8月22日(金)夜の部

アース・セレブレーション
第一部 レネゲイズ・スティールドラム・オーケストラ
第二部 EC10周年記念おめでとうバンド
     〜山下洋輔(p)・レナード衛藤(和太鼓)・渡辺香津美(g)・
      スティーブ衛藤(prc)・山木秀夫(ds)

 家を8時半に出て、小木についたのが4時45分。すぐに宿に電話、 迎えのバンに乗って5時に民宿入り。着くやいなや夕飯をかっこんで、 やはり宿が出してくれるマイクロバスで出発、5時45分、会場受付け着。
 前夜、ど残業の末、家で荷造りして更に書類を2枚片づけて会社にFax. いれて、ようやっと2時間だけ寝たわたくし、車中・船中ずうーーーっと 寝続けていたにも関わらず、まだ朦朧としております。朦朧としたまま 城山公園の急な坂道を登り、朦朧としたまま居場所を確保し、朦朧として いるのにコンサートが始まってしまいました。

 トリニダード・トバゴという国には個人的に若干の思い入れがあるので、 やっと本場のスティールドラムの生演奏が聞けて結構感慨深いものがありました。
 この国はカリブの国々のご多分にもれず他民族他宗教国家なんだけど、 そういう国にありがちな民族対立や宗教対立、それに伴う暴動やテロがない 平和な民主主義国家、というのを誇りにしている。(全然ないはずはないと思うけど。) その象徴がカーニバルであり、カリプソでありソカである、と。
 何年か前に、カリブ諸国のことを調べてまわったとき、確かそんなような 記述を読んだ記憶があります。
 でこの、トリニダード・トバゴ特有の音楽であるカリプソ。ノリが良いけど、 決して激しくはない、むしろ心地いいくらいのテンポ。風刺性の強い歌詞が 付くことが多いのはレゲエあたりと似てますね。スティールドラム・オーケストラで 演奏する場合、歌詞は付かないんで、えーと、そういう場合でも音楽形態としては カリプソと呼んで良いのかな? ともかくこいつがレパートリーの中心に なってましたけど、だけじゃないんだなあ。
 いや、「花のワルツ」には度肝を抜かれました。そう、あのチャイコフスキーの バレエ音楽「胡桃割り人形」の中でももっともポピュラーなワルツ。  無理にノリノリのリズムにアレンジしたり、切り刻んでコンパクトにまとめたり ということを一切してません。もとのオーケストレーションをそのまま スティールドラムに置き換えた感じ。ハーモニーがむっちゃくちゃきれい! この楽器がいかに美しい音色を奏でられる楽器であるかを見せつける好企画でした。
 座って聞いている人たちを邪魔しないように、客席の両脇にいつの間にか 踊りの帯ができてまして、これが見もの。客席の右側はどうやら強力な指導者が いると見えて、見る見る間に振り付けが揃っていく。逆に左側はそれぞれ結構 個性的に踊っている。で、ワルツの時はちゃんとワルツで踊ってるんだな。 手をつないだままクルリとターンしたりなんかして。
 アンコールに「上を向いて歩こう」というのが泣かせます。思わず口ずさまずには いられない。

 さて、10周年おめでとうバンドです。当然、最大のお目当てv(^^) 。

 オープニングをよく覚えてないんですが、レオのソロで始まって 打楽器隊が加わって、最後にジャズ隊(山下さん香津美さん)が入って 終わったんだっけな? 瞬間的に、レオとスティーブと山木さんの3人で打楽器の大競演になった 場面が非常に格好良かったです。折角の打楽器の祭典なんだし、 あれをもっともっと聞かせてくれれば良かったのにな。
 スティーブ(レナード衛藤のお兄さんです)は音・姿・動き、 どれをとっても誰よりも目立ってました。ほかの4人はわりと堅気な格好を してるのに(あ、いや、レオは上半身裸か....)ひとりだけパンクだし、 演奏が最高潮に達したところで花火か!? と思ったら電動ノコだかグラインダーだか でその辺削って火花散らしてたとか、1mくらいの鉛管をコーンと叩いちゃ投げ上げ 叩いちゃ投げ上げ・・・・その動作のリズミカルなこと。
 注目の的でありまして、山下さんも結構、スティーブをマークしながら 弾いてるように見えました。山下さんは、いつも通りサポート役というか まとめ役に回ってた気がしますが、楽しそうで凄くいい顔してた。 最初から相当ハイで、拳固・肘打ちは当たり前。決めるところは決めてたし。 このメンバーで、よくあれだけピアノの音が聞こえたものです。

 香津美さんとのデュオによるクレオパトラの夢は素晴らしかったです。 (そういえば、渡辺香津美が山下さん同様、白づくめにベストという衣装 だったのは、この場面の為?) ピアノの音がPAのせいで野外向けにボワンボワンになってたのは このさい置いといて、やっぱりあの二人のデュオ演奏は凄い。 あうんの呼吸ってのはあーゆーのを言うんでしょう。
 あ、香津美さん、アコースティック・ギターはこの時だけで あとはエレキを弾きまくってました。うーん、かっこいいぜ!

 かくして朦朧頭は麻痺頭に....(苦笑)。

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