7日

     赤旗『共産党が批判、市長いいなり議会を狙う』河村市長批判キャンペーン何回も

 

 1、埋没危機政党公・共の落選恐怖による変節と正反対浮上策

 

 トリプル投票結果は、4既成政党に大衝撃を与えた。それは、名古屋有権者が4既成政党に強烈な不信・怒りを抱いたことが原因だった。前議員全員は落選恐怖に襲われた。

 

    『トリプル投票結果−知事選・市長選・議会解散住民投票』

 

 リコール名古屋市議選は、減税日本と民主党・自民党との対決を中心として争われている。4既成政党中、公明党と共産党は埋没危機に直面した。埋没・議席減少危機からの浮上策はあるのか。

 

(表1) 落選恐怖による公・共の変節と正反対浮上策

埋没危機

争点1、報酬半減。2、減税

争点3、河村市長の姿勢

選挙戦術

 

公明党

()800万円に賛成

()減税でも低所得者層に配慮

河村市長の議会改革に全面賛成率先して取り組む

前議員16人を2人減らした。強烈な危機意識から、2減の14人立候補戦術に大転換。大村知事も支援し、知事与党に転換。大村の政党からも推薦取り付け

 

共産党

()800万円に賛成

()減税でも低所得者層に配慮

河村市長手法に全面反対。福祉を切り捨てる河村市政の暴走を止めよう。市政のチェックができる唯一の共産党

16選挙区立候補を無変更。立候補数削減による力の集中戦術を拒否。ただし、前議員8人絶対確保を目指す。もっとも、集中作戦をとろうにも、高齢化政党になったのでできない

 

    中日『名古屋の乱』名古屋市議選選候補者138人のアンケート回答−共産党16人も

    赤旗『共産党が批判、市長いいなり議会を狙う』河村市長批判キャンペーン何回も

 

 3月7日の志位応援演説内容は、河村政策(2)減税への全面否定だった。それは、共産党候補者16人(表1)争点1、2アンケート否定している。彼は、河村市長への強烈批判により、市長への批判票の受け皿になろうとする意図を剥き出しにする選挙政策・戦術を鮮明にした。

 

    赤旗『志位和夫応援演説―市長いいなりでなく、減税も全面否定』河村市長批判、3月7日

 

 しかも、志位和夫は、3つの争点中、(2)減税反対(3)河村市長批判を言っただけで、有権者にとって最大争点・関心事である(1)報酬800万円半減提案是非について一言も触れないで、沈黙・隠蔽した。名古屋有権者は、公明党志位和夫正反対浮上策・戦術どちらに賛同するのか。

 

 

 2、共産党前議員の07年選挙結果とリコール名古屋市議選結果

 

 07年当選の8人だけの選挙結果を見てみる。埋没危機政党が全員当選を果たせられるかどうかは、07年の定数内当選順位下がる危険性が高い見込み有無にもよる。減税日本候補者41人の参入により、順位が下がれば、かなりが落選する予想となる。港区・守山区・緑区3選挙区以外は落選の危険性が高い。結果として、3人が落選し、5人が当選した。

 

(表2) リコール名古屋市議選8選挙区の共産党結果

当落の数字は、立候補数における順位 07年緑区は2人立候補→11年1人

選挙区

07年結果

11リコール選挙結果

 

定数

当落

得票数

得票率

当落

得票数

増減

得票率

増減

北区

6

5当選

8188

14.5

5当選

6148

2040

10.2

4.3

西区

5

5当選

6437

14.5

5当選

4944

1493

9.5

5.0

昭和区

4

4当選

4664

14.4

7落選

3823

841

10.7

3.7

中川区

7

6当選

7685

10.8

7落選

5354

2321

6.9

3.9

港区

5

3当選

6089

13.1

5当選

5037

1052

10.5

2.6

守山区

6

3当選

6755

12.9

7落選

4752

2003

7.8

5.1

緑区

7

5当選

8836

12.6

5当選

5916

2920

7.2

5.4

天白区

5

5当選

6647

15.1

5当選

5394

1253

10.1

5.0

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

16区計

 

当選8

90824

13.26

当選5

62916

27908

8.14

5.12

市計

75

 

693734

 

 

780606

86872

 

 

昭和区・中川区・守山区の前議員3人落選、16選挙区すべてで得票数・得票率激減

得票率10%未満の07年3人→11年11人

07年投票率39.97%→11年投票率43.96%

 

    ザ・選挙『07年名古屋市議選結果』07年4月

    中日『名古屋市議選開票結果』16選挙区138人結果

 

 

 3、市長提案5回全面否決政党にたいする有権者の審判

       共産党−3月7日志位応援演説で争点政策を突如大転換!

 

 公明党、共産党とも、河村市長提案にたいし、4回とも全面否決した。5回目の柔軟提案にたいしても、結果として5回とも全面否決した。市長と議会との二元性をもっともらしく解説・主張する識者・ジャーナリストは多い。5回の経緯・真因を知ってきた名古屋有権者は、理想的で空想的な二元性など存在していないと認識した。その認識がトリプル投票結果になった。

 

    『トリプル投票結果−知事選・市長選・議会解散住民投票』

 

 ただ、うぬぼれて、年1630万円報酬の特権にしがみついてきた名古屋市議に、リコールでお灸をすえようとした有権者も多い。名古屋市議会解散リコールに賛成投票した人も、落選恐怖に襲われて、全面否決姿勢を放棄し、有権者にすりよった4既成政党に投票する可能性もかなりある。その有権者審判がどうなるのか。

 

 今回ほど、空気が読めない選挙=KY選挙は初めてだと、4既成政党候補者138人全員が発言している。従来は、16選挙区とも、定数から1〜2人がはみ出す程度だった。今回は、138―定数75=落選者63人が出る。

 

 4既成政党とも、5回全面否決政党にたいする有権者の審判による落選恐怖に怖れ慄いている。落選恐怖にたいする対応策は、4既成政党でかなり異なる。

 

 ()、民主党は、前議員27のままの現状維持立候補戦術にした。

 

 ()、自民党も、前議員23+1=24という微増戦術でちぢこまっている。

 

 ()、公明党だけが、前議員14―立候補見送り2=12確保という縮小作戦をとった。この性質は何か。それは、公明党が事前の2人自己落選戦術を選択したことを意味する。前議員2人は、この厳しい選挙情勢では、落選予想が出たので、立候補をさせないとの引導を言い渡された。涙を呑んで、決定に無条件服従をした。この事前自己落選戦術の背景は明白である。

 

 公明党は、従来から、統一地方選において候補者全員当選路線に固執してきた。現実にも、全員を当選させた実績を誇っている。創価学会員の信仰心を高め、確保するには、この実績を減税日本41人新規参入というKY選挙の激戦に直面し、前議員2人を切り捨てる非常手段をとることこそが上策である。

 

 ()、共産党は、前議員8+新人8=16という立候補激増戦術を維持した。高齢党員化政党に変質してきた党内状況において、力の集中作戦は不可能になった。それなら、全16選挙区立候補戦術で、「減税日本も含むオール与党」「河村市長の暴走を止める政党、河村市政をチェックできる唯一の政党」を宣伝するしかない。当落見込みを考えれば、日本共産党だけがもっとも危機意識の低い、選挙下手で、うぬぼれた政党とも言えよう。

 

 共産党−3月7日志位応援演説で争点政策を突如大転換!

 

 共産党候補者16人は、中日新聞アンケートにたいし、(争点1)報酬800万円半減に賛成、(争点2)減税賛成だが低所得者層に配慮と回答をした。ところが、志位3月7日演説は、(争点1)報酬800万円半減にたいし、賛否を一言も言わないで、沈黙した。(争点2)減税にたいし全面反対・批判をした。候補者16人と志位和夫との明白な食い違いが発生した。

 

    中日『名古屋の乱』名古屋市議選選候補者138人のアンケート回答−共産党16人も

 

 志位3月7日演説内容とは、共産党という厳格な上意下達政党において党中央決定・指令となる。全候補者は、志位指令にたいし無条件服従の義務に縛られる。全候補者は、3月8日以降、個性的言語を発しない金太郎飴16個に変身させられた。全員が、志位指令に服従し、志位演説言語をテープレコーダーのように繰り返す演説者へと、見事な変わり身を演じ始めた。

 

    赤旗『志位和夫応援演説―市長いいなりでなく、減税も全面否定』河村市長批判、3月7日

 

 彼ら16人は、アンケート回答に反し(争点1)報酬800万円半減問題にたいし沈黙した。(争点2)減税にたいし全面反対に転換した。(争点3)河村市長手法にたいし、暴走食い止め・チェックをする唯一の政党宣伝強化をした。3月8日以降、突如沈黙・全面反対・批判という大転換をした政党・候補者16人にたいし、名古屋の有権者は、どのような審判を下すのか。

 

以上  健一MENUに戻る

 〔関連ファイル〕

     『県知事選・名古屋市長選・名古屋市議会解散住民投票』

     中日『名古屋の乱』名古屋市議選の選挙結果

     yahoo『名古屋市議選』 google『名古屋市議選2011』

 

     ザ・選挙『07年名古屋市議選結果』07年4月、16選挙区別データ

     共産党愛知県常任委員会『07年県議選・名古屋市議選の結果』07年4月9日

     赤旗『志位和夫応援演説―市長いいなりでなく、減税も全面否定』河村市長批判、3月7日

     赤旗『共産党が批判、市長いいなり議会を狙う』河村市長批判キャンペーン何回も