10月3日(金)

●9/24-26山下・仙波3days at 新宿Pit Inn

 この間、初日分をリポートしましたので、今日は残りの2日間。 出演者と曲目は10月1日の日記を見て下さいまし。

 さて、初日同様、山下さんソロによる仙波山 でスタート。昨日と打って変わって、 何というか、火のついた仙波山。波乱に満ちた一夜のスタートにふさわしく、 もの凄い勢いの演奏でした。
 終わって立ち上がった山下さん曰く、 「見て下さいよこれ。わたしは今日は死ぬと思います。」(場内笑い。) なにって、ピットインのさして広くないステージに、ドラムが4セット! いやあ、へっへっへっ、楽しみだなあ。
 次の仙波さんとのキアズマ。これがまた凄くて。二人のリズム?呼吸?タイミング?、 とにかくバッチリ合ってて、しかも仙波さんのテンションが高い高い! 凄かったなあ、あのドラムソロ(今日のキーワードは凄いか?)。 ローリングの妙技。あんなにきめ細かく美しいロールはそうあるもんじゃない。 で、バシバシと終わった途端にうひゃやひゃひゃ・・・と、 仙波さんの笑い声。やってる当人たちが一番楽しいんだろうねえ。

 さてはにわ隊(この日の3人のゲスト)の登場です。 −−はにわといえば本来の'はにわ'はこんな、こじんまりしたものじゃないんで、 2月にやったはにわプチオールスターズでさえ こんなんだった。−−

 はにわの持ち味の一つは、メンバーがそれぞれに持ち寄った全然形の違う ドラムセットから叩き出される、ぴたりとユニゾンの複雑なリズム。 パーカス4人でやった2曲、最初に「ごあいさつ!」と植村さんが叫んで始まる演奏と、 2部の江戸囃子をアレンジした曲(だったと記憶してますが、違うかも知れません)で、 それをたっぷり聞かされまして、あれをやられるとミミズ、もう背中がゾクゾクしちゃう。
 ゲストそれぞれと山下さんの一騎打ち、というのも面白かったなあ。Spider では佐藤→田中→植村の順に「はにわピアノに挑む!」コーナーあり。 最初の二人は、とにかく山下さんの出方を見て(真剣な表情が凄くいい! あ、また凄いだ)即応する体制。お、結構やるじゃん、と。ところがしんがりの植村さん。 この人はほぼ互角。時には自分の方からも仕掛ける。つまり、ピアノvsパーカッションで 丁々発止のやり合いとなる。これはいい!凄くいい!(だーめだこりゃ....)
 こういう時の、仙波さんの嬉しそうな顔といったら! 山下さんも、「この人たちと一緒にライプチヒに乗り込むんですから、勝ったも同然。」 などとおっしゃてましたけど、まったくですね。(あ、今回の3daysは、 10/4ライプチヒでやるリサイタルの予行演習も兼ねてたのです。)

 3日目の竹井誠さんも、ドイツ公演のメンバーです。尺八と能管と篠笛を 使い分けてしまう方で、どーなってるんでしょう? 全然奏法が違うはずなんだけど。
 音色もまったく違いますが、うーん、このメンバーでやるなら能管が一番しっくり 来てたかなあ。なにせ、ピアノもパーカスも相当挑発的な音だったから(笑)。 あ、でも春の海、これは当然尺八の独擅場でしょう。即興をやろうと思ったら、 竹井さんがこういうネタを持ってきたらしいのですが、もっとしっちゃかめっちゃかに 崩れた春の海 だと、更に面白かっただろうな。もっとも、あれだけ完成した曲だと 崩すのも大変か。

 山下さん仙波さんのテンションはますます高く、ホント元気なおじさんたちです。 しかし、何で枯葉が三拍子になっちゃったんでしょうねえ? 気が付いたらなってた。 何が起こるか分かんないよなあ。

 クルディッシュ・ダンス五・七・五 に、一日目の一噌さんが乱入。 乱入と言いつつ、やっぱりリコーダー数本を駆使し、しっかり吹いてました。 三日目だけ来た人は得しましたね。
 しかし、どーなってるのだ、は仙波さんです!五・七・五 という曲は、俳句を ハナモゲラ的に楽器で詠んでしまえという曲。 ぎょぎぇぎぇぎげ・ズジャジャジジジャジュ・づだどでぢ と皆で一斉に勝手に詠んだ後、暫く びへら〜 とフリー演奏になって、適当なところでドラムをきっかけに、 皆でまた一句詠むと。ドラムの出方次第で、超早になったり遅くなったりするんだけど。 最後の一回、仙波さんそろりそろりと中央に出てきて、傍らに置いてあった 竹井さんの能管を拾い上げて、ピロピロ吹いてしまった。 おいおい、なんでそんなもの吹けるのよー(TT)....結構いい音だった。
 実際、あの師匠はあなどれません。

 さて、ドイツ公演の顛末やいかに!ああ、ドイツまで追いかけて行かれたらなあ。


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