にゃははははは、いやー参ったね。も、最高に良かった。 見っ事に裏切られましたねえ。お陰で興奮してよく眠れなくて、 翌土曜日は幸福感と睡眠不足でヘロヘロになりながら仕事してました。
●9/12 CD｢MONA LISA｣発売記念〜林栄一プレイズ スタンダード
at 新宿ピットイン
林栄一(as)、加藤崇之(g)、是安則克(b)、外山明(ds)
ゲスト：山下洋輔(p)
１部 Mona Lisa ／ Walking Shoes ／ All the Things You Are ／
What is This Thing Called Love ? ／ My Blue Heaven
２部 All of Me ／ Some Other Spring ／ 回想 ／ I Remember You ／
South of Border
（青文字がＣＤ収録曲）
前回同様、Mona Lisa で始まりました。林さんの音がとても丁寧。あ、今日は
加藤さんが結構気合い入ってるかもしれない。是安さんのソロはソフトで優しい音だなあ。
のっけから良い演奏を聞いて、高まる不安と期待．．．．。
３曲目から山下さん登場です。All the Things You Are ときましたか。どーかなあ？
え、良いじゃん。何だ大丈夫じゃないー。やだ、凄くいいじゃないかあ。
あのー、みんな良いのですけどね、加藤さんが乗ってるんですよ。で、私としては、
聞けば聞くほど、あーもー構わねーや、ちょっと位ぶつかろうがなんだろうが！ という
心境の変化を来してまして。（何といい加減な。）
弁解しておきますが、こちらも少し聞き方を変えてみようかな、という心構えを
してました。この間の ＡＵＳＩＡ で訳分かんない内に全方位型耳、
というのをやっていたので、あれの応用がきくかな？ などと。
ぶつかるのは多分、ｇ・ｐ両者のハーモニーの考え方が違うから
（楽器特性とかもあると思う）。プラス、音色の問題もありそう。
（チューニングの問題だ、という意見もありましたが、これはミミズの耳では判別
できなかった。）ということは、音を縦に重ねて聞くのではなく、
横に並べて個々に聞けばいいんだよな。えーとだから、なんだ。音声多重放送聖徳太子耳。
．．．．難しいけどね (^^;)
しかし、そういうことがとっても些細な問題になってしまう程、この夜の演奏は 良かったの！
恋とはなんでしょう？ なんてね。怒濤のサックスソロの水面下で、 静かなバトルが、もしくはピアノ・ギター・ベース・ドラム４者合体した 巨大リズム楽器の宴が繰り広げられて、ははは、余計なことなんぞ考えられない！
２部は再びカルテットに戻ってスタート。
Some Other Spring はスローテンポの曲で、加藤さん・是安さんの作り出す
ふところの深い空間がとても心地良いです。サックスの音がしみわたる．．．．。はぁぁ。
さて、前回ターニングポイントとなった 回想 。素晴らしかった！
加藤さん、ギターは箱のやつとソリッドのと２本用意してまして、
ソリッドのやつ（回想 ではこっちを使用）の音は特に決まる！ 続いて林さんの、
とても広がりを感じさせる音の連なりから徐々に興奮の度合いを
高めていくという、ブラボーもののソロ。そして、山下さんの出番。
今夜の山下さんは、乱暴とか過激とは無縁でした。わりと静かな調子で始めて、
やがてドラムに煽られるように白熱した音へ。音は白熱してるけど、実は
もの凄く冷静なんじゃないか、音の先の先まで見えちゃってるんじゃないか、
そーんなソロです。こういう時の山下さんは、はっきり言って怖い。
こちらは固唾をのんで聞き入ります。
逆に外山さんの方が興奮してたみたい。サックスの上り調子に合わせて
盛り上がったら最後、わー止まらない！
まま、山下さんのソロに突っ込んじゃった。どうしたんだあ？
All of Me でライブは最高潮に。なんて、スリリングでエキサイティングで
わくわくするプレイなんだ！
加藤さんがもの凄くかっこいい！ 何だか、わたくし、初めて加藤さんの
演奏を聞いたみたいに新鮮でした。今まで何を聞いてたんだろう？
山下さんも素晴らしくスイングしてました。幸せ！ あー、来て良かった。
ほのぼのと South of Border が終わって、メンバーが楽屋に消え．．．．た途端、
なーんとなく拍手がフェイドアウトしてしまったのは、空っぽになったステージを見て、
「・・・・もしかして今のは夢かぁ！？」なんて、ちょっと呆然としてしまった
ということも無きにしも非ず？
それでも、再び鳴り始めたアンコールの拍手に応えて、林さんひとりが登場、
一曲披露してくれました。やっぱり、丁寧な音で始まって、それが少しずつ少しずつ
変化して．．．．。実は、家に帰ってきたら、あの情景だけ（どういう脳味噌の怠慢だか
知らないけど）音が抜けてるんですよ。多分、Body and Soul か何かだったと思うん
だけど、私の脳裏には、ほの暗いステージの上で、影絵のような
ドラムやマイクスタンドを背にして、淡々と演奏する林さんの姿だけが焼き付いています。
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