平成9年12月議会報告


大庭議員の一般質問・・・見てね!!


目次


大庭議員は12月定例会において1時間45分に及ぶ論戦を交わしました。
ここに、質問要旨と答弁をお知らせします。(議事録をご希望の方は後援会まで)   
また、寄付問題は新聞記者も久しぶりに聞いた議会の論戦、ということで新聞にも取り上げられました

市長の政治姿勢について


 平成10予算編成に向けての考え方について伺う。また、本市の農工商それぞれの産業の動向、雇用情勢等、全般的に どのように分析されているか伺いたい。


 農・工・商それぞれの出荷額等の動向につきましては、今日的状況を正確に反映できる現時点でのデータがございませ んのでお許しをいただきたいと存じますが、聞き及ぶ情報ではいずれもダウンは避けられない状況と判断しております。 雇用情勢につきましては、10月現在ではありますが、磐田公共職業安定所管内の有効求人倍率が、1.24と他地区に比  ば良いももの厳しいものとなっています。

 市税収をはじめとする各款別の収入状況、各課の予算要求の実状と財政見通しについて伺う。




 平成10年度の税収見込みでありますが、まだ予算編成前ということで細かく内容が申し上げられる段階ではありません 。あくまでも見込みであります。期待値ということでもあります。平成10年度の税収の見込みの主なものでは、市民税が 約28億8千万円、それから法人市民税が約16僚円、それから固定資産税・都市計画税が約59億円、それらが見込まれます。

 本市の補助及び単独事業割合と、単独事業削減についての見通しについて伺いたい。



 特に、削減率は設定しておりませんが、総量規制という中で全体といたしましては何らかの影響は避けられない状 況にあります。参考までに、平成9年度における単独事業費の割合は、17.8%となっております。

 全国の自治体で地元建設業者優先枠の設定など保護策を考えているようだが、事業減が予想される中で、本市の状況と考え方について、伺う。

 地元業者への保護対策についてでありますが、適正、公正な事業機会の確保に努めているところでありまして、今後に おきましても積極的な育成に心掛けてまいりたいと存じます。

 国県補助金の抜本見直しの本市への影響がどの程度になるのか、伺いたい。




 今年度も、耐震性防火貯水槽10基の要望に対して採択3基という実情や市道をはじめ2級河川に対する補助金廃止の方 向も示されておりますので相当厳しいものとなることが予想されます。特に、新規事業採択につきましては、厳しい状況 と判断いたしておりますので、採択に向けまして強く要望してまいりたいと存じます。

 県の行政改革案の中で、本市に関係する、小笠山総合運動公園関連の変更が打ち出され、スタジアムの仕様変更やメー ンアリーナ、アクセス道路の整備年次の1年延期、サブアリーナ、及びプール整備計画の当面延期と言うことが発表され た。
全体事業がこのように縮小され所期の機能は発揮できるのか、イベントだけでなく、スポーツ選手の技能向上、リハ ビリを含む滞在型の施設として注目をしていた医科学センターの今後の設置見通しはどうなるのか、特に本市では県当局 の指導、協議の中で進めてきた医科学センターとの連携できる施設としての温泉発掘計画を進めてきたが、今後県との関 わりの中でどうなってしまうのか伺いたい。





 県の主要プロジェクトである小笠山総合運動会園関連事業の見直しについては、財政事情が厳しいおりから進度調整や関連事業、施設の仕様について検討が行われたと聞いております。
その内容については、小笠山総合運動公園のスタジア ムの仕様の変更、メーンアリーナの整備年次の1年延期、サブアリーナ及び温水プール整備計画の当面延期、その他の公 園施設整備計画の見直し、アクセス道路の一部暫定2車線化と整備年次の見直しがなされるとの説明で、今後、関係する 機関との協議をすすめながら、10年度の予算編成作業などを通じて、具体化に努めていくとのととでありました。計画が たち上がった平成4年度から県との信頼関係に基づき、地元の皆様との合意形成、用地取得のご理解、新駅設置事業、土 地区画整理事業をはじめとする周辺整備事業などの推進を図り、積極的に協力し、押し進めてまいりましたことからも、 当然、当初計画どおりの整備をお願いしております。
また、今後においても内外ともに厳しい状況である事は承知してお りますが、新世紀における袋井市の夢実現のためにもワールドカップサッカー大会、国民体育大会の開催準備に向け全力 で取り組んでまいりますので議員各位におかれましてもなお一層のご支援を賜りたいと存じます。 
 医科学センターの見通しについてでありますが、県で所管する教育委員会にも主要 プロジェクトの見直しに対する影 響について確認をいたしましたところ、効率的な施設配置、有効な施設利用の観点で小笠山総合運動公園への併設を模索 してきた経過から、公園事業の進度調整を見ながら整備を予定としているとの回答でありました。
このスポーツ医科学セ ンターについては公園施設の将来運営にも大きく寄与する施設であり、健康文化都市の核施設にもなり得ますので、後に お答えする温泉開発との関連も模索する中で、公園施設整備の躍進と合わせて県当局に粘り強く要請をしてまいる所存で あります。  温泉開発のスケジュールについては、市民各層が身近に健康増進と憩いの場としての活用が図られる施設整備を前提に 考えておりまして、併せて、先ほど経過をご説明したスポーツ医科学センターにおける利用も望ましいと考えております 。大変厳しい状況下ではございますが、今後十分検討をさせていただき、その方針が定まり次第、市議会にお諮りさせて いただきたいと存じますので、ご理解をいただきたいと存じます。

 こうした事態を受けて、本市が抱える3大プロジェクトにかかる平成10年度予算上に盛り込む事業費、そして経費等 予算がどの程度になるのか、伺いたい。





 まず、公共下水道事業でありますが、第1期事業は平成11年3月の供用開始に向け、順調に維移しているところでありまして、平成10年度におきましても引き続き処理場をはじめ、管渠の布設を推進してまいります。また、小笠山総合運動公 園関連も含め、第2期事業にも取り組んでまいります。 
次に、北部まちづくり事業につきましては、土地区画整理事業をはじめ、公民館やプールなどの月見の里づくり事業が 本格化してまいりますが、その財源には、新世紀飛躍のまちづくり事業補助金や地域総合整備事業債などの特定財源を効 果的に活用することで、一般財源の持ち出しを極力押さえるよう努力してまいりたいと考えております。
次に、小笠山総合運動公園関連事業でありますが、現在、JR新釈設置に係る負担割合について県との協議を精力的に重 ねているところであります。平成10年度事業といたしましては、新駅や自由通路の設計をはじめ、新駅建設に向けての諸 準備が予定されております。 なお、平成10年度の3大プロジェクトの事業費の概算でございますが、北部まちづくり事業で総事業費は14億円、下水 道では1期分が13億円、2期分が7億円で、合わせまして20億円、それから小笠山周辺関連では14億円とこのように予測を されます。

 平成10年度は、市制施行40周年という節目の年になるが、目玉事業をどのように考えていくのか伺いたい。


 来年は市制施行40周年を迎えますことから、ソフト、ハード両面での記念事業がその中心になってくるものと思われま す。具体的には東海道53次のどまん中という本市の特性を広く情報発信していくための「五街道どまん中サミット」をは じめ、「どまん中袋井街道文化産業祭」などの開催、また環境に配慮しての「仮称まちを美しくする条例」の制定、さら には「愛の鐘」設置などでありまして、21世紀に向けて、大きな広がりを持った重要な事業であると認識しております。

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地方分権について  
4次勧告の本市への影響
  勧告で提示された事業の具体的影響   
  県 独自の委譲項目の範囲と受け入れ可否


 地方分権推進委員会第4次勧告のなかの権限委譲項目と本市への影響を伺いたい。




 第4次勧告では、人口20万人以下の市に対して、児童扶養手当の受給資格の認定や鳥獣の捕獲飼養の許可など8事務を委 譲すべき事務として勧告しております。これらの事務には、既に市において部分的な事務を行っているものや事務の対象 が極めて少ないものなども含まれております。また、静岡県においては、地方分権推進及び権限移譲分科会を設置し、平 成12年度末までの向こう3カ年で県から市町村へ移譲していく項目として37法令142事務、更に長期的な視野に立った移譲 項目として2法令18事務をとりまとめております。これらの事務のうち、本市に閑連するものは、26法令105事務でござい ます。

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権限委譲によるメリット、ディメリット  


 地方分権もいよいよ具体性を 帯びてきたということで今後の地方分権の準備が必要となる。実際委譲された場合本市への影響、市民への影響とこれらに伴うメリット、ディメリットをどのように考えているのか伺いたい。


 分権型社会が実現されるとの考えからできる限り、県に対しては移譲対象事務は受け入れる旨の回答をいたしたところ であります。これからは、国や県に対する過度の依存傾向を改めるなど職員の意識改革と職務能力の向上を図り、真に自 立した行政主体へ自己改革を進めてまいりたいと存じます。

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行政改革について

業務点検・補助金について(見直し経過と今後のあり方)


 行政改革の推進と言う観点から事務事業の見直し、その内の関連団体への補助金等の 適正化に向けてということで伺 いたい。



 補助金・交付金の見直しにつきましては、昭和57年以来継続的に行っているものでありまして、地味ではありますが着 実に成果を上げてきたところであります。本年度も袋井市行政改革実施計画に基づき、実施したものであります。見直し のポイントといたし ましては、目標水準を達成したものや投資効果の低いものについては廃止・縮小、また、継続する ものについては終期の設定、さらに新規補助金は抑制するとともに民間団体の運営費等については団体の財政状況等にも 考慮するというものでありますが、実際の作業となりますと、歴史的な背景や政策的判断など、大変難しいというのが実 情であります。今後の見直しにあたりましては、行政改革という観点から、更に厳しいものを求めていかなければならな いと存じますので、より具体的な見直し基準の設定等を含め、検討してまいりたいと存じます。

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内部規定、要綱の有無に対する見解


 補助金は削るべきは削り、必要なものは、一層充実すると言ったメリハリをつけてこそ意義がある。本市の補助金は文 書、要綱を制定していないものが1/3もあり問題だ。今後基準を設けるなど、内部規定を整理すべきと考えるが
どうか。




 補助金の内部規程及び要綱については地方公共団体は地方自治法第232条の2の規定により、公益上必要がある合には 各種団体に財政上の援助を与えるため祷助金等を交付することができることになっております。この場合における名称は 、補助金、助成金、交付金などで、現在、本市における補助金等は自治会公会堂建設費補助金をはじめとして種々にわた る補助金、交付金を支出しているところでございす。こうした補助金等の支出につきましては、法令等により地方公共 団体に支出が義務付けられているものから地方公共団体の自主的判断に委ねられているものまで、様々でございます。補 助金の交付はややもすると安易に流れやすく、補助金の交付の目的、内容等について適正化を図る必要性があるとの判断 から、国は「補助金等に係る予算の執行の適性化に関する法律」を制定しております。この補助金適性化法の規定は、地 方公共団体体が独自に支出する補助金等については、原則として適用されないことになっておりますが、補助金等の支出 にあたっては、交付申請、決定通知書等までの手続きを明らにする必要がございます。  このため、地方公共団体では、これらの諸手続きを補助金交付規則とは別に、補助金ごとに要綱等を定めて処理してい るのが通常でございます。 本市におきましても、補助金等の扱いは、補助要綱で処理しておりますが、補助金等の性格や内容によつては、予算の範 囲内において市長決済により処理しているものもございますので、今一度、これらの諸手続が適切であるかチェックして みたいと考えております。 また、要綱等で制定した方がより適切であるものが有れば、今一度調査をしてみたいと考えております。

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割り当て的寄付金の見直し


 自治法においては法224条分担金、225条使用料、さらに227条手数料と言うことで徴収可能としている。受け て、228条においては分担金、使用料、加入金、手数料に関する事項は条例でまたは規則でこれを定めなければならな いとしている。本市においては、一般特殊寄付、福祉、教育の寄付以外に未だ、耐震性防火水槽設置地元寄付金、急傾斜 地崩壊対策事業地元寄付
金等、寄付収納にて事業を進めている。この件に対する条例制定、の考え方、地方財政法4条の 5の割り当て的寄付金の禁止という条項に当てはめて見解を伺いたい。 また、耐震性防火水槽は、その必要性から以前の10%地元負担を、大庭の提言で5%にした経過があるが、県下の他市 の情勢を勘案して、さらに、この寄付金(負担金)について廃止する考えがあるか、伺いたい。


 割り当て寄付金の解釈については、地方財政法第4条の5により定められておりますが、本市における耐震性防火水槽の 整備や急傾斜地崩壊対策事業については長年の慣例として善意の寄付として扱い、地元の要望に応えてきたところであり ますのでご理解を賜りたいと存じます。なお、地元負担金についての対応につきましては、今後の見直しの中で検討してまいりたいと存じます。  
 (再答弁)より             寄付金の扱いで、法令を例にとっての再質問でございました。確かに、明記されております地方財政法には割り当て的 寄付等の禁止ということで、その条文の紹介もございましたけれど、法第4条の5によって「地方公共団体は住民に対し、 寄付金を割り当て、強制的に徴収するようなことをしてはならない」というふうにございます。その強制的に徴収しては ならないのは、政令で明記されている面もあります。財政法の政令では市町村がその住民に負担を添加してはならない経 費として第16条の3に「市町村の職員の給与に関する費用、市立小中学校の建物の維持管理費」ということで、解釈が様々でございます。先程の答弁で申し上げましたように、崖地の例でいきますと、確かに受益者が限られ ておりますので、これは性質的には受益者負担であろうという見解の中でとらえてまいりました。それが法解釈として妥 当であるかどうかというのは、いま少し検討していかなければならないと思います。 また、耐震性防火水槽につきましては現在5%の地元負担となっておりますが、これは平成7年まで10%であったものを 8年から5%にしましたということがございます。そういうことで将来的な検討をしていかなければならないと考えており ます。

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病院問題 ・病院経営について

3次計画の総括・集学的医療施設ほか導入機器の効果


 3次計画(1次:計画診療棟増築・2次:病床増設・3次:ガン治療等機器導入)で導入された、一連の施設を専門的 には、集学的癌治療施設ということで、県内はもとより、国内でも数少ない特殊施設と言うことだが、開設して4年、ど のような成果、実績が上がっているのか、また、所期の目的は達しているのか伺う。




 まず、地方自治体の経営する病院の経営環境を見ますと、大変厳しいものがあり、全国自治体病院1,074病院の中で60 %前後が赤字経営を強いられ、その累積赤字は9,474億円に達しております。自治体病院は、高度医療や救急医療、在宅 医療等々収支ベースを視野から外しても医療需要に応じて、医療の提供に努めなければならない責務を負っています。
こ うした状況の中で、静岡県内の22自治体病院の平成8年度決算では、医療活動に直接関わる収支、即ち医業収支では6病院 のみが黒字経営を示す結果となりました。袋井市民病院もその一角を占め、引当積立金を含めた収益が1億4,600万円余 となり上位から2番目の経営成績を修めることができました。経営基盤の確立は、医療関係のマンパワーの充実や高度医 療機器等施設の拡充への対応が可能となり、良質な医療サービスの提供につなげることができますので、大変重要であり ます。昨今の医療保険制度の動向を見ると、更に厳しい状況が予測されますが、今後とも健全経営に努めていかなければ ならないと考えております。 
それでは、病院経営についての第3次計画の総括について集学的医療施設ほか導入機器の効果についてのお尋ねにお答 えします。平成5年に開設した検査棟、ガン診療センターも早4年余経過しました。その成果実績でありますが、供用開始 の平成5年8月から9年10月までの実績は、次に述べるとおりであります。まず、放射線治療装置は手術中の照射を含めて 、延ベ14,105回となっております。温熱療法は延ベ162回、核磁気共鳴断層振影装置のMRは、延ベ11,327回となってお ります。温熱療法をのぞきまして相当な利用頻度となつております。また、血管撮影装置も延ベ5,347回となっておりま して、利用度が高まつております。
さらに、ガン診療センターの整備は他の医療機関からの紹介患者を増大させる契機と なりましたし、導入した機器はガンの診断、治療にとどまらず、3大死因疾患である心疾患、脳血管疾患の診断、治療に も大きく寄与しており、血管撮影分野の高度医療を袋井市民病院に定着させる要因となったことは確かで、所期の目的を達成したと判断しております。特に、最近では脳神経外科や循環器科における血管内手術の技術が県下でもトップレベル であることは、先日、新聞にも報道されたとおりであります。高度な医療技術をもつ医師の確保とともに、これらの機器 が導入されたことも、その要因であります。

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病院財政計画・一般会計繰り入れと
起債償還見通し・財政計画の総括と今後


 今後の一般会計からの繰り入れ見通し、そして、起債等償還の見通しはどのようになっているのか財政面でのこれまで の総括と今後の計画という観点から伺う。












 当病院は、昭和54年9月に現在地に新築移転し、平成9年度で18年を経過しました。この間、昭和60年に外来診療棟の増 築、平成元年に150床の病棟の増設、平成5年にガン診療センターの開設、本年9月には透析センターの開設と幾多の資本 を投じまして、医療施設の整備・充実を図ってまいりました。経営の状況については、平成元年までは順調に推移し、医 業損益、経常損益とも黒字が続き、利益を計上してまいりました。
しかし、それ以降については国の医療費の抑制策や看 護婦不足等の理由によりまして、医業損益はマイナスに転じました。また経常損益は平成4年度に2億円の損失が発生し、 累積欠損金を1億9,900万円計上する結果となりました。このため、平成5年度より、収益の増、費用の削減を図るべく、 経営の改善に積極的に取り組み、経営の健全化に努めてまいりました。
その結果、平成4年度に発生した累積欠損金は平 成5年度から平成7年度の3年間の経常利益で解消しました。また、平成8年度においては、医業収支が、平成元年度以来7 年ぶりに、黒字に転換し、経常利益も2億3,800万円余を計上することができました。一般会計からの繰入金につきまし ては、過去におきまして、繰り出し基準を超える繰り入れも含め、8億円余の繰り入れがされたこともあります。ここ数 年は自治省の定める公営企業繰り出し基準に基づき、概ね6億5,000万円前後の繰り入れで経営を維持しております。
今 後も病院事業会計の基盤を確かなものにするためにも、繰り出し基準に基づいた繰り入れが必要であろうと思っていると ころであります。  起債の償還につきましては、現在の償還計画によりますと、平成10年度がピークで、以降は漸減していくものと予想して おりますが、今後は起債額と償還額に意を配し、慎重かつ効率的な対応をしていきたいと考えております。財政計画の総 括は、先程申し上げましたとおり、極めて厳しい局面を迎えた年もありましたが、その轍を潜まないよう努力していると ころであります。公営企業としての病院経営上で重視する点は、より質の高い適切な医療サービスの提供とともに、歳出 の抑制であります。特に、年間35億円に及びます人件費は、毎年7〜8千万円が自然増となります。
この人件費削減策とい たしましては、本年4月から専門性の高い業務を民間活力を活用し、業務委託により、事務職員を中心に18人減らし、人 件費の削減とサービスの向上に努めたところであります。
また、年間20億円を越える薬品の購入につきましては、思い切 った購入方法の変更によりまして、市場経済性の意識を一層高め合理化に努めているところでございます。今後におきま しても、医療制度の改革など更に厳しい局面が予想されますが、「入るを図りて、出を制す」の精神で引き続き経営改善に努め、臨床研修病院の指定等を生かしまして、質の高い病院を目指すとともに、職員一丸となって経営の健全化を図っ てまいりたいと考えております。

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第3者機関評価・機能評価と臨床研修指定病院

問 第3者機関による病院の機能評価の受審と、臨床研修指定病院の申請をしているが、外部の評価、認可の申請意図、メ リット、ディメリットや現状の進捗状況を伺う。









 市民病院では、本年度、財団法人日本医療機能評価機構による病院機能評価を受審しました。病院機能評価とは、病院 を、第三者である専門家に細部にわたり評価してもらうことにより、病院の問題点や課題を的確に把握し、これを改善す ることによって、より質の高い医療サービスを提供することを目的としております。当院においては、4月に機能評価準備委員会を設置し、8月から372項目にわたる自己評価についての書面審査を受け、去る10月31日に「サーベイヤー」と呼 ばれる6人の専門の調査員の訪問審査を受けたところであります。この評価結果は、来年2月頃になる見通しでありますが 、今までに認定証を授与された病院は50%前後と大変厳しいと聞いております。しかし、この評価を受けたことによって 、市民病院の優れている点や課題等が明らかになったこと、さらに、この課題を改善しより良い病院となるよう職員一 丸となつて努力したことは、結果の如何にかかわらず、大変有意義なことであったと考えております。 国におきまして も、病院機能評価を積極的に堆進しておりまして、医療法の改正によって新たに設けられる「地域医療支援病院」の指定 にも大きな影響を持つものではないかと考えております。  また、臨床研修病院の指定につきましては、昨年9月から院内に準備委員会を設けて準備を始め、8月17日に指定申請書 を提出、去る10月17日に厚生省のヒアリングを受けたところであります。今後、順調に進みますと、来年1月に厚生省の 現地調査があり、4月1日に指定という予定であります。
臨床研摩病院とは、厚生省が指定する研修医の臨床教育病院であ り、この指定を受けるには、学術的に裏打ちされた高度で良質な医療を提供できる病院としていくつかの条件をクリアー していなければなりません。全国約9,500の病院の中でも、わずか280余の病院しか認められていない現状で、この近く の自治体病院では島田市民病院、県西部浜松医療センターが指定を受けております。この指定を受けることにより、市民病院が近隣の病院と比べてより高度な医療を提供していることのPRにもなりますし、優秀な研修医を自分の病院で育てられることにもなり、関連する医科大 学の評価にもつながるものと考えます。また、地域医療支援病院の指定にも大きな力となることは間違いないと思ってお ります。いずれにいたしましても、病院機能評価の受審や臨床研修病院の指定申請など、近隣の自治体病院の中で最も積 極的に取り組んでおりますことは、市民の皆様に、より高度な医療や患者サービスの提供のために努力している姿勢とし てご理解いただけるものと思います。
 H10.4追加分 
 平成10年1月26日財団法人日本医療機能評価機構は袋井市民病院を「質の高い病院」として認定した。


 静岡県では聖隷浜松病院、清水市立病院、袋井市民病院の3病院だけ。




 また、平成10年4月1日、臨床研修指定病院にも指定された。自治体病院1000程度の内、指定病院は268病院しかないため、この取得は袋井にとっても大ニュースだ。

 今後、解剖等も多く行われるため、質の向上が期待される。

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4次計画・今後の病院経営計画


 予防医療の拠点となる検診センターなどの施設整備をどのように考えていくか、さらに本市に立地する民間企業の検診 体制の充実策をどのよう考えているか、いわば4次計画とも言える今後の計画について伺う。



 日本一健康文化都市を進める上で、予防医療のさらなる充実は不可欠のことと考えております。そうした認識を「袋井 市民病院運営方針」の中でも明示しているところでございます。現在、当院は年間25,000人以上にのぼる一般住民検診 や事業所検診、あるいは年間800人を越える人間ドックをとおし、予防医療分野でも中心的な施設として大きな役割を果 たしています。しかし、病院の施設を併用してこそれらの業務を行っておりますので、施設、設備、体制等限界もありま して、これからの需要に応えていくためには必ずしも十分でないと認識いたしております。また、人間ドックを利用され る方々の意識も専用の施設を志向する傾向にありまして、こうした状況を考慮しますと、いわゆる「検参センター」の整 備を検討すべき時期にきていると思うものであります。このため、これからの高齢社会への進展への対応をも念頭に置い た上で、予防医療の核となるような施設の整備を検討していきたいと考えております。これとあわせて、より有効な早期 発見、早期治療に資する仕組み検討してまいりたいと存じます。

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病院と保健センターの連携


 3大死亡原因の分析と対策など、病院と保健
センターの連携について伺う。









 平成7年の袋井市における死亡原因は、悪性新生物、脳血管疾患、心疾患の順となっており、全国の死亡原因順位と同様であります。ご指摘のありました県総合センター発行の「静岡県市町村別健康指標(T)」によれば三大死因の標準化死亡比は低くいずれも下位に位置しております。しかし、年次別にみますと悪性新生物は、増加傾向がみられます。また、平成7年の本市における三大死亡原因別死亡率は低く、人口10万人に対し、県下74市町村中、悪性新生物は142.3人で7 0位、脳血管疾患は112.4人で54位、心疾患は80.8人で69位となっており、極めて良い状況にあります。このことは、各 種健康診査の受診率の向上を図るとともに、生活習慣の改善に力を入れた結果として現われているものと考えます。
今後 におきましても引き続き三大疾患の予防に努めるとともに市民の健康増進に努めてまいりたいと考えております。 
また、病院と保健センターの事業連携ついて現在、乳幼児から成人・老人を対象とする各種事業においては、袋井市民 病院と連携を取り、進めております。振り返ってみますと、従来の事業に加え、昭和63年度から胃、胸部検参の全面委託 を始めとし、平成3年度、リハビリ教室、平成6年度、はつらつステップセミナー、平成7年度、骨粗しょう症予防検診、 平成8年度、女性の健康審査、平成9年度、乳幼児健康診査の精密検査等を新たに委託し、平成10年度には婦人科検診の一 部を委託する予定であります。これらの事業を効果的に実施していくためには、事前に十分な打合せを行い、また事後指導においても、双方連携を取りながら、受診者にわかりやすく絵説き説明をしております。更には、保健、医療、福祉の一層の連携を図るため平成9年11月から「保健・医療・福祉サービス研究会」を市民病院院長、民生部長、市民病院事務 部長及び関係課長で組織し、事業のより効果的・効率的な推進を図るため協議をいたしております。市民の健康増進を図 る事業を充実させるためには、地域に密着している袋井市民病院と更に連携を強化してまいりたいと考えております。  さらに、健康づくり堆進課の日本一健康文化都市事業展開について、健康づくりや保健事業の充実を図るためリハビリ 教室、寝たきり者の訪問指導、健康教育・健康相談等を実施しているところであります。特に、リハビリ教室においては 、デイサービス等の利用ができない方々が参加し、訓練できるよう、送迎等内容の充実を図り、平成7年度の158人の参加 者数から平成8年度は412人と増加しております。また、地域保健法の施行に伴い、平成9年3月には袋井市母子保健計画を 策定し、県から移譲された3才児健康診査、妊婦・乳児健康審査を新たに実施するとともに、従来から行っていた新生児 及び産婦訪問も充実してきております。特に、新生児及び産婦訪問は、平成7年度の141件から平成8年度は228件と増え、 保健婦が早期から関わることにより、安心して子育てが行えるよう支援しております。今後におきましても、市民の要望 に的確に応え、保健予防事業の充実に努めてまいりたいと存じます。

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 救急医療体制の充実


 最近の急患の状況と合わせて、医療サービス体制の今後と言うことで伺う。




























 現在の受け入れ体制としましては、24時間体制で対応しているところであります。救急患者数でありますが、平成8年 度は年間17,044人であり、1日あたりにいたしますと46.6人になっております。平成9年度の上半期は、8,300人となり 、1日あたりにいたしますと45.4人となっております。また、市町村別の1日あたり患者数は、平成8年度におきましては 、袋井市内の患者が26.3人で、次に浅羽町の6人となり、以下森町の4.6人、大須賀町の2・1人、その他4.9人となって おります。
平成9年度におきましても概ね同様の割合を示している状況であります。その中で、診察参察の結果、ただち に入院治療の必要となった患者数は、平成8年度におきましては1,484人を数え、1日あたりにいたしますと4.1人となっ ております。平成9年度上半期におきましては、679人で1日あたりにしますと3.7人となっております。こうした状況に 対応するための当直体制といたしましては、医師2人若しくは3人を配置し、内科系、外科系の全般に対応できる体制を敷 いておりますし、看護婦につきましても4人を配置し、対応しているところであります。また、患者の状態や来院者の状 況により専門の医師を必要とする場合や緊急時に備えまして、診療科別に医師の待機制をとっております。
また、中央手 術室の看覆婦や放射線技師、検査技師などの待機制も採用しております。その他の職員も常に救急呼 び出しの対応の心 構えを持っております。また、救急車による重度の患者につきましては、救急車からの情報によりまして事前に治療体制を整え、万全を期して対応しているなど、緊急時に備えているところであります。このように、2人または3人の当直医師 を置くなどして、二重三重の救急体制をとっておりますので、現状での救急医療については対応できているものと判断し ております。なお、これからの高齢社会の進展等医療ニーズの変化に対応するため、救急医療の充実は重要なことであり ますので、院内において更に検討してまいりたいと考えております。

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病院のアメニティの充実、推進


 病院のアメニティの充実と言うことで、外観上での快適性を配慮したリニューアルが必要と思うがどうか。












 病院の快適性につきましては、先程触れた第三者病院機態評価の中でも評価項目として設けられております。今後、力 点を置くべき事項として認識いたしております。本年度は手術室、分娩室等への単独空調機の取付、外来の中待合室の壁 の塗り替え、外来用トイレの整備、病室ベットの洗浄等、大幅な整備を実施したところであります。その結果、病院環境 はかなり整備されたと思っていますが、移転新築後18年経過しておりますので、部分的には汚れが目立つところも、いま だにございますが、今後も、病室のクロス壁の張り替え、廊下等の壁の張り替え、さらに、外来棟の床の全面的な張り替 え等、手を加えていかなくてはならないところも数多くございます。これらに要する費用もかなりの額にのぼりますので 、本年度に実施計画を立てましたので、その中で計画的に整備、充実していく予定です。また、院内の掲示物や色合等に も極力配慮し、患者に少しでも快適感を提供できるような環境の整備に引き続き努めてまいりたいと存じます。

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患者へのサービス、教育指導体制


 患者への対応、教育指導体制について伺う。












 市民病院での接遇に関する教育は、看護婦や事務職員を研修会に派遣したり、その研修結果に基づく院内での研修会や  民間企業のインストラクターや大学教授、弁護士など、その道の専門家を講師に招いた研修会を計画的に行っています。  さらに患者との接触が非常に多い看護部では患者サービスの接遇の向上について検討するCS委員会を設置しまして、毎 月、委員会の開催や研修会の開催の他、患者アンケートの実施、新聞の発行などを積極的に活動し、問題点の改善に取り 組み、成果を上げております。今後も、更にきめ細やかな研修計画を作成しまして、計画的に接遇の改善に取り組み、患 者サービスの一層の向上に努めてまいりたいと考えております。

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医科学センターとの関わり


 大規模運動公園に関連し現在計画がされている、県の医科学センターと、市民病院との関連を伺う。






 静岡県が計画しております医科学センターがどのような機能を指向しているのか、現時点では明確ではありません。どのような関わり方をすればよいのか判断が難しい状況にありますが、市民病院といたし ましては、少なくとも治療行為に関することにつきましては地元の医療機閑として、当院が主体となって機能しなければ ならないのではないかと考えております。今後、計画が具体的になった段階で緊密な連携が取れるように関わっていき たいと思っております。

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道路問題・交通対策について

  川井徳光線、川井34号線付近の改良


 川井徳光線、及びこれと交差する市道川井34号線(カインズ裏)、並びに堀越下35号線の交差点付近において平成 8年に20件以上の交通事故が発生し、現在も事故が絶えない。当該地の改良整備を早急に求む。





 項在、暫定的な交通安全対策として公安委員会との協議を重ねております。特に危険となっている市道川井34号線から 市道川井徳光線との交差点へ進入する車両に対し、視覚で危険を知らせる特殊な路面表示を施すことを考えておりまして、早ければ今月中にも施工する予定となっております。将来的な観点においては交差点改良や代替路線、交通規制等々の 整備が必要と思いますので、総合的にとらえた方策を研究してまいりたいと考えております。また、道路整備10カ年計画 のほうへ追加することも含めて研究、検討していきたいと思っておりますのでご理解を賜りたいと思います。

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防災対策・自主防支援について

 可搬ポンプの更新と改良


 可搬式消防ポンプの更新の時期を迎えている今日、現在貸与しているC−1級可搬ポンプを今後年次計画で見直す必要  があると思うがどうか。

 可搬式動力ポンプにつきましては、昭和53年度を初年度として各自治会に計画的に貸与し、本年4月現在で128台を貸与しております。 今後、総合計画の実施計画に基づき機器の性能等状況を見た中で計画的に更新をしてまいりたいと考えております。

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